著者/ 栗原 康太
株式会社才流 代表取締役社長

catch-img

顧客開拓は「すでにうまく行っている会社」にすべき理由。

様々なBtoB企業の営業・マーケティングを支援し、自分でもいくつかの事業立ち上げを経験する中で、顧客開拓の重要性を痛感する。

よくあるのが企業規模や従業員数、業種・業界などを軸に企業や人を分類し、そこに営業・マーケティング施策を仕掛けていく流れ。しかし、最近はそれらを包括するものとして、『“いいな”と思える会社か』を基準にすると良い気がしている。

いい会社、の基準とは何か

『いい会社』とは、例えば、Web制作会社にとっては「Webサイトの質がすでに高い会社」や、採用の支援サービスを提供している会社にとっては「すでにいい採用活動をしている会社」を指す。

そうした会社は、その領域に対して過去にヒト・モノ・カネを投資し、社内で重要だと認識しており、結果として、今回も新しい製品・サービスを導入する可能性が高い。

一方、よくあるのがWebサイトがいまいちな会社や、採用活動がいまいちな会社にアプローチしてしまうこと。


顧客開拓の基本方針

上記の図の取り組みレベルが低い会社は、その領域にヒト・モノ・カネの投資を過去に行なっておらず、社内でも重要だと認識しておらず(もしくは、重要だと正しく認識できておらず)、結果として、いまいちなWebサイトや採用活動になっている可能性が高い。そうした会社は表面的には課題が多く見えるけれど、新しい製品・サービスを導入する可能性は今回も低い。

実際、マーケティング支援サービスを営業している中で、いまいちなマーケティングをしている会社に提案すると、コンペ後に結局やらないことになったり、決裁までに時間がかかったり、プロジェクトが始まってからも社内の協力が得られない傾向がある。

いい会社が顧客になると起きること

逆に、プロジェクトが成立しやすく、大きな成果が出せたのは、相談をもらったときに「あれ、これウチの出番ないのでは・・?」というぐらい“いいマーケティング”をしていた会社。

それらの会社との取引には以下のような特徴があった。

  • マーケティングに対する社内での重要度が高い
  • すでに一定以上の投資を行ない、成果が出ている
  • 次に取り組むことのスコープが明確になっている
  • プロジェクト開始まで、およびプロジェクト開始後の実行スピードが早い
  • それらのプロセスを実行するコミュニケーションプロセスや体制が存在する


結果として、

  • ものすごく成果が出る
  • 影響力のある事例になる
  • 顧客満足度が高くなり、継続率が上がり、LTVが高くなる
  • 最先端のトライを多数できるので、自社サービスが大きくブラッシュアップされる

そして、なによりプロジェクトが楽しく、前向きな気持ちで取り組むことができるので、自社チームのパフォーマンスが上がる、という正の循環が作られていた。

SaaS、サブスクリプション型ビジネスが増える中で注目される書籍『カスタマーサクセス』でも、正しい顧客に販売する重要性を以下のように記述している。

正しい顧客は会社のビジョンやコンテンツ、さらに従業員や提携会社や顧客のオンボーディングを磨き上げてくれる。そして会社が正しい方向に進むように助けてくれるのだ。逆に、たとえ高いブランド力があっても、多額の初期投資や潜在収益を約束してくれても、好意的な評価をしてくれても、間違った顧客は、貴重な人材やマインドシェア、そして会社自体をも恐ろしいどぶの底に突き落としかねない。


“いいな”と思える会社の見つけ方

そして、おそらく“いい会社”は自分たちの主観的な判断であることが大切。主観的に“いいな”と自然と思える顧客でこそ、創造性が高まり、より深く貢献できる。

“いい会社”にアプローチするのは、一見、直感に反するし、とても主観的な基準だけど、お客さんに貢献し、自分たちもたくさん学べ、そこには“共に成長できる関係”が生まれる。

そうした関係が一つずつ作られるごとに、経営や事業は加速し、ますます多くの顧客に貢献できるようになっていく。

「あれ、これウチの出番ないのでは・・?」とヒヨることなく、自信を持った顧客開拓が重要だ。

著者/ 栗原 康太
株式会社才流 代表取締役社長

2011年にIT系上場企業に入社し、BtoBマーケティング支援事業を立ち上げ。事業部長、経営会議メンバーを歴任。2016年に「才能を流通させる」をミッションに掲げる、株式会社才流を設立し、代表取締役に就任。 より良い物事の捉え方・進め方を「サイル式メソッド」として発信しています。

この著者のSNSアカウント

執筆した記事一覧

BtoBマーケティングの
戦略立案から施策の実行まで支援します