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大手企業の商談を獲得する、CXOレターの手順と文例フォーマット

大手企業の役員や決裁権があるキーマンなど、オンラインのマーケティング施策で接点を持ちづらい方へ手紙を送る企業が増えています。しかし、テレワークが広がり、在宅勤務が増える今、「手紙は本当に有効なのか」と疑問を持たれる方もいるでしょう。

本記事では、商談獲得のための手紙施策がテレワーク下で発揮する効果と、手紙施策を成果につなげるために必要なポイントをまとめました。

また、手紙施策の進め方がわからない、どのような手紙を書いたら良いのかわからない方に、チェックリストと文例フォーマットを用意しました。ぜひご活用ください。

手紙施策(CXOレター)実行プロセスのチェックリスト
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目次[非表示]

  1. 1.企業向け手紙施策(CXOレター)とは
  2. 2.大手と中小企業では開拓チャネルが異なる
  3. 3.どのような企業が手紙施策(CXOレター)を実施すべきか
  4. 4.企業向け手紙施策(CXOレター)のメリット
  5. 5.企業向け手紙施策(CXOレター)で見込める効果
    1. 5.1.テレワークの影響
    2. 5.2.手紙(CXOレター)は珍しい手段ではなくなりつつある
    3. 5.3.手紙(CXOレター)のポイントは限定感の演出と魅力的なオファー
  6. 6.手紙施策(CXOレター)を実行するためのプロセス
    1. 6.1.1.企業リストの作成
    2. 6.2.2.送付対象者の特定
    3. 6.3.3.文面の作成
    4. 6.4.4.手紙の送付とフォローコール

企業向け手紙施策(CXOレター)とは

企業向け手紙施策(CXOレター)とは、オンラインマーケティングや展示会ではリーチしづらい企業のキーマンと接点を構築するため、手紙でアポイントをとる施策のことです。

「デジタルの時代に、わざわざ紙の手紙?」と思う方もいるでしょう。しかし企業規模や相手のポジションによっては、手紙は有効な手段です。

大手と中小企業では開拓チャネルが異なる

では、なぜ手紙施策が重要なのか。前提として、大手企業と中小企業の開拓チャネルの違いを説明します。

表を見ていただくと、「大手企業はオフライン」「中小企業はオンライン」の施策が多いことがわかります。

デジタルで大手企業のリードを獲得できないわけではありませんが、獲得できるリードの大半は中小企業です。

大前提として、日本に存在する約350万社のうち、売上500億円以上の大企業は約1万社(約0.2%)、しかありません。単純計算をしても、獲得リードの99.8%は中小企業なのです。

※参考:https://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/2020/chusho/b1_3_1.html

どのような企業が手紙施策(CXOレター)を実施すべきか

次に、どのような企業が手紙施策を実施すべきなのか。自社が次の条件に当てはまる場合は、手紙施策を検討しましょう。

  • ターゲットとなる企業が非常に少ない(例:1,000社未満)
  • 担当者クラスではなく、決裁権をもった役職者にアプローチしたい
  • 決裁権を持った役職者のリードを獲得できていない
  • 大手企業の役員と接点を持ちたいが人脈がない
  • 大手企業向けの営業を強化したいが、何から手を付ければ良いかわからない

CXOレターのイメージ

※社名や肩書、個人名は全て架空です。カタセル社にて撮影した画像であり、外部メディアからの転用ではありません。

企業向け手紙施策(CXOレター)のメリット

手紙施策には次のようなメリットがあります。

  • 大手の役員クラスの方にアプローチできる
  • 特定の業種、企業規模に絞ったアプローチができる
  • 評判やブランドを傷つけずにアプローチできる

また1通ずつカスタマイズできるのが、郵送DMとの大きな違いです。大量のリストに一斉に配布するなら郵送DM、限られたリストに1社ごとに送付するなら手紙DMがおすすめです。

オンラインマーケティングでアプローチができない場合はテレアポ施策も選択肢のひとつですが、営業電話を迷惑だと感じる方も多く、自社の評判を落としてしまうリスクも伴います。

