コロナ禍を経てオンラインセミナー・ウェビナーが一般化するとともに、他社と協力して開催する共催セミナー・ウェビナー(以下:共催ウェビナー)を行う企業が増えています。才流(サイル)でも毎月数回は共催ウェビナーを開催しており、事業の成長に貢献しています。
一方で、これまで自社ウェビナーを開催したことはあるものの、共催ウェビナーはどう進めていいかわからないというお悩みの声もよく聞くようになりました。
そこで本記事では、才流が共催ウェビナーを開催する際に実際に使用している共催の打診文面、企画書、振り返りシートのテンプレートと使用方法を紹介・解説します。
「そもそも共催ウェビナーをやるべき?」「共催ウェビナーのKPI設定はどうすればいい?」「共催ウェビナーのメリット・デメリット、注意点は?」「共催先の探し方のポイントは?」といったことが気になる方は、以下の記事をあわせてご覧ください。
※関連記事:
成果につながる共催ウェビナー開催ガイド|始め方から振り返りまでの流れを解説
共催ウェビナーを開催するメリット・デメリット、注意すべきポイントなどを解説
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知っておきたい共催ウェビナー開催の流れ
共催ウェビナーは、他社との調整が発生するため運用に手間がかかるものです。しかし、企画・実施・振り返りのサイクルを回して改善を続けることで、効果的かつ効率的に共催ウェビナーを開催できるようになるでしょう。
共催ウェビナー開催の流れは以下のとおりです。
- ウェビナーを共催するパートナーの選定
- 共催依頼の打診
- 共催企画書の作成
- 共催ウェビナーの実施
- 振り返り
- 以降、3〜5を繰り返す
ここからは、実際に才流で使用している共催依頼の打診文面テンプレート、共催企画書テンプレート、振り返りシートのテンプレートを用いて、共催ウェビナーを円滑に進行するためのノウハウをご紹介します。
ウェビナーを共催するパートナーの選定については、以下の記事で詳しく解説しています。
※関連記事:共催ウェビナーを開催するメリット・デメリット、注意すべきポイントなどを解説
※関連動画:成果につながる【他社との共催ウェビナー】開催方法(YouTube)
才流が共催ウェビナーで使用している3つのテンプレート
才流では、共催セミナーを開催する際に3つのテンプレートを活用しています。
- 共催依頼の打診文面テンプレート
- 共催企画書テンプレート
- 振り返りシートのテンプレート
この3つのテンプレートを使用することによって、共催先とのコミュニケーション、自社内のコミュニケーション、共催先の社内でのコミュニケーションをコントロールし、共催ウェビナーを円滑に進めることができています。
1. 共催依頼の打診文面テンプレート
他社にウェビナーの共催依頼を打診する際に使用するテンプレートです。
この打診の目的は、ウェビナーの共催に関して30分〜60分の打合せの機会を獲得すること。そのため、打診の内容はすべて仮のままで「詳細は打合せで相談させてください」というスタンスでもかまいません。何も書かれていないと「何も考えていない」と受け取られかねないので、仮案として記載するようにしましょう。
なお、共催先とすでに関係値が構築されている場合はこのテンプレートを使う必要はありません。連絡窓口になってくれる相手からセミナー担当や別部署につないでもらうケースでは、用意しておくことを推奨します。
共催依頼の打診文面テンプレート(Word形式)をダウンロードする共催依頼の打診文面テンプレート(Googleドキュメント形式)を開く
※個人情報の入力は必要ありません。 クリックするとファイルがダウンロードされます。
記載にあたってのポイント
各項目を記載する際のポイント・注意点について解説します。
項目 | 説明・注意点 |
---|---|
セミナーのテーマ | 自社が開催したいと考えるセミナーのテーマを記載 |
企画について | 自社の概要と共催先選定の理由を簡潔に記載 ・事前に先方が過去に実施しているセミナー、発信しているコンテンツを 確認しておくことで、先方が狙うターゲットや発信したい内容を読み解く |
ターゲット | 自社のターゲットを記載 ・先方とターゲットが異なる場合、集客は可能でも顧客満足度や商談率が 低下する可能性があるため、ターゲット像が一致するかを重視する ・自社の情報を詳細に記載することで、求める情報を先方からも適切に得られる |
座組み | セミナーの登壇者の構成、組織、人員配置などを記載 |
お話しいただきたい 内容 | 先方にお話いただきたい内容を記載 |
開催予定日 | 開催希望日を記載 |
開催形式 | セミナーの形式を記載 |
リードの取り扱い | どのようにリードを取り扱うかを記載 |
その他 | 特に注意すべき点があれば記載 |
2. 共催企画書テンプレート
