近年多くのBtoB企業が取り組むウェビナー。対面形式のセミナーとの違いや、目的、メリットなどをBtoB企業向けに解説します。
ウェビナー(Webinar)とはオンライン開催のセミナー
ウェビナー(Webinar)とは、ウェブ(Web)上で開催されるセミナー(Seminar)のことです。オンラインセミナーとも言い換えられます。コロナ禍により、これまで対面形式で行われていたセミナーの多くが、ウェビナーに移行しています。
BtoB企業でも、新規リードの獲得やリード育成・案件化の新しい勝ちパターンとして注目されています。
配信ツールはZoomウェビナーを使用する企業が多い
BtoB企業の傾向を見ると、ほとんどがZoomでウェビナーを開催しています。
Zoomの特徴は、以下のとおり。
- PC1台で配信可能
- パネリスト(登壇者)が最大300名参加可能
- Q&A、チャット、フォローアップなど豊富な機能
- 参加者の氏名・メールアドレス・エンゲージメントのCSV抽出可能
- HubSpotとの連携が可能
PCに付属されているマイクとインカメラさえあれば使用できるため、追加で機材を購入する必要はありません。PC1台あれば、家からでもウェビナーを配信できます。
ウェビナーを開催する目的とメリット
BtoBマーケティングにおけるウェビナーの目的は、リード獲得とリード育成・案件化の2つです。
ウェビナーのメリットは、これまで対面形式では参加が難しかった人にリーチできること。地域、時間、職種・役職の垣根を超え、直接アプローチできるからです。
結果として新規リード獲得につながり、集客力は対面セミナーの5~10倍になる場合もあります。
また、参加人数を絞り、リード育成・案件化目的のウェビナーと組み合わせることにより、新しい受注獲得ルートを構築できます。
※関連動画:【ウェビナー】 商談化率を上げる企画の立て方|初心者向け
ウェビナーは受注獲得までの顧客接点
ウェビナーの目的はリード獲得とリード育成・案件化の2つだと前項で紹介しましたが、ただ数多くのリードを獲得すればいいわけではありません。
ウェビナーは、ゴールである受注獲得までの重要な顧客接点です。全体像を意識しながら進みましょう。
例えばメルマガを配信したり、広告出稿をしたりしても、すぐに受注にはつながりません。見込み顧客にとっては、受注までの階段を登るのはハードルが高いのです。
そこで、受注までの間にリード獲得目的のウェビナーと、獲得したリードを育成・案件化するためのウェビナーを開催し、顧客が階段を登れるように後押ししましょう。
※関連記事:階段設計
ウェビナーの開催形態は顧客の検討段階や目的から選ぶ
リード獲得とひとえに言っても、自社が接点を持とうとしている顧客がどのような人たちなのか。定義したうえで、ウェビナーの開催形態を決定しなければ意味がありません。
例えばまだ課題が顕在化していない層であれば、著名人を呼んで講演を依頼したり、外部のカンファレンスに参加したり。広く接点を持てる形態を選びます。
逆に自社のサービスを指名検索してくれる人や、使いたい意欲が高い方には、少人数のユーザー会や勉強会などで、カスタマイズされた内容にするのが有効です。
また、目的が「新規リード獲得」なのか、「リード育成・案件化」なのかによっても、開催形態を検討する必要があります。
目的 | テーマ | ||
概要 | 参考事例 | リンク | |
リード獲得 | カンファレンス | 500~1,000名規模以上/半日~数日のイベントを開催 | Adobe MAX Japan 2020 |
共催セミナー | 複数社共催でセミナーを実施 | 法人(BtoB)営業・マーケ担当必見! 事例で分かる、オンラインで受注を増やす方法 | |
著名人セミナー | 大学教授や政治家、芸能人に登壇してもらい、大企業の経営層を集客 | LEADERS5.0 | |
最新トレンド紹介 | 海外の最新情報やトレンドをレポートする | ATD人材育成国際会議 帰国報告会 | |
ノウハウ紹介 | 自社が保有するノウハウをアピール | 【整骨院】Withコロナの資金繰りと経営戦略 | |
リード育成・案件化 | 顧客登壇 | 顧客に事例企業として登壇してもらう | ユーザー登壇!最新ソリューションと先行活用事例紹介セミナー |
業界別 | 特定の業界向けのノウハウや事例を紹介 | 製造業向け稼動率改善ソリューションセミナー | |
少人数勉強会 | 10名程度のクローズド勉強会を開催 | 某グローバル企業。月に1~2回程度、1社2名×6社で少人数の勉強会を実施。集客は営業がコミット | |
製品説明 | 製品・サービスの説明 | GRACE 製造業向けの製品マニュアル作成セミナー (ライティング、e-manualについて) |
開催するウェビナーの優先順位は商談・受注への貢献度で決定
リード獲得か、育成・案件化か。どちらも重要なので、優先順位がつけられないと考える方もいるでしょう。
判断に迷う場合は、明確層・顕在層。つまり商談や受注につながる確度が高い見込み顧客へのアプローチを優先し、ウェビナーを開催しましょう。
ウェビナーからの商談や受注率を上げていけば、営業への貢献度は高まり、社内からもマーケティング施策やウェビナーへの理解を得られやすいというメリットもあります。
※関連動画:商談獲得までのウェビナーCTA設計【CVR向上事例も公開】
ウェビナーの配信形式は目的やコンテンツに応じて使い分ける
ウェビナーの配信形式には、以下の3つがあります。
- リアルタイム配信(生配信)
- リアルタイム風アーカイブ配信(収録した映像を特定の時間に配信)
- アーカイブ配信(収録した映像を配布)
メリット・デメリットは以下のスライドに記載しましたが、目的やコンテンツに応じて最適なものを選びましょう。
ウェビナーコンテンツ制作のポイント
ウェビナーのコンテンツ制作のポイントは、自分の言いたいことを言うのではなく、相手が知りたいこと。さらに言えば、自分が知りたいと思えることをコンテンツにまとめることです。
よくありがちな失敗例としては、自社の宣伝や会社のサービス説明に終始するもの。自社がアピールしたい技術やトレンドの紹介などが多いものがあります。
しかし、これらの内容はAppleやNikeといった、世界の超有名企業が発信すれば見てもらえますが、多くの場合は参加者に興味を持ってもらえません。
業務上の課題解決につながること、業務に活かせること、勉強になること、面白いこと、誰かに教えたくなること。相手が知りたいことはなにか、まずは考えてみましょう。
ただ、相手が何を知りたいかをどんなに想定しても、絶対に当たるコンテンツになるとは限りません。また、参加者のリテラシーもまちまちです。
そこで、おすすめなのが、「自分が知りたいこと」をコンテンツにすることです。
顧客と実際に接している営業パーソンや感度の高いマーケターの方が、自分が知りたいことは、まだ世に出回っていない独自性の高いコンテンツになりえます。
※関連記事: 誰も君のコンテンツなんか見てない
ウェビナーの準備・当日・開催後にやること
ウェビナーの準備と当日のオペレーションについては、以下の記事で紹介しています。ぜひご活用ください。
ウェビナー準備・当日
■ ウェビナー(オンラインセミナー)運営成功マニュアル〜7つのテンプレート付〜
■ 共催ウェビナーを開催するメリット・デメリット、注意すべきポイントなどを解説
■ Facebook広告でウェビナー集客を実施するためのステップを詳細解説 – BtoB企業向け
ウェビナー後
(スライド作成:トヨマネ|パワポ芸人 @toyomane)