
資金や人材が豊富にある大企業では新規事業を成功させやすいと思われがちですが、必ずしもそうではありません。確かに資金力や人材、既存顧客基盤など、スタートアップが喉から手が出るほどほしい経営資源は豊富にあります。しかし、複雑な組織構造や既存事業との調整、慎重すぎる意思決定プロセスなど、大企業特有の課題が新規事業の成功を阻んでいるケースは少なくないのです。
実際、大企業で新規事業を担当している方からは次のような悩みが頻繁に聞かれます。
「ゴールが曖昧で、現場のメンバーが何を目指せばいいかわからない」
「3年ごとに部署が異動になるため、ノウハウが蓄積されない」
「既存事業にリソースが偏っていて、新規事業に人や予算を割いてもらえない」
大企業で新規事業に携わったことのある方なら、多かれ少なかれ心当たりがあるのではないでしょうか。これらの課題は、大企業特有の「構造的」な問題であるため、個人の努力だけで解決するのは難しいように感じられるかもしれません。しかし、現場レベルでも効果的に対処できるアプローチは確実に存在します。
本記事では、新規事業の成功を阻害する大企業特有の要因を9つに整理し、それらを乗り越えるための実践的なアプローチを6つご紹介します。
■監修:才流(サイル)コンサルタント・寺崎 夕夏
大企業の新規事業がうまくいかない9つの要因
まずは、大企業の新規事業がうまくいかない要因をみていきましょう。
① 経営層が新規事業のゴールを明確に示せていない
新規事業は本来、「既存事業を補完・拡張する」「将来的な収益の柱をつくる」「自社アセットを活用して新たな価値を提供する」など、何らかの目的があります。
ところが、大企業にはステークホルダーが多く存在します。多数のステークホルダーから、「社会課題を解決したい」「自社にある眠っている技術を活かしたい」「DX人材も育成したい」など、さまざまな要望が盛り込まれるうちにゴールがぼやけしまうことが多々あるのです。その結果、新規事業で達成しなければならない成果や指標があいまいになり、成功の定義もはっきりしなくなります。
現場の担当者からすると、最終的にどう評価されるのか、企業として何を目指しているのかが見えにくいため、具体的なアクションプランが描けずにプロジェクトが迷走してしまうことは珍しくありません。
② 3年周期(あるいは短期)でメンバーが異動する
大企業では、3年ほど在籍したら異動する「ジョブローテーション」が一般的です。そもそも大企業は新卒入社のメンバーが多く、ゼネラリストの育成を重視しています。また、新規事業の経験者を採用することはあまりありません。
そのため、新規事業開発の未経験者が担当となり、スキルや人脈を築いた頃には別部署へ移動してしまう、という事態は頻繁に起こります。新たな担当者も未経験者であることが多く、また一から学び直すという非効率な循環が生まれてしまいます。
そもそも新規事業は「千三つ(せんみつ)」と言われるほど成功確率が低い世界です。にもかかわらず、3年という短い期間で未経験者がアイデアの創出から検証までを十分な数こなすのは容易ではありません。
さらに大企業ならではの社内調整の複雑さも相まって、「3年」という短い期間では成果どころか「次の一手のための土台づくり」の段階で担当者が交代し、いつまでもノウハウが蓄積されないというケースはよくみられます。
③ 縦割り組織による営業スキル不足
大企業の組織構造は縦割りであることが一般的です。「企画は企画」「営業は営業」といった形で担当領域が明確に分かれているため、新規事業の担当者が営業未経験ということは珍しくありません。
しかし、新規事業の立ち上げ初期では、少人数でプロジェクトを進める必要があるため、自分たちで企画したサービスを自ら売り込む場面が多くなります。これまで顧客対応の経験がない担当者にとっては、営業スキルや商談のノウハウが不足しているため、戸惑うことも少なくありません。