共催企画書は、共催先の企業との最初の企画ミーティングで利用する企画書兼議事録のことです。
企画書の項目については、共催先との最初のミーティングまでに可能な範囲で(仮案でOK)埋めておくのがポイントです。先に項目を埋めておくことで、ミーティングを円滑に進めながら主導権を握ることができます。また、ウェビナー共催時の懸念事項や双方の役割、コミットメントが明確になるメリットも。
共催企画書の内容はミーティング中に随時アップデートをして、ミーティング終了後に共催先にも共有します。企画書を読むだけで、自社・共催先の社内の人が理解できてコミュニケーションが促進するような内容を意識しましょう。
共催企画書テンプレート_各社による講演形式(Word形式)をダウンロードする共催企画書テンプレート_各社による講演形式(Googleドキュメント形式)を開く
共催企画書テンプレート_パネルディスカッション形式(Word形式)をダウンロードする共催企画書テンプレート_パネルディスカッション形式(Googleドキュメント形式)を開く
※個人情報の入力は必要ありません。 クリックするとファイルがダウンロードされます。
記載にあたってのポイント
各項目を記載する際のポイント・注意点について解説します。
【概要】
項目 | 説明・注意点 |
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開催形式 | 開催形式を記載(講演形式/パネルディスカッション形式) |
開催日 | 候補日と共催セミナーの時間配分予定を記載 |
登壇者 | 候補を記載 |
リスト | リストの取り扱いについて明記する 共有方法や共有タイミングについて記載する LPにはリスト活用方法やプライバシーポリシーの記載※が必要なので注意 |
※プライバシーポリシーの記載例
プライバシーポリシー
本ウェビナー参加にあたり、個人情報の管理については、以下のプライバシーポリシーに基づき厳重に管理いたします。また、本セミナーにお申込みいただいた個人情報については、共催の株式会社セールスリクエストへ第三者提供を実施いたします。
共催先企業における個人情報の利用目的については、共催先企業のプライバシーポリシーをご確認ください。
株式会社才流:プライバシーポリシー
株式会社セールスリクエスト:プライバシーポリシー
個人情報の収集・利用・提供について
株式会社才流は参加者の個人情報を次の目的で利用します。
(1)本イベントの運営管理
(2)本イベントに関する連絡
(3)メールマガジン、電話、添付物による商品・サービスの情報提供
(4)その他のお知らせのご連絡
お申し込みの際は、上記の内容をご確認下さい。
プライバシーポリシーの記載例|共催ウェビナー「明日から使える『超実践』シリーズ|リードリサイクルの基本と実践」
【質問】
項目 | 説明・注意点 |
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質問 | テーマ検討をする前段として、共催先へのヒアリング項目を記載 ・両社で「集客、商談転換」などで成果のあったセミナー事例を共有する ・双方の集客実績やこだわりについても話ができるとよい |
【内容】
項目 | 説明・注意点 |
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セミナーのテーマ | セミナーのテーマを記載 |
タイトル案 | タイトル案を記載 ・「ターゲットをより多く集客できる」「釣りタイトルになっていない」といった 観点で自社でタイトル案を複数出してから共催先と確認・決定するのがよい |
内容 | 自社・共催先のトークテーマ案を記載 ・自社の話せそうなテーマは事前に複数出しておくとスムーズに進みやすい |
ターゲット | 自社のターゲット層を記載 |
セミナー後に期待 するアクション | 資料請求、個別相談など期待するアクションを記載 ・「受注」のように成果までが遠いアクションは置かないこと |
目標(重要KPI) | セミナー集客数、新規リード数、新規リード比率、商談数など目標にするKPIを 自社と共催先の両社で明示 ・ここをあいまいにすると2回目、3回目の連続開催といった長期関係に至りづらい |
タイトル案をゼロから作るのはかなり大変な作業です。自社・共催先ともにゼロから作ってしまうと、すり合わせに苦労することもあるでしょう。才流の場合、どちらか1社がタイトル案を考えて、それをもとに両社で推敲していく方法でスムーズに決めるようにしています。
【集客】
項目 | 説明・注意点 |
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告知方法 | 想定される告知方法とタイミングを記載 ・両社のハウスリスト数と想定される最低告知回数を確認 ・才流の場合は2~3週間前から集客の告知を開始 告知タイミングに合わせてLPや社内調整を行う |
【ツール】
