こんにちは。才流代表の栗原 @kotakurihara です。
2008年~2012年頃に私が所属していた企業では、BtoB営業・マーケティング領域のDX(デジタル・トランスフォーメーション)に成功していました。
そこで本記事では当時の経験をもとに、「私が体験したBtoB営業・マーケティングのDX事例」をご紹介していきます。
才流では成果が実証されたメソッドにもとづき、マーケティング戦略立案から施策実行まで支援しています。マーケティング活動や営業活動で課題を感じている方はお気軽にご相談ください。⇒才流のサービス紹介資料を見る(無料)
1日100件以上のテレアポからのデジタルシフト
私が新卒入社した会社は、1999年に創業し、2005年に上場したIT企業です。
IT企業とはいえ、当時の売上の柱であった新規顧客開拓手法は、テレアポや飛び込み、経営陣のトップ営業など、アナログかつ非効率な手段でした。
1日のコール数に上限があるオフラインの営業活動では、上場企業として売上は安定しません。さらに業務の負担に耐えかねた営業パーソンは次々に辞めていく可能性が高まります。
状況を改善するため、2006年頃からはリード獲得手法含め、営業・マーケティング活動のDXに取り組んでいました。全社的に注力していたDXは、Webサイトからの「問い合わせ」リード増加による案件獲得です。
私が入社した2008年頃でも、毎日のように営業パーソンが1日100件以上のテレアポを行い、商談獲得を目指していました。
2020年の今になって振り返ると、当時、BtoB企業のDX推進はかなり先進的な意思決定だったと思います。
マーケティング活動のDXで、月間数百件のリード獲得を実現
営業・マーケティング活動のDXプロジェクトには、当時の経営陣や各事業のエース社員が複数名参加しました。
- どのようなキーワードで検索上位を狙うか
- Webサイトにはどのようなコンテンツを載せるか
- どのような項目をお問い合わせフォームで聞くか
などについて毎週議論し、数年間PDCAを回し続けた結果、Webサイトから大量の「問い合わせ」リード獲得の状態を実現しました。
その後、複数のオウンドメディア立ち上げの成功や、ホワイトペーパーの大量作成で、リード獲得数は月に数百件以上に。そして、受注確度が高い見込み客を見極め、効率的に商談を獲得するため、MA(マーケティングオートメーション)ツールの導入や、インサイドセールス部隊の立ち上げなどに取り組みました。
DXは、営業活動もより効率的に
さらにSFAツールを導入し、データに基づいた効率的な営業戦略立案へと活用。商談履歴や受注率、受注までの期間などを可視化し、「どの顧客セグメントに、営業リソースを集中させるべきか」を決めました。
DX以前は、案件獲得のため営業パーソンが担っていた「リスト作成→アポ獲得→商談→ヒアリング→製品説明→提案→クロージング」のプロセス。アナログな営業組織から、デジタルな営業・マーケティング組織に変革する過程で、大部分をデジタルコンテンツやテクノロジーに置き換えました。
したがって営業パーソンは「ヒアリング」や「提案」にリソースを割けるようになりました。
結果として、商談から案件獲得までのリードタイムは短縮し、新規リード数も爆発的に増加しました。取り組み当初と比べると、売上は2倍以上です。
さらに1日100件以上の非効率なテレアポ時代と比べ、営業パーソンの離職率も低下。
私自身、1日100件のテレアポ時代は、毎日の出勤が辛かったです。しかし、DXが成功し、オンライン経由のリードが増え、Webを起点とした営業活動の実現によって、毎日の仕事が楽しくなりました。
まとめ:BtoB営業・マーケティング活動のDX
以上が、私の体験した営業・マーケティング活動のDXによる、会社や組織の大きな変革です。
2020年の現代、当時よりもさらに、見込み顧客側の情報行動・購買行動はデジタル化しています。それに伴い、営業・マーケティング活動のDXはより有効になる一方でしょう。
見込み顧客は自らのPCやスマートフォンを活用して、
- どのような課題を、どの製品・サービスで解決するか?
- どの会社に相談するか?
をWeb上で情報収集し、意思決定をしています。
つまり、見込み顧客による業者選定過程で、自社を見つけてもらい、選んでもらえなければ、企業は営業チャンスに出会えません。大きな機会損失が発生します。加えて今の時代、非効率なテレアポ、飛び込み営業での新規顧客獲得ばかりでは、営業パーソンの離職率は高まり、人材も採用が難しくなるでしょう。
BtoB企業の営業・マーケティング活動はまだまだアナログで、「勘と経験」「気合と根性」に頼る会社が多いことも事実。
自社の営業・マーケティング活動のDXを推進される方に少しでも参考になれば幸いです。
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<編集=中島 孝輔 @KosukeNakajima_>