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ぐるなびが楽天と提携、ぐるなびのSEOは10年でこう変わった

ぐるなびと楽天の資本提携が発表されました。

ここ数年のぐるなびの株価を見ると、2016年をピークに下降しています。

ぐるなびの株価

発表されたニュースによると楽天が指名する取締役1名がぐるなび経営陣に参画し、飲食店の送客サービスをより強化していくということで、楽天傘下の意味合いが強い提携でしょう。

参考
楽天とぐるなび、資本業務提携を締結–会員のIDやポイントプログラムの連携強化へ – CNET Japan

楽天、ぐるなびに出資40億円 外食データに照準:日本経済新聞

今回はぐるなびの検索結果上のマーケティングパフォーマンスがここ数年どう変わっていたのかをみることで、SEO観点の学びを探っていきましょう。

この10年でぐるなびの検索順位はこう変わった

10年前の検索キーワード順位と今を比較してみました。


キーワード
2008
2018
魚菜酒心 簾
1
14
炭焼職人 猿屋本店
1
3
百味佳老火鍋
1
1
焼肉 松阪苑
1
5
串ぐるり
3
6
月桃花 横浜
2
8
吉珍樓 ルーセントタワー店
1
2
ゆるり 大名店
1
圏外
かこいや名古屋伏見店
1
1
ぶらっ菜
1
16
酔家
1
5

男吉

5
35

よし久

2
4

浪花亭

6
16

えびす大黒

3
15

兆治

2
5

情熱ホルモン

3
8

なにわ本店

3
7
8
圏外
五一
5
圏外

平均掲載順位

2.6
8.9


こちらはGoogleトレンドによる検索クエリの推移です。

Googleトレンドによる検索クエリの推移

青=ぐるなび
赤=食べログ

数字からわかること

ぐるなびのビジネス価値は店舗への送客なので、ぐるなびの各店舗詳細ページにユーザをいかに送客できるかがポイントです。

そのため

  • エリア×ジャンル
  • エリア×ジャンル×こだわり条件


​​​​​​​といったキーワードはもちろん店舗の名前のSEOで上位をとれるかどうかも重要になります。

エリア×ジャンルはまだ店が決まってないユーザですが、店舗名はその店舗にいくかどうか悩んでいるユーザなので、店舗にとってはお客さんになりやすいユーザだからです。

この数字を見ると、各店舗名のSEOのパフォーマンスは落ちていることがわかります。

なぜ落ちたのか?

ぐるなびが10年前に1ページ目にランクインしていたものの、現在圏外になっているキーワードの検索結果を見てみましょう。


キーワード

検索結果特徴

ゆるり 大名店
・rettyが1位
・食べログ、ホットペッパーグルメがランクイン
食べログがランクイン
五一
食べログが複数ランクイン


わかるのは

・当時も強かったが食べログが圧倒的に強くなっている
・以前はいなかった新興サービスが一部ランクイン(rettyなど)

この数字から得られる学びはあるのか?



