catch-img

WantedlyのSEO、あなたは真似できるか? その大胆な戦略を分析する

新しい求人媒体として支持を獲得したWantedly社は、最近では『Wantedly People』サービスについて驚くべきSEO施策を行なっているようです。SEOのエキスパートである村上薫さんに解説をお願いしました。

他社が容易には真似できないSEO戦略

求人媒体で伸びたWantedlyが、新規事業として『Wantedly People』という名刺管理サービスを出していますよね。

IR資料を見ても、クオーターで1億円以上の投資をしているのがわかります。

IR資料

当然「名刺管理」でSEOをするんですが、成果が出ているだけでなくやり方が結構面白いなと。

名刺管理

これを見ると

  • SEOでWantedlyが「名刺管理」で4位と上位に表示されててうまくいってそう
  • そもそも他の会社で簡単に真似できるものなのか?
  • 色々な障害があってもやりきっているWantedly凄い

てなことをいろいろ思うんですが、ひとつずつ説明しましょう。

名刺管理で上位をとるWantedlyのSEO手法

以前までBtoBの製品をSEOする場合は、製品LPや会社のコーポレートサイトTOPを最適化するというやり方でした。

WantedlyのSEO手法

ただし今はユーザが知りたいことを記事化したコンテンツでSEOをかけていくのが主流になっています。

記事化したコンテンツでSEO

Wantedlyも、記事を用意することで『名刺管理』というキーワードで上位をとっているのがわかると思います。

おすすめ人気名刺管理アプリ7選!

タイトルは「【徹底比較】無料でも使える、おすすめ人気名刺管理アプリ7選!」というもので、内容は各社の名刺管理アプリを自社の商品と比較するというもの。

この記事の内容を見ると

「簡単には真似できないな」

と思うのです。

なぜそう思うのかを説明します。

なぜ簡単に真似できないと思うのか?

結論からいうと2つあって

  • 他社と比較をしている
  • メディアという立場ではなく、自社の立場からの情報

という点が凄いなと。

①他社と比較をしている

この施策をいくつかのクライアントに提案した経験があるのですが、担当者は口をそろえて「それはできない」という反応でした。

理由としては

  • 他社からのクレームがくる

というものが一番大きかったです。

唯一「やろう」というリアクションがあったんですが、深掘って聞いていくと

  • 比較関連のクエリは、ASPを通してアフィリエイターにとってもらう

といった施策で、自社の名前でやるのはNGということでした。

比較広告は、海外と比較すると日本では敬遠されることが多いと聞いたことがあります。

確かに、コカ・コーラとペプシのような比較広告を日本で見る機会はあまりありません。

最近で印象深いのは、楽天カードのCMに『アマゾゲス』という珍妙なキャラクターが出ていたぐらいですし、楽天カードのCMのように何か社名を想起させるといった形で、具体的な社名や商品名を伏せることが多いと思います。

が、Wantedlyの記事はすべての商品名が記載されています。

②立場がよくわからない

どこかの営業マンが、その営業マンの商品と他社の商品を比較する際に

  • 本当にフラットに比較しているのか
  • その営業マンの会社にとって有利な軸で比較しているのか

この2つで大きく分かれると思います。

どうしてもクライアントは、営業マンのいうことを色眼鏡で見てしまうと思うんですよね。

なのでこういった中立比較コンテンツを出す場合って

  • メディアに広告を出す
  • 自社でオウンドメディアを用意して掲載する

といったステップがよく踏まれます。前述のアフィリエイター経由でとりにいく、というのも同じ発想です。

元々名刺管理というワードはSansanがやっている『名刺管理Hacks』というオウンドメディアで同じような施策が実施されており、ずっと上位に掲載されていました。

名刺管理Hacks

このメディアも運営元はSansanと書かれていますが、そこまで目立つような表記にはなっていません。

おそらくですが、「誰が言っているのか問題」に気を使っているのではないでしょうか。

話を戻すとWantedlyの記事は、思いっきり自社ドメインの配下にあるので、そういった工夫もありません。

普通のシーンであれば

  • 競合企業に文句をいわれるのでは?

とか

  • ユーザから見てどう見られるのか​​​​​​​

といった議論が起こって実現しないので、これを見ると思い切っているなと思うのです。

そしてことSEOの手法という観点だと、これは参考になる施策だと思います。

SEOは言いたいことではなく、ユーザが知りたい情報が勝つ

前提として、昔も今もSEOで有利になる情報は

「企業が言いたいことではなく、ユーザが知りたいこと」

これが大原則。

なので「名刺管理」で狙う際にWantedly Peopleの宣伝をするよりも、様々な情報を比較した観点のほうが大多数の関心を捉えるはずです。

こういった情報がSEOとしてうまくいくのは、不自然ではありません。

なのでこの考え方はどの企業も素直に真似してほしいなと思うのです。

ただし繰り返しますが、様々な障壁をすべて無視してるWantedlyの姿勢が凄いなと。

まとめ

まとめましょう。

  • SEOは言いたいことではなく知りたいこと
  • 自社のセールスよりも、多くの情報をまとめるコンテンツを作ろう
  • いろいろな問題があるけど、解決の方法もいろいろある​​​​​​​

といった学びがあると思います。

つらつら書きましたが、Wantedlyはそこまで小難しく考えずに「Sansanの記事のテイストに被せてコンテンツを出したら上位に出た」みたいな話かもしれませんね。

【無料ダウンロード】BtoBマーケティングを成功に導くサイル式マーケティングメソッド
【無料ダウンロード】BtoB企業のマーケティング戦略立案ToDoリスト

村上 薫

著者/ 村上 薫
SEOコンサルタント

大学在学中、ITベンチャーを起業。自ら経営者として様々なウェブサービスの運営を行いつつ、コンサルタントとして様々なサービスの改善を行ってきた経験を持つ。 このコラムでは経営者としての目線を元に、“実利になるマーケティングとならないマーケティング”というテーマで情報を発信していく。