石田 啓
Ishida Tasuku- 職種
- コンサルタント
※内容は取材当時のものであり、現在はコンサルタントとしても活動しています。
「0→1でビジネスを作ることは、自分らしく自由に働くこと」新規事業部門の責任者として才流に入社した石田は語る。
大企業での営業や新規事業の立ち上げ、Webコンサルティング、プロダクトマネージャー、スタートアップの共同創業など。事業と組織のさまざまなフェーズを経験してきた石田。新規事業の立ち上げには、特別な想いを持っているという。
これまでのキャリアを振り返りながら、自分らしい働き方や才流で目指すことについて話を聞いた。
キャリアの中で気づいた「新規事業立ち上げ」への想い
ーこれまでのキャリアについて教えてください。
さまざまな会社や立場を経験しましたが、ひとつ挙げるならば、ユニラボという会社を共同創業してからの7年間は、自分のキャリアの中でも特にユニークな経験だったと思います。
ユニラボは、新卒のディー・エヌ・エー時代に一緒だった現ユニラボ代表の栗山さんと、エンジニアの菅原さんと一緒に始めた会社です。今でこそ、総額20億円以上の調達をしている会社になりましたが、当初は本当に0からのスタートでした。
栗山さんが住んでいたワンルームの一角に机とパソコンだけを持ち込んで仕事をしたり、マンションの一室を事務所として借りようとしたら、審査に落ちちゃったり(笑)。でも、「小さくてもいいから、いい事業を作りたい」という志を持ち、楽しく働いていました。
ユニラボでは個人の目標として、事業を1→10に大きくするフェーズを経験したいと思っていました。0→1の部分はディー・エヌ・エーや個人事業でもやってきたんですが、その先を手掛けていないことがコンプレックスだったんですよね。
ですから、ユニラボで1→10までをやり切る経験ができたことは、自分にとって大きかったです。自己資本で社員数30名くらいになるまで事業を伸ばし、シリーズAの調達を行い、売上も10億円水準が見えたと思えたところで退任しました。
その後に入社したベルフェイスでは、社長直下のミッションや、カスタマーサクセス組織の立て直し、全社のコロナ対応、プロダクトマネージャーなど。振り返ってみれば「なんでも屋」みたいな感じです(笑)。
当時ベルフェイスは、事業や組織が10→100になるフェーズだったので、大企業で活躍をしてきた人や、社内の調整が得意な人をどんどん採用していきました。そういう人たちが活躍するフェーズだし、そうでなくてはならないと思っていました。
一方、「自分はどうしたいのか」悩みましたね。自分が10→100のスキルセットを身につけて会社に残るか、0→1を磨き続けるために転職するのか。考えた結果、やはり僕は0→1で事業を作るのが好きなので、後者を選びました。
ビジネスを作ることは、自分の「自由」を担保すること
ー「0→1」で新規事業を作ることに、特別な想いを持っているのですね。
そうですね。これは、僕が大切にする「自由」という価値観がベースにあります。
新卒で就職をするときに思ったのは、「サラリーマンではなくビジネスマンになりたい」ということでした。サラリーで生きるのではなく、ビジネスを作って生きる。極端な話、「1億円稼ぐから1,000万円もらう」というのは成立すると思っているんです。そういう生き方なら、自由なんじゃないかと。
新卒の会社から転職や起業を重ね、大小7つの新規事業立ち上げを経験しましたが、根本は変わっていません。新規事業を作ることは、自由を担保することであり、自分の価値観を大切にすることなんです。
また、40代を前に自分自身がどうありたいかと考えたときにも、やはり「0→1」で新規事業を立ち上げることにはこだわりたいと思いました。
数十億、数百億のビジネスだと、どうしても長期戦になり、資金力の戦いになってしまいますが、僕は小さくても価値ある事業にたくさん関わりたかった。そのためには、小さな組織で、安心して小さく挑戦を続けられる環境が必要だと思っていたんです。
栗原さんからマイクロ事業法人の構想を聞いたとき、まさに「これだ!」と思いましたね。
自分でやるか、既存の会社でやるかはどちらでも良かったので、「マイクロ事業法人をやらせてもらえるなら」ということで、才流への入社を決めました。
