BtoBマーケティングにおいては、さまざまな事情を勘案するとアウトソースを活用するのがベターな戦略といえます。同領域において10年の経験を持つプロフェッショナルである株式会社才流・代表取締役の栗原康太がその理由を解説します。
BtoBマーケティングはアウトソースを活用したほうがよい理由
BtoBマーケティングでアウトソースを活用したほうがよい理由は以下の3つです。
1)BtoBマーケティングは経験者が少ない
2)社内リソースでの兼務は、さまざまな弊害がある
3)外部の知恵は、マーケティング組織に欠かせない
一つひとつ解説させていただきます。
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BtoBマーケティングは経験者が少ない
ほんの10年前まで、BtoB企業では、営業がテレアポや飛び込みをして、商談機会を獲得。その後、何度も訪問し、受注につなげるといったやり方が主流でした。しかし、現在はテレアポはなかなか繋がらないし、飛び込み営業NGの会社も多くなっています。
一方で、デジタル領域においてはさまざまなタッチポイントが増えており、マーケティング施策の選択肢が増えています。
そうした中での問題として「BtoBマーケティングは経験者が少ない」ということがあります。法人営業の経験者は非常に多いのですが、これまでマーケティング部門があるBtoB企業は少なく、宣伝部が営業部と協働して展示会への出展、業界紙への広告出稿などを行なうケースが多く、Webサイトの運営も広報部門が管轄。「マーケティング」業務を経験している人はかなり少ないでしょう。
広告代理店、制作会社側にネット広告運用、Webサイト制作/運用の経験者は増えたのですが、「マーケティング業務全般」を経験している人はほとんどいません。DOER NOTEでも紹介したキーエンス社などは、稀有な例でしょう。
※『キーエンスのWebマーケティングが凄すぎるので、解説してみた』
社内リソースでの兼務は、さまざまな弊害がある
BtoBマーケティングを強化する場合、営業や広報、会社の立ち上げ期であればCOOが兼務するケースがあります。しかし、誰もBtoBマーケティングの知見を持っていない中での兼務は手探り状態になり、非効率な打ち手が増え、スピード感が出ません。結果として手が止まりやすくなったり、成果が出ないケースも多く見てきました。
またBtoBマーケティングの経験者を採用をしようと思っても、前述のように市場に経験者がほとんどいないため、これも現実的に難しいです。採用には時間とコストがかかりますし、採用できるかどうかもわかりません。
良いBtoBマーケターが転職市場に出てくるのを待つのは、現時点では難しいと言えるでしょう。
外部の知恵は、マーケティング組織に欠かせない
アウトソースを活用して「外部の知恵」を入れることは、あらゆる組織にとって重要。第三者の構造的優位性として、「客観視できる」ことが挙げられます。
サッカーと一緒でフィールドプレーヤーの視点、監督の視点、コーチの視点、観客の視点、テレビのお茶の間からの視点はすべて異なります。どれぐらい投資するかはさておき、複数の視点を持っておくに越したことはありません。視点が複数あったほうが物事が進みやすくなる構造は確実にあるため、完全に自社完結するのはおすすめしません。
当社自身も実感することですが、マーケティングメッセージを作ったり、営業資料を作っていると、自分たちの想いが優位に立ちすぎる時があります。ユーザーニーズをピュアに拾うことができないのです。ユーザー視点になることは難しいし、原理的に不可能だとすら思います。
とくにマーケティングは、外部の視点を取り入れるメリットが大きい分野です。ここ20年で、マーケティングの世界は複雑化、高度化してきています。
単純に、顧客とのタッチポイントが増加していますし、それぞれのタッチポイントでやれることも増えています。SNSひとつとっても、公式アカウントの運用から、LINEやFacebookのタイムラインに表示されるインフィード広告、ソーシャルメディア上の口コミ分析まで、やれることは多岐にわたります。
社内だけでノウハウや人的リソースを確保するのはもはや不可能。外部の知見を借りながら、プロジェクトを進める必要があります。
アウトソースする場合は、全体最適を図れる人材に
外部の会社にアウトソースする際は、戦略と施策を連動させ、部分最適・手段が先行しないために、目的や上流工程を相談できる人や会社に依頼するのがおすすめです。
よくわれわれは「ドーナツ化現象」と話すのですが、たとえばマーケティングの数値目標があるとして、達成するための手段としてはSEO、コンテンツマーケティング、セミナーなどがあります。しかし、それらを「いつ」「どの順番で」「何のために」実施すればいいのか。ツールもたくさんありますが、どのツールをいつ使うのか、そこを理解する必要があります。
私自身が強くそうあるべきだと思って自社の提供サービスを設計していますが、マーケティング活動の成否を分けるのは「全体最適」です。加えて、戦略を描けるだけでは不十分で、実行もできる、あるいは実行部隊のネットワークを持っているところとパートナーシップを持てればなおよいでしょう。
才流(サイル)では提供サービスを「DOER」(実行者、行動を重んじる人)と銘打っているように、マーケティング活動も結局やるかやらないかです。よほど社内の実行力と実行リソースが強力でない限り、戦略を描くことのみに特化したコンサルティングへの発注はしないほうがよいでしょう。
内製かアウトソースか
マーケティング活動を進めるうえでは、内製するか、アウトソースするかは業務によって切り分ける必要があります。
たとえば、社内のデザイナーやエンジニアのリソースを使う際は留意する点があります。というのは、彼らは自社プロダクトを開発・向上させるために採用されているわけです。当然ながら自社プロダクトの開発の優先順位が高くなります。
Webサイトを改善したり、あるいはパンフレットを作ったりすることの優先順位が低くなり、スピーディーな施策実行が難しくなるケースもあります。
現在はアウトソース先が多くあり、フリーランスの方に業務委託で依頼することも当たり前になってきている時代です。内製とアウトソースの切り分けは、真剣に検討すべきテーマでしょう。
再度、要点をまとめます。
BtoBマーケティングでアウトソースを活用したほうがよい理由は以下の3つです。
1)BtoBマーケティングは経験者が少ない
2)社内リソースでの兼務は、さまざまな弊害がある
3)外部の知恵は、マーケティング組織に欠かせない
そして、アウトソースは全体最適を図れる人材を選ぶようにしましょう。
自社で持つ部分とアウトソースする部分を見極め、マーケティング活動を推進することをおすすめします。
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