当然ながら、顧客に提案するためには綿密な下調べや試行錯誤が不可欠です。しかし、現場の商談を具体的にイメージできていないケースも多く、結果として机上の空論に終始したり、一方的な説明にとどまったりすることもあります。
さらに、企画担当者は断られることが前提の営業現場には心理的な抵抗を感じやすい傾向があります。とくに新規事業の段階では、顧客ニーズもまだ定まっておらず、否定的な意見を多く受けるのが当たり前です。そうした環境に不慣れな担当者は、経験不足から萎縮してしまい、結果としてアプローチの件数やスピードが落ちてしまうことも珍しくありません。
④ 「前例のないこと」を多段階承認で通しにくい
組織規模が大きい大企業では、意思決定に複数の承認階層を経る必要があります。新規事業は前例がないため、経営層や部長クラス層などの管理職は「売れそうな気がしない」「なんとなく不安」といった曖昧な理由で追加調査を求めることが多くなります。
先述した「経営層がゴールを示せていない」問題とも通じますが、部長クラス層も成功の定義を持ち合わせていないため、「なぜ不安なのか」を明確に言語化できず、指示も曖昧になりがちです。「とりあえずもっと詳しく調べてきて」と指示されても、担当者は何を掘り下げればいいのか分からずに、デスクトップリサーチやインタビューを形式的に繰り返すだけになります。
結果として3〜6か月かけて「(諦め気味で)まぁやってみようか」という消極的な承認を得るパターンが多く発生しています。こうした時間の浪費は担当者のモチベーションを大きく下げてしまうだけでなく、本来明らかにすべき論点も埋もれたまま先へ進むことになってしまいます。
⑤ リソースが既存事業に偏る
新規事業の成功確度は未知数のため、ある程度芽が出る確信を持てるまでは大きな予算や人員は投下できないという判断をされやすいです。それ自体は合理的な考えですが、既存事業(いわゆる“稼ぎ頭”)の維持・拡大ばかりが優先され、新規事業には必要最低限のメンバーや予算すら割かれていないことも少なくありません。
その結果「仮説検証を進めるリソースすら割けない」「顧客インタビューの費用すらままならない」などの状況に陥り、必要以上に時間がかかってしまい、事業機会を逃すケースも少なくありません。
⑥ 既存事業の人材を優先的に評価しがち
多くの大企業では既存事業のKPI(売上・利益)を達成できる人材が評価されやすく、新規事業のようなリスクの高い挑戦に対するインセンティブが十分に用意されていないことがほとんどです。また、事業化まで時間がかかり成功確率の低い新規事業では、売上・利益ベースの評価基準では良い評価を得ることが困難です。
こうした評価制度のもとでは「リスクを取ってまで新規事業に携わろう」という意欲を持ちづらくなります。また、大企業ではいわゆる「出世コース」がある程度決まっていることも多く、そのレールを外れてまで新規事業担当になりたがる人が少ないのも実情です。新規事業は限られたリソースで進めざるを得ないだけでなく、優秀な人材ほど既存事業へ注力しがちになることも成功を遠ざけている要因といえるでしょう。
⑦ 新規事業担当者の評価軸が曖昧
前述したような既存事業の人材が有利になる評価制度を解消するためには、新規事業担当者には既存事業とは別軸の評価基準を設けるのが理想です。しかし、事業の売上・利益が立たない段階での評価は困難となります。
多くの場合、「顧客インタビューを何回行ったか」や「どんな課題を見つけたか」といった“行動ベース”や“発見ベース”の指標で評価するしかありません。しかし、売上や利益といった目に見えやすい成果と比べると、こうした評価はどうしても軽視されがちです。
本来であれば、「この検証をしてうまくいかないと分かったからこそ、次の手を考えられる」という点にも大きな価値があるはずです。しかし、実際にそうした失敗や学びを正当に評価できる制度や社内文化が整っていない企業はそう多くありません。
