顧客が特定の企業名や商品・サービス名をインターネットで直接検索する行為を「指名検索」といいます。指名検索は顧客の購買意欲が高い状態で行われることが多く、この機会を最大限に活用すればビジネスの成果を大きく向上させられるでしょう。
しかし、顧客が指名検索したのにもかかわらず、検索エンジンの結果一覧(SERP)に企業や商品・サービスの正しい情報が表示されなければ、ビジネスチャンスを逃してしまうかもしれません。
そこで本記事では、指名検索のSERPを最適化し、ビジネスの成果を最大化するための手法について解説します。企業のWeb担当者、マーケティング担当者の方はぜひお読みいただき、最適なSERPの構築を目指していただけますと幸いです。
才流(サイル)では「指名検索のSERPを最適化したい」「予期せぬ検索結果に困っている」企業さまを支援しています。指名検索の検索結果でお困りの方はお気軽にご相談ください。⇒サービス紹介資料の無料ダウンロードはこちら
指名検索の検索結果(SERP)とは
指名検索の検索結果(SERP)とは、企業名や商品・サービス名で検索がなされた際に表示される検索結果一覧のことです。
そもそも指名検索は、商品・サービスの購買意欲が高い状態でなされるもの。そのため、BtoBマーケティングにおける検索結果(SERP)は、見込み顧客のサービス理解やコンバージョンの獲得に重要な役割を果たします。
Googleなどの検索エンジンの検索結果(SERP)に表示される代表的なコンテンツには以下のようなものがあります。
- 検索広告
- オーガニック枠(自然検索)
- ナレッジグラフ(※)
※ナレッジグラフ:Googleビジネスプロフィールなど、その検索キーワードに紐づく情報を一覧化して表示する機能
また、商品・サービスによっては画像やショッピング枠などが表示されることもあります。
オーガニック枠(自然検索)では、検索エンジンがユーザーの検索ニーズを満たすであろうコンテンツを選択して表示します。たとえば、検索するユーザーの検索意図や期待が採用情報であれば募集要項や採用サイトが、株式動向であれば株価やIR情報が表示されます。
※本記事で解説するのは、企業名やサービス名が、商品・サービスの購入意図で検索されている場合を想定した内容となっています。
指名検索の検索結果(SERP)でよくあるお悩み
才流では、お客さまから指名検索の検索結果について以下のようなご相談をいただくことがあります。
自社のサービスと関係のないコンテンツばかり表示される
- 自社のサービス名が含まれる、もしくは類似のキーワードを含むコンテンツが表示されている
- 検索ユーザーの期待に応えるコンテンツではない
古い情報が掲載され続けている
- 過去に出稿した記事広告やプレスリリースなど、更新されていない情報が掲載され続けている
- 見込み顧客の誤解を招く恐れがある
ネガティブな記事が表示されてしまう
- 自社に対して批判的な内容が含まれる記事が上位表示されている
- 見込み顧客に対してネガティブな印象や誤解を与えてしまう
競合のリスティング広告が掲載されている
- 自社サービス名で検索した際、競合サービスのリスティング広告が表示されている
- 見込み顧客が競合サービスに流れてしまっている
検索結果(SERP)を最適化するための対策9選
ここからは、指名検索の検索結果(SERP)を最適化するための対策について解説します。
【必ずお読みください】
ここで解説している対策については、ユーザーの検索意図や他コンテンツの状況により変化するため、必ずしも理想の検索結果になるとは限りません。
検索広告
対策1:リスティング広告を出稿する
自社の企業名、商品・サービス名でのリスティング(検索連動型)広告の出稿をおすすめします。
リスティング広告で得られる効果は以下のとおりです。
- 検索結果での表示面積を拡大できる
- 効果がすぐに現れる
- 自然検索の結果と異なり、表示させるテキストやクリエイティブを比較的自由にコントロールできる
対策2:現在表示されている競合サービスに出稿停止依頼をしてみる
検索結果に競合サービスの広告が表示されてしまう原因は、おもに以下の2つです。
- 競合サービスが意図的に表示させている
- 広告媒体の都合(部分一致における類似性の解釈)で意図せずに表示されている
後者の場合は、依頼すれば除外対応をしてくれることがあります。現況の共有と、除外してほしいキーワードの提示など希望する対応について連絡をしてみましょう。
なお、自社の指名検索キーワードに競合が出稿しているかをチェックできるようなツールを活用するのも有効です。
他社サービスや会社名へのリスティング広告出稿は違反ではないのか?