セールスフォースベンチャーズの日本代表の浅井氏がFacebookに投稿しているのですが

「真摯にユーザーが他ユーザーに紹介したいというUXを提供できるよう改善するだけ。Spammyなユーザー獲得施策は最悪。小手先のテクに走るな。」

もうこれに尽きるなと感じます。

当時ですがぐるなびはカテゴリ毎にサブドメインを切って、相互にリンクをし合うSEO施策を相当実施していました。


URL
PR
http://delivery.gnavi.co.jp/
5
http://catering.gnavi.co.jp/
5
http://takeout.gnavi.co.jp/
5
http://shop.gnavi.co.jp/
4
http://jirushi.gnavi.co.jp/
5
http://shop.gnavi.co.jp
5
http://recipe.gnavi.co.jp/
5
http://wedding.gnavi.co.jp/
5
http://gurutabi.gnavi.co.jp/
5
http://travel.gnavi.co.jp/
5
http://auberge.gnavi.co.jp/
5
http://travel.gnavi.co.jp
5
http://kyujin.gnavi.co.jp/
5
http://secretary.gnavi.co.jp
5
http://sp.gnavi.co.jp/
4
http://pr.gnavi.co.jp
0
http://plan.gnavi.co.jp
5
http://shinchaku.gnavi.co.jp/
4
http://my.gnavi.co.jp/
6
http://nikkei.gnavi.co.jp/
6
http://woman.gnavi.co.jp/
5
http://mama.gnavi.co.jp/
5
http://premium.gnavi.co.jp/
5
http://secretary.gnavi.co.jp/
5
http://lunch.gnavi.co.jp/
5
http://tabeho.gnavi.co.jp/
5
http://ff.gnavi.co.jp/
5
http://mr.gnavi.co.jp/
5
http://blog.gnavi.co.jp/
5
http://chisan.gnavi.co.jp/
4
http://cooking.gnavi.co.jp/
5
http://gconcier.gnavi.co.jp/
5
http://secret.gnavi.co.jp/
5
http://cat.gnavi.co.jp/
4
http://present.gnavi.co.jp/
5
http://pr.gnavi.co.jp/
0
http://yakata.gnavi.co.jp/
4
http://bar.gnavi.co.jp/
4
http://plan.gnavi.co.jp/
5
http://event.gnavi.co.jp/
5
http://chef.gnavi.co.jp/
4
http://snow.gnavi.co.jp/
5
http://yoshimoto.gnavi.co.jp/
5
http://chu.gnavi.co.jp/
4
http://hawks.gnavi.co.jp/
4
http://pro.gnavi.co.jp/
5
http://daigaku.gnavi.co.jp/
4


PRは今は無きページランクの略です。昔はこういったサブドメインのサイトのリンクが、外部サイトのリンクの効果を発揮していました。

当然今は301リダイレクトしていますが、SEO的にはマイナスです。

リダイレクトチェック結果

また今はみんなのごはんというオウンドメディアを使って、はてなブックマークを大量に集めています。

はてなブックマーク

ぐるなびのビジネスモデルは掲載課金なので、全国展開しているワタミのようなチェーン店が掲載すると儲かるんですよね。

でもユーザがほんとに見たいのは、チェーン店よりも個別の店舗の口コミでしょう。

ぐるなびもトリップアドバイザーから口コミの提供を受けていますが、

ぐるなび

これをクロールさせると、トリップアドバイザーとの重複になるのでトリップアドバイザーにとってもマイナスになります。

おそらく契約の段階でそこはトリップアドバイザーと握っているのでしょう。

https://r.gnavi.co.jp/rfp84j7x0000/tripadvisor.json

から情報を非同期に取得して表示しているようで、ソースには直接書きだされません。

キャッシュを見ても口コミは表示されないので、SEO的には口コミが無いということと同じです。

キャッシュページ

キャッシュページ

まあ仮に私がウェブマーケティング担当者であっても同じ施策は実施するでしょう。ウェブマーケティングの差というよりもビジネスモデルの根幹というかウェブサービスの設計上の違いがこういった差になっていると思います。

ちなみにリクルート社のじゃらん(紙、ネット含む)は各旅館やホテルの口コミが見れます。

口コミがわからなかった時代だと、旅行市場には質の悪いサービスが数多くありユーザの不満も大きかったようですが、じゃらんが成長することで口コミで旅館を選べるのが当たり前になり、旅館の3割が市場から淘汰されたという話を聞いたことがあります。

ユーザの便利は業界の不便という側面はあるので、そこを解決して成長したじゃらんはマジで凄いサービスだと思います。あと掲載課金ではなく従量課金ですしね。

ただし当初は年間数十億の赤字はザラということだったようです。

資本力が無いと真似はできないですが、当時は集客にSEOが無かったのも大きかったでしょう。

結論

まとめると

  • 大事なことはユーザの便利を追求すること
  • 昔は大量の広告宣伝費がかかったが、今はSEOがある
  • 食べログの考え方や手法はやはり参考になる

ということろでしょうか。

ちなみにここに書かれていますが楽天の基本的な考え方は、

他サービスから楽天への送客単価<楽天内のLTV

になれば絶対儲かるという発想です。

以前、LIFULL HOME’Sに楽天ポイントキャンペーンのバナーが下部に掲載されていたことがありましたが、ぐるなびも同じ施策がそのうちスタートすると思います。

確かに儲かると思うのですがユーザに長く支持されるのかどうかは別の議論だと思うので注意深く見ていきたいと思います。

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村上 薫

著者/ 村上 薫
SEOコンサルタント

大学在学中、ITベンチャーを起業。自ら経営者として様々なウェブサービスの運営を行いつつ、コンサルタントとして様々なサービスの改善を行ってきた経験を持つ。 このコラムでは経営者としての目線を元に、“実利になるマーケティングとならないマーケティング”というテーマで情報を発信していく。