項目 | 説明・注意点 |
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役割分担 | 運営に関わる業務分担を記載 |
申込みフォームの項目 | 申込みフォームに必要な項目を記載 ・集客数を上げたければ項目は少ないほうがよい |
アンケートフォームの項目 | アンケートフォームに必要な項目を記載 ・回答数を上げたければ項目は少ないほうがよい |
資料とアーカイブ | 資料、アーカイブ内容の取り扱いについて記載 |
申込みフォームやアンケートフォームの項目は、自社と共催先の両社で必要とする項目が異なるケースがあります。そのため、まずは自社が必要とする項目を記載し、共催先とコミュニケーションをとりながら項目を合わせるようにしましょう。
また、項目だけではなく選択肢で認識のズレが起きることもあるので、確認を怠らないようにしましょう。
【関係者】
項目 | 説明・注意点 |
---|---|
関係者 | セミナー運営に関わる関係者の連絡先を記載 あわせてコミュニケーション手段(メール、チャットツールなど)も確認 |
3.振り返りシートのテンプレート
共催ウェビナーを開催したら、必ず振り返りを行いましょう。ウェビナーを開催しても振り返りを行っていない企業が多いため、自社で振り返りをするだけで他社のウェビナーと簡単に差をつけることができます。
振り返りを行う目的は、以下の2点に集約されます。
- 【改善】 セミナー実施から学びを得て改善につなげること
- 【次回開催】 共催セミナーを再度実施するかを相談すること
振り返りによって改善点を見出し、次につなげることが大切です。これによって調整の手間が一気に省けるようになります。
仮に共催自体が失敗だったとしても、改善点は必ず見つかります。改善を繰り返しながらまずは2〜3回開催し続けてみましょう。それでも改善の傾向がみられない場合は、両社の意向をもって開催をストップすればよいのです。
振り返りのミーティングは、共催ウェビナー開催から1週間ほど過ぎてから行うことをおすすめします。振り返りミーティングの前に、共催先に振り返りシートを共有して必要箇所の記載を依頼しておくとスムーズに進行できるでしょう。
振り返りシートテンプレート(Word形式)をダウンロードする振り返りシートテンプレート(Googleドキュメント形式)をダウンロードする
※個人情報の入力は必要ありません。 クリックするとファイルがダウンロードされます。
記載にあたってのポイント
各項目を記載する際のポイント・注意点について解説します。
項目 | 説明・注意点 |
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開催概要 | タイトル、開催日などの開催概要を記載 |
開催結果 | ウェビナーの集計結果を記載 ・率直に「よかったか」「いまいちだったか」を確認する |
両社からの Good & More | 自社・共催先それぞれからのGood & Moreを記載 ・才流では定性コメントでGood & Moreの形式を採用しているが、各社のやりや すい方法でOK ・Moreは次につなげる改善という意思の表明。失敗ではなく、もっとよくできた という学びを記載 |
次回開催について | 上記をふまえて次回開催に関して議論した内容を記載 |
振り返りミーティングでは、両社で「再度やりたい」「こういう改善がなされれば、再度開催したい」といったことを話し合います。そして次回開催が決まったら、テーマやタイミングについても議論します。必要に応じて企画書テンプレートを利用するのもおすすめです。
才流の場合、短くて3~4か月に1回、長くて6か月に1回の周期を共催のサイクルにしています。慣れてくれば企画書を使わずに、この振り返りシートのみで共催ウェビナーの恒常開催も可能になるでしょう。
まとめ
本記事では、才流が共催ウェビナーの企画・振り返りで実際に使っている3つのテンプレートを紹介しました。
共催ウェビナーでもっとも重要かつ他社と差をつけられるポイントは、振り返りを実施しているかどうかです。振り返りを行うことで改善点が洗い出され、ウェビナーの品質向上につなげられます。
また、共催ウェビナーで一番大変なのは、初めて共催をする企業との最初の調整です。裏を返せば、2回目、3回目と繰り返すことで開催の負担は格段に軽くなっていくといえます。
共催ウェビナーは、実際にやってみないとわからないことも多いもの。「まずは開催してみて、どんどん改善していこう」というスタンスのほうが上手くいくでしょう。
本記事で紹介したテンプレートを活用し、効率的で効果的な共催ウェビナーの運営にチャレンジしてみてください。
才流では成果が実証されたメソッドにもとづき、BtoBマーケティングを支援しています。マーケティング活動で課題を感じている方はお気軽にご相談ください。⇒才流のサービス紹介資料を見る(無料)