商標登録されている他社のサービス名、社名のキーワードの検索結果に対して広告を表示させることは、広告媒体上は問題のない行為です。広告媒体に正式に取り下げ申請ができるのは、商標登録がなされている企業名や、商品・サービス名が“広告テキストに含まれている”場合に限ります。 掲載停止の依頼は、紳士協定であることを認識したうえで、ていねいな連絡を心がけましょう。
自然検索
対策3:比較サイトに掲載する
比較サイトに掲載すると、自社の商品・サービスに関する紹介ページが作成されることがほとんどです。比較サイトはドメインパワーが強く、上位表示されやすい傾向があります。
さらに、有料掲載の場合はコンテンツの細かい調整もできるため、自社が伝えたい内容を伝えやすくなります。
対策4:記事広告を作成する
ドメインパワーの強いWebメディアに、サービス紹介を目的とした記事広告を出稿するのがおすすめです。過去に出稿した記事広告があって情報が更新されていない場合は、更新依頼を出すと対応してもらえることもあります。
対策5:ブログ型プラットフォームで情報発信を行う
noteやQiitaといったドメインパワーの強いブログ型のプラットフォームで自社に関連するコンテンツを作成することで、自社に関するコンテンツの上位表示が増える可能性があります。また、ウィキペディアの情報も整えておくとよいでしょう。
対策6:SNSアカウントを作成し、定期的な配信を行う
Twitter(現在はX)やFacebookなどに企業名や商品・サービス名で公式アカウントを作成して、定期的に情報を配信しましょう。大手SNSは検索結果で上位表示されやすく、また投稿内容やプロフィールを活用することで検索ユーザーが意図した情報を伝えやすくなります。
その他
対策7:Googleビジネスプロフィールを最適化する
Googleビジネスプロフィールを登録することでナレッジグラフが表示されやすくなります。店舗ビジネスでの活用が一般的ですが、BtoBビジネスでも登録しておくことで成果が期待できます。
また、写真や動画、連絡先やWebサイトを登録することができるので、情報の整備も可能です。
対策8:YouTubeに動画コンテンツを投稿する
検索結果(SERP)には、動画専用の検索枠が表示されることがあります。YouTubeに企業名や商品・サービス名で公式アカウントを作成して、商品・サービスの使い方の解説動画やCM動画を投稿しておきましょう。
なお、チャンネル名には企業名、商品・サービス名を入れておきましょう。チャンネルのページが検索結果(SERP)で上位表示されることが期待できるためです。
対策9:指名検索との掛け合わせワードも定期的にメンテナンスする
指名検索されるワードは、具体的な企業名や商品・サービス名だけでなく、関連するキーワードも考慮に入れることが大切です。たとえば、「〇〇料金」「〇〇導入事例」など購買につながるキーワードの検索結果を最適化しておくことで、見込み顧客により的確な情報を伝えられます。
指名検索の検索結果(SERP)でよくある質問と回答
Q:意図していない自社コンテンツが上位表示されてしまうのですが?
自社のコンテンツの中でも、意図していないページが上位表示されてしまうことはよくありがちな問題です。具体的には以下のようなケースがあります。
- 社名とサービス名が同じ場合、サービスサイトよりコーポレートサイトが上位表示されている
- サービスサイト(購買に関わるページ)が出てほしいのに、サポート・ヘルプサイトが表示されている
このような場合、地道にSEO(検索エンジン最適化)に取り組む必要があります。上位表示させたいものとそうではないもの、役割に応じてタイトルとディスクリプション(説明文)、コンテンツを見直しましょう。意図せずに上位表示されているコンテンツがインデックス不要なら、noindexやcanonical(※)で対応するとよいです。
※特定のWebページを検索エンジンのインデックスから除外したい場合に役立つタグ。noindexは設定したページを検索エンジンにインデックスさせないように指示できる。canonicalは複数のページが似ている/同一のコンテンツを持っている場合に、どのページが正規のページであるかを検索エンジンに指示できる。
※関連記事:【BtoBオウンドメディア向け】読みやすい記事の型とSEOの基本
Q:サイトリンクを調整したいのですが、どうすればよいでしょうか?
サイトリンクとは、以下の図で枠で囲まれている部分のアイテムのことです。
サイトリンクが表示されると、Webサイト内の目的のコンテンツにたどりつきやすくなる、検索結果ページ内で自社コンテンツの表示面積が増えるなどのメリットがあります。
しかし、サイトリンクは必ず表示されるわけではありません。検索ユーザーにとって有益だと判断された場合に表示されると考えられています。
サイトリンクを表示させたい場合は、サイト構造や内部リンクを整えるなどの対策を実施することで表示されやすくなります。ただし、対策を実施しても必ず望みどおりの表示がなされるわけではありません。
サイトリンクの代替案として、リスティング広告で任意のテキスト広告やサイトリンクを表示させることでも近しい効果を得られます。
まとめ
指名検索の検索結果(SERP)の最適化は、顧客のニーズに応える適切な情報やサービスを提供することにつながります。見込み顧客のサービス理解を深め、コンバージョン獲得につなげるためにも、ぜひ一度自社のWebサイトで検索結果(SERP)の現状を把握してみましょう。
そして本記事で紹介した対策を参考に、指名検索の検索結果(SERP)の最適化に挑戦してみてください。
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