また、社内で新規事業コンテストを行っていても、「うちの強みは活かせないかもしれない」「勝ち筋が見えない」といった理由で実行段階に進めないまま継続調査や見送りに至ることも多々あります。すると、担当者は「事業づくりの経験も積めないし、評価もされないし、その理由も分からない」という、成長も改善も見えない状況に陥りやすく、退職するケースも出てきます。
⑧ 「失敗が許されない」よりも「簡単には撤退できない」空気感
新規事業は失敗に終わる確率が高いだけでなく、実際にうまくいかなかったとしても一度立ち上げた事業をやめるには相当なエネルギーが必要となります。事業が軌道に乗っていなくとも少しでも契約が取れている場合は顧客への対応責任があるため、簡単には撤退できません。
また、「終わらせる=失敗の烙印」となるのを嫌い、曖昧に継続してしまうこともあります。とくに大企業ではその傾向が強いでしょう。
担当者は「この事業はもう伸ばせそうにないのになあ」と思いながらも、上長や関係部署への根回しや顧客のフォローなどに時間を割き、新しいチャレンジに取りかかれないこともしばしば起こり得ます。こうした先延ばしは、担当者自身のモチベーションを低下させ、事業の成長機会を逃す原因にもなります。
⑨ 部門横断のプロジェクトチームを組みにくい
新規事業を推進するうえでは法務や経理、システム部門、営業、さらにはグループの子会社など、さまざまな部署や担当者を巻き込む必要があります。しかし部署が異なれば、互いの目標設定がバラバラだったり、最終決裁者が誰なのかが曖昧だったりと、調整コストが非常に高くなります。
「部門長同士の政治的パワーバランスがあり、リソースを融通してくれない」「協力してくれる部署にも独自のKPIがあって新規事業のKPIと噛み合わない」など、現場レベルの努力だけでは打開しづらい問題が多く、新規事業のスピードが大幅に遅れてしまうことがよくあります。
現場の新規事業担当者が取るべき6つのアプローチ
大企業の新規事業の現場では前述したような複数の課題が絡み合っています。しかし、現場の担当者として取り組めるアプローチはいくつかあります。
① 経営層に多数のアイデアを継続的に提案する
新規事業に関しては経営層(意思決定層)も経験や知見がないことがほとんどです。前例がないのに数少ないサンプル(=アイデア)だけ見せられても、収益化の可能性があるのか、自社がやるべき事業なのかという判断はなかなかできません。そこで、まずは経営層に対してたくさんのアイデアを当てる(提案する)ことが重要となります。
具体的なアイデアをたくさん示して、その事例から議論を膨らませることで、経営層の新規事業に対する解像度や期待値を把握できます。その結果、自社に合った事業内容や開発プロセスにおいて検証すべき事項がみえてくるでしょう。
具体的なアクション
- 経営層に対して多数のアイデアを継続的に提案する
- 具体的なアイデアを通じて議論を活性化させる
- 経営層の新規事業に対する解像度と期待値を把握する
- 議論から自社に合った事業内容や検証すべき事項を明確化する
② ステージゲートを導入する
事業アイデアの評価基準を明確にするために有効なのが「ステージゲート(ステージゲート法)」の採用です。ステージゲートとは、アイデア創出から検証、開発、市場投入までの各段階を「ステージ」として区切り、それぞれのステージを進む際に必要な情報・判断項目を細かく定義するフレームワークです。

たとえば、ステージ1では「顧客インタビューを30件実施して共通課題を整理する」、ステージ2では「課題に対するソリューションの仮説を立て、コンセプトとビジネスプランを策定する」、ステージ3では「試作段階のプロダクトやサービスを使ってユーザーからフィードバックを得る」といったように、あらかじめ目標や判断材料を決めておきます。
次のステージに進む条件について経営側と担当者が合意することで、経営側はアイデアを評価する明確な基準を持てるようになり、担当者は、どの段階でどの情報をそろえるべきかを把握しやすくなります。その結果、新規事業の進捗が可視化され、無駄な工数や不必要な先延ばしも減らせます。