ー才流のことは以前から知っていたのですか。
栗原さんとは、ユニラボのときにお会いしたことがありました。栗原さんがやっていたマーケターのイベントに参加し、澤井さんや黒須さんにもお会いしたことがあります。
実はユニラボを辞めてベルフェイスに入社する前も、一度才流への転職を検討したこともあったんです。当時は事業会社がいいと思ったので入社はしませんでしたが、その後もいい距離感で交流をさせてもらっていました。
「才流では、自分が苦手なことを無理にやらずにvalueを発揮できる領域に集中できる」
ー才流で実際に働いてみて、印象はいかがでしょうか。
栗原さんは「理想論をきちんと形にした経営をする」という意思を持って経営されていると感じますね。
例えば、ルールの作り方や予算の考え方など、「理想はそうだけど、現実はね…」と言ってしまいがちな場面って、経営者ならたくさんあると思うんです。でも栗原さんは、そこを理想に寄せ切ろうとしているのではないでしょうか。
そして栗原さんが掲げる理想に向かって進むために、才流には理想をちゃんと体現できる強いメンバーが集まっていると感じます。
また栗原さんは、先日、自身のメルマガで「自分が深い専門性がないことではadd valueできることはないから、口を出さない」と書いていて、まさにそれを実行していると思います。
valueを出せるところに、出せる人を配置すれば大丈夫というのが、栗原さんの考えなんじゃないでしょうか。
才流には、自分とは違う分野で多様な強みを持つメンバーがいます。だからこそ苦手なことを無理にやらずに、自分がvalueを発揮できる分野で貢献すればいいんです。
私は才流に来て、過去5~6年間苦手と感じていたマネジメントをまったくしていません。これは衝撃ですね(笑)。
自分の得意なことだけに集中できているので、パフォーマンスは非常に高いですし、そのおかげなのか「助かっています」とか「ありがとう」とか、メンバーに対する感謝が圧倒的に増えたと感じています。
才流には、水曜の14時以降は休みという制度もありますし、残業も全然していません。週3日、仕事が終わったらジムに行って運動していますし、土日は子供と一緒に遊べる。とても生産性の高い働き方ができています。
再現性の高い「新規事業立ち上げメソッド」を作るために
ー新規事業開発の責任者ということですが、具体的にどのような業務なのでしょうか。
才流は現在、新規事業として6つの事業を立ち上げており、サイルビジネス学院と、営業の型化コンサルティングの2つはすでにリリースしています。それぞれ責任者が立っていて、僕はそのうちの1事業を責任者として見ながら、他の事業の壁打ちをしています。
また、それぞれの事業で立ち上げにあたるノウハウが蓄積されてくるので、それを体系化して、才流としての「新規事業立ち上げメソッド」を作るという役割を担っています。
自分の事業を立ち上げるのはもちろん、一番大きなミッションはこのメソッドで事業を立ち上げた場合に「才流の新規事業は打率8割です」と言えるようになることです。普通は1割もない新規事業の成功確率を引き上げ、再現性を高めていく。あるいは100かかるであろう新規事業開発のエネルギーを30にする。
そういう仕組みを作るために、細かいところまで体系化していきたいと思っています。
ー才流には、どんな人が合っていると思いますか。
採用ページに才流の求める人物像を公開しているんですが、それにはすごくしっくりきていますね。
メソッドやコンテンツを作るのが好きで、ピュアな人。新規事業の領域でいうならば、ひとつの領域の解像度が高い人ですね。それを才流のメソッドと組み合わせれば、新しい事業が生み出せます。
また、才流は個々のメンバーがそれぞれ特定分野の知見やスキルを持ち、その知見をメソッド化し、再現性を高めています。マネジメントで人を育成するのではなく、メソッドを作り、プロセスを磨くことに注力しています。
ですから、自分自身に苦手な分野があってもいいんです。明確に自分の強みと弱みを自認し、それを組織の中でどう活かすかを考えられる人は、才流で活躍できると思います。
(撮影=矢野 拓実 取材/文=安住 久美子 編集=森 駿介)