その点手紙は、一方的に相手の時間を奪うことはありません。自社の評判やブランドを傷つけずに、キーマンにアプローチができる手段だと言えるでしょう。

※テレアポについては、SAIRU NOTEのテレアポの効果を上げる45のチェックリストで解説していますので、参考にしてください。

企業向け手紙施策(CXOレター)で見込める効果

個別にカスタマイズされた手紙を送り、フォローコールも併せて実施した際の平均的なアポイント獲得率は1%程度。最も高い場合では10%以上のケースもあります。

アポイント獲得率はさまざまな要素が絡み合って変動しますが、主に獲得率を左右するのは、次の5つの項目です。「はい」と答えられる項目が多いほど、アポイント獲得率は向上します。

  • 対象者にとって価値あるオファーになっているか
  • なぜ、対象者に送っているかの理由に説得力があるか
  • 企業やサービスの知名度は高いか
  • 過去につながりがあるか否か
  • 手紙送付後に適切なフォローコールを実施しているか

テレワークの影響

手紙施策で考慮しなければならないのは、テレワークの影響です。手紙の送付対象者がオフィスにいない、出社頻度が低いケースが増えているからです。コロナ禍以前より、手紙を読んでもらえる確率は下落していると考えましょう。

一方で、テレワークが一般化した今でも、手紙施策によって5%以上のアポイント獲得率を実現している企業も存在します。さまざまな企業の平均値を踏まえると、コロナ以前と比較してアポイント獲得率は3割減程度の影響が出ていると考えられます。

手紙(CXOレター)は珍しい手段ではなくなりつつある

テレワークの影響のみならず、近年は手紙送付を代行するサービスが登場したり、各社の事例がWebや口コミで広まったりしています。結果、手紙自体が珍しい手段ではなくなりつつあります。

ありきたりな提案や、カスタマイズがない画一的な提案、抽象的な訴求ではアポイントを取りづらいくなっています。効果が出る手紙、出ない手紙の2極化が進んでいると言えるでしょう。数年前と比較すると、より本質的な提案が必要になっています。

手紙(CXOレター)のポイントは限定感の演出と魅力的なオファー

対象者に対する提案に欠かせないのが、「限定感」と「魅力的なオファー」です。

限定感の演出とは、「あなただけに手紙を送っている」と感じてもらうための取り組みです。個社毎にカスタマイズし、手紙を作成する必要があります。

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また、手紙の中でオファーをする内容はさまざまです。基本的に、手紙を送る段階では「対象者は自社のサービスに興味を持っていない」ことを前提に、内容を吟味しましょう。

同業他社の事例紹介、トレンドをおさえたテーマの自社カンファレンスや少人数勉強会への招待など、魅力的なコンテンツを用意することで接点を持てる可能性は高まります。

【オファーする内容例】

  • 業界トレンドの情報提供
  • 自社カンファレンスの招待
  • 少人数勉強会の招待
  • 事例の紹介 

手紙施策(CXOレター)を実行するためのプロセス

ここからは、具体的に手紙施策を行う手順を解説します。踏むべきプロセスは4つです。手紙を出す企業の選定から、フォローコールまで、手紙を出す前後も重要になります。

  1.  企業リストの作成
  2.  送付対象者の特定と情報の付与
  3.  文面の作成
  4.  手紙の送付とフォローコール

1.企業リストの作成

まず、どの企業に手紙を送るのかを考えましょう。セグメントの選定は非常に重要なプロセスです。

手間とコストをかけ1通ずつ手紙を送るので、接点を持てれば高確率で受注できる、受注できればLTVが高いセグメントを優先しましょう。

セグメントが定まっていない場合には、過去の受注・失注データの分析や既存顧客の分析、営業へのヒアリングなどを行って選定します。

(セグメントを決める際のイメージ)

  • ターゲット企業の条件は決まっているか
    • 例:業種、年商、従業員数 など
  • リストの取得方法は決まっているか 
    • 例:クラウドツールを利用する、買い切りのリストを購入する
  • 既存顧客へ送付するか否か、送付しない場合はリストから省いているか
  • 商談中の企業へ送付するか否か、送付しない場合はリストから省いているか
  • 過去に接点のある企業に送付するか否か、送付しない場合はリストから省いているか