なお、ステージゲートの設計方法に悩む方は多いですが、基本的にはフィットジャーニーに合わせて組み立てることをおすすめします。フィットジャーニーに沿うことで各フェーズでどの指標を測ればよいのかという判断が定量・定性的に行いやすくなり、迅速かつ的確なゲート判定が可能になるからです。

また、ステージゲートは設計だけでなく、実際の運用が重要です。具体的なアイデアを実際に通しながら、経営層との対話や議論を重ね、自社に適したプロセスへと柔軟に調整していくことが求められます。個々のアイデアだけでなく、ステージゲート自体にも定期的な振り返りと改善のサイクルを組み込むことが大切です。
具体的なアクション
- ステージゲートの導入を検討する
- ステージゲートは基本的にフィットジャーニーに基づいて設計する
- ステージゲートの導入後は定期的にアップデートする
※関連記事:フィットジャーニー|PMFを理解するために必要な用語
③ インタビューで顧客解像度を徹底的に高める
経営層の意思決定を促すには、「売れる根拠」を提示する必要があり、そのためには顧客理解は欠かせません。顧客理解を深めるために最も効果的な施策が、顧客インタビューです。デスクトップ調査だけでは見えない、リアルな課題感や意思決定要因が分かると、経営層に対する説得材料も明確になります。
顧客インタビューは回数をこなすだけでなく、インタビューの目的と対象となる顧客セグメントを明確にすることが重要です。新規事業開発においては「お金を出してもいいほどの課題は何か」「その課題感を持っている顧客セグメントはどこか」を探ることが主な目的となります。
顧客セグメントは、業界や年齢層、部署、従業員規模といった基本的な分け方だけでなく、ニーズや課題感、行動特性など「共通の理由で同じ行動を取りそうな」切り口で整理することがおすすめです。そうしたセグメントにインタビューを行うことで、自社のサービスを必要としている人たちの真の特徴や、より具体的なペルソナ像を把握しやすくなるでしょう。
さらに、ある程度セグメントが絞れてきたら、ランダムな顧客ではなく、そこに当てはまる既存顧客の中でも、企業にとって重要度が高い顧客の声を聞くのも有効です。すでに取引関係があることで、企業側としても無視できない存在ですし、顧客との関係性があるぶん深い意見を得やすく、解像度をより上げることができるでしょう。
具体的なアクション
- デスクトップ調査では見えないリアルな課題感を把握する
- インタビューの目的と対象顧客セグメントを明確にする
- 「お金を出してもいいほどの課題」を特定する
- 「共通の理由で同じ行動を取りそうな」切り口でセグメントを整理する
- 既存の重要顧客から意見を収集する
※関連記事
・新規事業における課題探索インタビューのメソッド/進め方
・見込み顧客インタビューのメソッド/進め方
④ 検証ポイントを明確にして素早く回す
「新規事業にリソースを割いてもらえない」という不満も多いですが、そもそも芽が出るかどうか分からない段階で大きな予算を投下してしまうと、後々の回収ハードルが上がってしまいます。むしろ初期の段階では、なるべく小さなチーム&予算で仮説検証を回し、手応えを感じてきたら増額していくほうが合理的で正しい判断だといえます。
ただし問題なのは、本来必要なリソースが割かれていないケースです。これは、決裁ラインの経営層に対して、リソースを投下した先にどのような成果を得られるかを具体的に示せていないから起こってしまいます。
もちろん、新規事業では具体的な成果を数字で提示するのが難しいでしょう。しかし、先述したステージゲートを参考にしながら、プロセスを細かく切り分けて、限定的な範囲であればある程度具体的な数値で示すことはできるはずです。
たとえば、新規事業開発のプロセスではPoC(概念実証)を実施しますが、仮説はいくつか存在します。
- このサービスは本当に顧客にとって必要なのか?
- いくらぐらいなら顧客はお金を払ってくれるのか?
- 導入ハードルが高い理由は何か?
