みなさんは商談相手に対して、商談後の御礼メールを送っているでしょうか。必要のないケースもありますが、次回約束の備忘や商談資料の送付など、なにかしらの形で御礼メールを送ることが多いと思います。
日常的に送付するため形式的になりがちですが、少しの工夫で案件推進に役立つ手段でもあります。本記事では、御礼メールの効果的な送り方をテンプレートとともにご紹介します。
才流では「案件の推進に課題を感じている」「商談後の最適なアクションをみつけたい」企業さまを支援しています。案件推進でお困りの方はお気軽にご相談ください。⇒サービス紹介資料の無料ダウンロードはこちら
■監修:株式会社セールスリクエスト代表・原 秀一氏
御礼メールの役割
まず、御礼メールの役割を整理します。法人営業における御礼メールの主な役割は、以下の4点です。
1.御礼の意の伝達
文字通り御礼の意を表す役割があります。商談相手の貴重な時間をもらったことに対して感謝を伝え、社会人としてのマナーを果たします。
2.補足情報の伝達
商談で伝えきれなかった情報を伝えることも役割です。商談で伝えられる情報は自社が伝えたいことのごく一部。不足分を文字にして資料などを添付することで、商談の情報伝達を補足します。
3.認識あわせ
商談で話した内容を文字にすることで、お互いの認識のずれを解消することもひとつの役割です。商談で話したことが「自分の意図どおり伝わっていなかった」「相手の意図どおり理解できていなかった」ということはよくあります。御礼メールで重要な事項の認識を文字にして送ることで、こうした認識のずれを防ぐことができます。
4.備忘
備忘の役割としても重要です。商談相手はさまざまな企業と商談をしており、一社ずつ細かな違いを覚えていません。次回の打ち合わせ日程やお互いのタスクとあわせて、自社サービスの特徴などを整理して記載すると効果的です。
また、次回商談時にも御礼メールに記載した備忘を見ながら話を進められるため、お互いに前回商談を思い出すコストを減らすことができます。
商談での口頭のコミュニケーションのみでは「認識の齟齬」「伝わり切らない情報」「忘れられてしまう情報」がどうしても発生します。これを回避することが御礼メールの重要な役割です。
BtoB商材の営業活動では、「解決すべき問題」「問題解決のために想定すべき課題」「課題に対する取り組み方」という複雑な内容を商談相手と合意していく必要があるため、こうした事象をできるだけ避けることが重要です。
上記4点の役割を満たす御礼メールを送ることで、案件推進の水準を引き上げることができます。
よくある御礼メールの構成
上記4点の役割を取り入れた成果につながる御礼メールの前に、よくある御礼メールの構成を見ていきましょう。多くの方が、このような御礼メールを送っているのではないでしょうか。
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件名:ご面談の御礼 株式会社〇〇担当者名
株式会社〇〇
〇〇様
本日、○○の提案をさせていただきました、株式会社○○の○○です。
お忙しいところ、貴重なお時間をいただきありがとうございました。
本日ご覧いただいた資料をお送りします。ご確認いただけますと幸いです。
弊社の○○に関しまして、ご不明点や疑問点などございましたら、お気軽にご相談ください。
今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。
署名
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このようなメールを送ること自体に問題はありません。しかし、御礼伝達と商談時の資料送付に留まっており、先ほどお伝えした役割の多くが欠けています。「認識の齟齬」「伝わり切らない情報」「忘れられてしまう情報」の発生を防ぐことにはつながらないでしょう。
それでは次に、案件の推進に役立ち、成果につながる御礼メールの構成をご紹介します。
成果につながる御礼メールの構成
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件名:ご面談の御礼 株式会社〇〇担当者名
株式会社〇〇
〇〇様
本日、○○の提案をさせていただきました、株式会社○○の○○です。
お忙しいところ、貴重なお時間をいただきありがとうございました。
本日ご覧いただいた資料および議事録をお送りします。ご確認いただけますと幸いです。
参加者
- 貴社
- ○○様
- 弊社
- ○○
〇〇様の業務・目標について
- 業務
- ーーーーーーーーーーーーーーー
- 目標
- ーーーーーーーーーーーーーーー
現状と実現したいこと
- 現状
- ーーーーーーーーーーーーーーー
- 実現したいこと
- ーーーーーーーーーーーーーーー
- 取り組み方
- ーーーーーーーーーーーーーーー
- 懸念点
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組織体制
- ーーーーーーーーーーーーーーーー
- ーーーーーーーーーーーーーーーー
弊社がご支援できることや弊社の特徴
- ーーーーーーーーーーーーーーーー
スケジュール
- ーーーーーーーーーーーーーーーー
QA
- Q:ーーーーーーーーーーーーーーー
- A:ーーーーーーーーーーーーーーー
- Q:ーーーーーーーーーーーーーーー
- A:ーーーーーーーーーーーーーーー
今後のタスク
- 貴社:ーーーーーーーーーーーーーー
- 弊社:ーーーーーーーーーーーーーー
次回お打ち合わせ
- 日程:ーーーーーーーーーーーーーー
- 参加URL:ーーーーーーーーーーーー
その他
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認識の齟齬や疑問点などございましたら、お気軽にご連絡ください。
今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。
署名
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このように商談時に会話したこと、検討を進めるにあたって重要なポイントを文字にして送ることが理想的でしょう。4つの役割を高い水準で満たすことができます。
ご紹介した構成の御礼メールを、すべての商談で送ることは現実的ではないこともあるかと思います。その際には、重要度の高い案件に絞った活用や、構成の一部項目の活用を検討してください。
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※個人情報の入力は必要ありません。クリックするとファイルがダウンロードされます。
御礼メール送信時の注意点
商談内でのメール確認依頼
商談中に「後ほど、本日の内容をまとめたメールをお送りします。認識の齟齬がないかご確認いただけますと幸いです」といった御礼メールを送信することの宣言と確認依頼をおこないましょう。
メールを見てもらう確率を上げるために有効です。また、いきなり長文メールが送られてくることを不快に感じる人もいるため、相手への配慮としても商談内で一言添えておきましょう。
送信タイミング
御礼メールは、商談相手の関心や記憶が薄れないうちに送ると効果的です。当日中の送信を必須としましょう(夕方の商談などスケジュール的に難しい場合でも、遅くとも翌営業日の午前中に送信してください)。
テキスト量
御礼メールに議事録を残しても、ボリュームが多すぎて読まれなければ意味がありません。各項目の記載は1-2行程度に抑えてください。また、状況に応じて不要な項目は削除し、相手が読みやすいボリュームを意識しましょう。
次回商談時の参照
次回商談時には、御礼メールに記載した内容の振り返りから始めると効果的です。お互いの認識を整えてから商談を進めることで、コミュニケーションが円滑になります。
まとめ
本記事では御礼メールの役割と成果につながる構成をご紹介しました。法人営業は商談のリードタイムが長く、社内外さまざまな人物が登場するため、認識や情報伝達の齟齬が非常に発生しやすいものです。それらの回避に御礼メールは役立ちます。本日ご紹介した内容を一部でも取り入れ、受注率改善のお役に立てば幸いです。
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監修
Twitter:@sicgram
2009年より大手人材企業にて求人広告営業に従事。その後、弁護士ドットコム株式会社にてフィールドセールス・インサイドセールス・営業推進を経験後、スタートアップ企業を経て2019年に独立。現在は、セールスリクエスト代表として企業のインサイドセールスを支援。