2.送付対象者の特定

手紙を送る際には、「部署」「役職」「氏名」を明記して送付する必要があります。

部署や役職によって、課題感や興味関心も変わるのできちんと定義しましょう。定義できていない場合には、次のような「ペルソナ」の設定をおすすめします。

部署や役職が決まったら、「送付対象者の特定」を行います。Web上の情報を基に手作業で行うか、情報を保持する専用のサービスを利用しても良いでしょう。

  • アプローチ対象の部署は決まっているか
    • 例:人事部、営業部、マーケティング部
  • アプローチ対象の役職は決まっているか
    • 例:代表取締役、取締役、執行役員、部長
  • 部署名の表記ゆれルールは決まっているか
    • 例:開発部、R&D、研究所
  • 同一企業に複数の手紙を送付するか否か
    • 例:開発部と研究所の両方に送付する
  • Web上の人事ニュースを確認したか
  • Web上で組織図を確認したか
  • 送付対象者を特定できたか
  • 送付対象者に関するビジネス上の発信を確認したか
    • 例:Webメディアのインタビュー記事

3.文面の作成

次に手紙の作成です。内容はアポイント獲得率に大きく影響します。手紙を受けとる側は、手紙を送付する企業の商品やサービスに興味はありません。その前提で、「興味を引くポイント」と「魅力的なオファー」を押さえる必要があります。

全文カスタマイズされた手紙を送付するのがベストですが、効率性を重視する場合には基本フォーマットを用意し、中身の一部分をカスタマイズして作成しましょう。

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  • 何を見て手紙を送付したのか、個別にカスタマイズされた記載をしているか
    • 例:有価証券報告書、インタビュー記事
  • 上記のどの部分に着目したのか、個別にカスタマイズされた記載をしているか
    • 例:中期経営計画の中にある〇〇の課題に着目し~
  • 手紙の目的を端的に記載しているか
  • 自社の紹介を端的に記載しているか
  • 対象企業の課題(仮説)に合わせた提案ができているか
    • 例:〇〇コストの増加という課題に対して△△を提案

4.手紙の送付とフォローコール

手紙を送付したら、3営業日後からフォローの電話をしましょう。手紙を送って連絡を待つ方法もありますが、内容がよほど魅力的なものでない限り反応はほとんどありません。

また、対象者が手紙に気付いていない、読んでいない場合も想定して、トークスクリプトを用意しておきましょう。

  • 手紙送付後、3営業日後からフォロー電話をしているか
  • 着電しなかった場合、3回以上の架電を行っているか
  • 秘書向けのトークスクリプトを用意しているか
  • 対象者のコアタイムを把握しているか
  • 手紙を読んでいない場合のトークスクリプトを用意しているか
  • 手紙を読んでいる場合のトークスクリプトを用意しているか
  • 対象者が興味を持つ事例やトピックを端的に紹介できているか

手紙は大手企業の役員や決裁者にアプローチする有効な施策です。しかしながら、手紙施策が一般化する中、ただ手紙を送るだけでなく、より本質的な価値提供を求められています。

自社のサービスが課題解決に貢献できる企業を見極めて、興味を持たせる内容の手紙を送付しましょう。

また、手紙の送付対象者は、その時点で課題感を持っていないケースがほとんどです。対象が大手企業となると、さらにリードタイムは長くなる傾向にあることを頭に入れておきましょう。場合によっては受注まで1年以上かかることを考慮に入れ、継続的なアプローチが必要です。

本記事が大手企業向けのマーケティング・営業活動にお悩みの方の一助になれば幸いです。


監修ご協力

加藤 一平 様
株式会社カタセル 代表取締役

大学卒業後、IT企業に入社。飲食・小売店向けタブレット型POSレジのパッケージ・SaaSの提案営業に従事。
また、グループ会社にて、中小企業の経営者を対象に、自社開発CMS、BtoBビジネスマッチングサイトのアウトバウンド営業に従事。トップセールスを獲得。
その後、IT企業に特化した人材紹介会社にて、外資系・日系IT企業を対象にエンジニア採用のコンサルティング営業に従事。MVP獲得、過去最高営業記録を更新。
2017年3月に株式会社カタセルを設立。代表取締役に就任。 ​ ​​

著者/ 小島 瑶兵
株式会社才流 コンサルタント

2013年にWEBコンサルティング事業を行う株式会社GENOVAへ入社。営業部長として100件以上のマーケティング支援を行う。その後、新規事業開発を行う部署を立ち上げ、医療メディア「Medical DOC」をローンチ。公開から2年で年商10億円を達成。現在は才流にて上場企業やスタートアップのマーケティングコンサルティングを行う。