これらをすべて解決しようとすると、時間も予算も一気に必要になります。まずは重要な検証ポイントを一つに絞り、「これが確かめられれば事業として前に進む」と思えるポイントを段階的に設計するのがよいでしょう。
最初から大規模な投資を求めるのではなく、「小さいステップで何を得ようとしているのか」を丁寧に説明し、成功確度とリスク、そしてその次の一手を明示することがリソース獲得のカギとなります。
具体的なアクション
- PoC(概念実証)で検証するポイントを絞り込む
- 「小さいステップで何を得ようとしているのか」を丁寧に説明する
- 経営層に成功確度とリスクを明示する
- 次の一手を具体的に提示する
⑤ 学習サイクルを構築する
大企業の新規事業では、大きな投資をして明確に失敗するというより、やめどきを見失ってダメージが拡大するケースがよくあります。失敗を認めることがネガティブに捉えられやすく、撤退の判断が先延ばしになるからです。
こうした事態を防ぐためには、初期の段階で「売れるようになるには何を明らかにすべきか」「どこまで到達できなければ撤退すべきか」といった判断基準をあらかじめ設定しておく必要があります。顧客の声や市場データを取り入れながら、定量・定性の両面で検証し、評価軸に基づいて進めていくことが重要です。
仮に撤退する場合でも、「なぜ成果が出なかったのか」が明確であれば、それは貴重なナレッジになります。早期に論点を洗い出せたという点で評価されるべきであり、その学びを組織全体で共有すれば、次の挑戦に活かすことができます。
また、社内の立場では冷静な判断がしづらい場合もあるため、外部の専門家や顧客の声といった第三者の視点を積極的に取り入れることも有効です。
具体的なアクション
- 初期段階で撤退判断基準を設定する
- 「売れるようになるには何を明らかにすべきか」を定義する
- 撤退基準は定量・定性両面で検証する
- 撤退時の学びを組織全体で共有する
- 外部専門家や顧客など第三者視点の積極的に活用する
⑥ 社内の協力を得たい場合は部署の課題と紐づけて依頼する
新規事業を推進するには、複数の部門の協力が理想ですが、大企業では縦割りの構造が障壁になることが少なくありません。だからこそ、新規事業の担当者には「自分が事業を成立させる当事者である」という強い意識が求められます。
同時に、すべてを社内で完結させようとせず、足りない機能やノウハウについては外部の専門家やパートナーの活用も視野に入れるべきです。スピードと柔軟性が求められる新規事業において、外部の力を戦略的に取り入れることは、むしろ前向きな選択肢です。
また、一定の段階になると他部署の協力が必要になる場面が訪れます。その際、「手伝ってほしい」という想いだけでは動いてもらえないことが多いはずです。社内の協力を引き出すには、外部の顧客に営業するように、相手のKPIや関心と新規事業のゴールを結びつけ、「この取り組みが相手部署にとっても意味がある」ことを、具体的に提示する必要があります。
特に初期フェーズでは、社内の課題を事業の種として拾い上げることも有効です。部署内の困りごとをヒアリングし、解決の糸口を提示することで、信頼関係を築きやすくなり、後々の協力にもつながるでしょう。
具体的なアクション
- 相手部署にとっての意味・価値を具体的に提示する
- 社内の課題解決を事業の種として活用する
- 部署内の困りごとをヒアリングし、解決の糸口を提示する
- 外部パートナーの戦略的活用でスピードと柔軟性を確保する
まとめ
大企業で新規事業を担当するうえでは、どうしても以下のような“構造的な”ハードルがあります。
- 経営層のゴールが曖昧: 何をもって成功とするのか決まらず、判断に時間がかかる
- 3年程度の異動サイクル: ノウハウの蓄積前に担当者が入れ替わり、経験値がたまらない
- 前例がないことへの不安: 部長クラスの管理職が「なんとなく売れそうにない」と差し戻しを続ける
- リソース不足や評価制度の不一致: 既存事業が優先され、新規事業は評価もリソースも得にくい
- 事業撤退の難しさ: 社会的責任や担当者個人の評価リスクが絡み、プロジェクトを終わらせにくい
これらを一気に解消することはできませんが、以下のようなアプローチを積み重ねることで少しずつ社内の新規事業推進力は高まります。
- できる限り数多くのアイデアを検証し、経営層の解像度を上げる
- ステージゲートを設けて意思決定しやすくする
- 顧客インタビューなどで顧客理解を深めて、売れる根拠をつかむ
大企業において、慣れない新規事業ではその一つひとつの試行錯誤が、経営層や社内にとって必要な学習でもあります。最初から完璧なゴールを決めにいくのではなく、「経営層とともに目的を見出していく」姿勢で数多くの施策、検証を粘り強く積み重ねていきましょう。
才流では成果が実証されたメソッドにもとづき、新規事業に特化した仮説検証やテストマーケティングなどのご支援をしています。新規事業で課題を感じている方はお気軽にご相談ください。
⇒才流のサービス紹介資料を見る(無料)