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新規事業を立ち上げたものの、プロモーションをしても受注につながらない。一定の顧客はいるが、満足度が低い。そもそも、競合に比べて自社の商品が選ばれる理由はなにか、明確に説明できない……。
これらの課題は、その商品・サービスがPMFしていないことが原因かもしれません。本記事では、PMFの定義や、PMFしている状態の判断など、基礎的な情報をまとめて解説します。
PMFの概念が広まり、少しでもみなさまの事業成長に貢献できれば幸いです。
才流では「PMFが達成できない」「新規事業の進め方がわからない」企業さまを、PMF達成に向けて一気通貫で支援します。PMFでお困りの方はお気軽にご相談ください。⇒サービス紹介資料の無料ダウンロードはこちら
※関連記事:PMF(プロダクトマーケットフィット)達成ガイド~基礎から事例まで、新規事業を成功に導くためのコンテンツ集
PMFとは?読み方と定義
PMF(ピーエムエフ)とは、Product Market Fit(プロダクトマーケットフィット)の頭文字を取ったものです。
商品が顧客のニーズを満たし、正しい市場に提供されている状態を指します。ここでいう正しい市場とは、「その商品をほしがる顧客がたくさんいる」市場のことです。
PMFの概念は米国発祥、2000年代はじめに広められた
PMFの概念は、米国の自動投資サービス会社Wealthfront のCEO 兼共同創業者でありBenchmark Capital 共同創業者のアンドリー・ラクレフ氏によって開発され、命名されました。
その後、世界有数の投資会社であるAndreessen Horowitzの創業者マーク・アンドリーセン氏のブログ「only thing that matters」によって、2000年代はじめに広められたのです。
アンドリーセン氏はベンチャーキャピタリストとしてさまざまな企業を見てきた中で、PMFが企業の成否を左右する要素だと指摘しました。
また、Squareに買収されたWeeblyの創業者デイヴィッド・ルセンコ氏は、PMFを以下のように表現しています。
PMFが見つかる前は大きな岩を押しながら山を登っている状況だが、PMFを見つけた後は山頂を超えて大きな岩が転がるのを追いかけている状況である。
出典:https://www.youtube.com/watch?v=0LNQxT9LvM0
PMFしている状態とは?
前述のデイヴィッド・ルセンコ氏の話は、以下の図のようにイメージできます。
PMFがある商品は、商品が顧客に引っ張られるように売れていき、顧客が商品を使い続けてくれたり、口コミをして他の顧客を連れてきてくれたりします。
一方、PMFがない商品は、広告を出稿しても申し込みがなかったり、営業パーソンが必死に売り込みをかけたりしても発注をもらうことができず、商品を使った顧客が満足しません。
PMFしている場合のシグナル
具体的に、どのような状態になっていればPMFしているといえるのか、例を見ていきましょう。
たとえば、グループウェアのサイボウズ Officeシリーズなどを手掛けるサイボウズ株式会社。初期投資家であるインキュベイトファンド代表パートナーの赤浦徹氏は、スタートアップを中心に投資するベンチャーキャピタル「Coral Capital」の西村賢氏からの質問に対して以下のように語っています。
西村氏:初期のサイボウズは全国から届く有料ライセンス申込書のFAXが止まらなくて、ロール紙が床にとぐろを巻いていたと、初期メンバーだった人に聞いたことがあります。
※出典:CORAL「日本の失われた30年を変えるのはVC―、先駆者・赤浦氏が語る独立系VCの歴史と未来(前編)」
サイボウズは1期目に2,000万円強という計画に対して、5,800万円の売上を達成したそうです。このエピソードは、PMFの状態を端的に示すものといえます。
PMFしたときは明らかにそれとわかり、PMFしているかどうか疑問に思っている時点ではPMFしていない、といわれています。まとめると、PMFしたときは以下のようなシグナルがあるようです。
PMFシグナル
・顧客からの問い合わせが殺到する
・異様に低い金額で問い合わせや受注が獲得できる
・顧客からの機能要望に商品開発が追いつかない
・サーバーを増強しても、すぐにサーバーが止まってしまう
・事業の成長に採用が追いつかない
・予算を使っても使っても、利益が出てしまう
営業に関するPMFシグナル
前述のシグナルをもう少し具体的に表現します。営業に関するPMFしている、していないシグナルは以下のとおりです。
PMFしている場合のシグナル
・商談から受注までの期間が短い
・受注数が伸びていて、解約も少なく、顧客が満足している
・比較的ジュニアな営業パーソンでも、受注できている
PMFしていない場合のシグナル
・商談から受注までの期間が長く、見込み客の検討の熱量が低い
・受注数は伸びているが、解約率が高く、顧客が喜んでいない
・営業研修/トレーニングを行い、営業力を強化しても受注率が上がらない
マーケティングに関するPMFシグナル
PMFしている場合のシグナル
・低いCPAでリードを獲得できる
・顧客獲得コストが低く、十分な利益が出ている
・プレスリリースを配信したところ大きな反響があった
・顧客が満足しており、事例インタビューを快諾してくれる
・特別な販促活動をやらなくても、噂を聞きつけた
PMFしていない場合のシグナル
・プロモーション予算を投下するとリード数は増えるが、受注につながらない
・顧客獲得コストが高く、受注しても利益が出ない
・プレスリリースを配信しても反響がない
・事例インタビューを依頼できるほど、満足している顧客がいない
その他のシグナル
PMFしている場合のシグナル
・顧客に提供できる価値を明確に説明できる
・競合に比べて選ばれる理由を明確に説明できる
・顧客からの喜びの声が届く
・顧客が他の顧客を紹介してくれる
PMFしていない場合のシグナル
・顧客に提供できる価値を明確に説明できない
・競合に比べて選ばれる理由を明確に説明できない
・既存顧客などからの紹介が発生していない
・問い合わせが発生していない
レアなケースですが、リリースしてからまったく売れなかった商品がなんらかのきっかけで一気にPMFを達成することもあります。それまでの苦労が嘘のように、次から次へと商品が売れていくのです。
あきらめることなく、PMFを目指し続ける姿勢が重要です。
PMFした商品のほうが、人や組織が幸せになる確率が高い
PMFしていない状態では、顧客に使ってもらえず、売上も上がらず、顧客獲得コストも高く、顧客は喜んでくれず、結果として新規事業の目標値には届きません。
逆にPMFしている状態では、すべてがいいサイクルで動きます。営業パーソンなら、PMFしている商品は売りやすく、仕事をしていて楽しいものです。
私自身、PMFした商品、PMFしていない商品のどちらも売った経験がありますが、明らかにPMFした商品にかかわる人たちが幸せになる確率は高いと確信しています。
自社の商品は本当にPMFしているのか?ぜひこの機会に、見直していただけますと幸いです。
才流では成果が実証されたメソッドにもとづき、新規事業の立ち上げからPMFに至るまで一気通貫で支援しています。新規事業で課題を感じている方はお気軽にご相談ください。⇒才流のサービス紹介資料を見る(無料)
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