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サービスの見える化|無形商材で「選ばれる」ための4つのアプローチ

BtoBマーケティング
シニアコンサルタント
山本 瑞人

「サービスには自信があるのに、競合他社との違いをうまく説明できない」。

コンサルティングや研修、システムインテグレーション、Webサイト・動画作成といった無形商材を扱う企業の多くが、こうした悩みを抱えています。

本記事では、顧客に自社サービスの実態を伝える「サービスの見える化」の考え方と4つのアプローチを解説します。

サービスの見える化とは

有形商材であれば、顧客は現物を見て品質や仕様を判断できます。しかし無形商材は、納品物の定義があいまいになりやすく、成果も事前に約束されるものではありません。プロジェクトの進め方も案件ごとに異なります。

判断材料が乏しい以上、顧客の立場では「どの事業者も同じように見えてしまう」という状況が生まれがちです。結果として、営業担当者の印象や限られた口コミをもとに発注先を決めざるを得ません。

こだわりをもって質の高いサービスを提供していても、それが顧客に伝わらなければ正当に評価されにくくなります。

「サービスの見える化」とは、サービス提供に関わる人、納品物、提供プロセスなどを具体的に示し、顧客がサービスの実態を判断できるようにする取り組みです。人、納品物、提供プロセス、思想・コンセプトの4つの観点からアプローチすることで、顧客が競合他社との違いを判断できるようになります。

人を見える化する

サービスの成果は、担当する人材の質に左右されます。顧客にとって、「どのような人材が担当するのか」は発注前の大きな関心ごとです。

各担当者の得意領域や実績はもちろん、採用基準や研修制度、資格保有状況など人材の質を裏付ける情報を示すことで、顧客が成功をイメージしやすくなります。Webサイトや営業資料で積極的に公開しましょう。

たとえば以下のような情報が有効です。

  • 代表やコンサルタント、CS担当者のプロフィールや過去の担当案件(企業名・業種を含む)
  • 組織図やサービス提供体制図
  • 採用基準や給与水準、社内研修制度や認定制度など、人材の信頼性を担保する情報

納品物を見える化する

最終納品物だけでなく、スケジュール、タスクリスト、提案資料、レポートなどプロジェクト遂行中に納品する成果物も具体的に示すことで、顧客は発注後の全体像を描きやすくなります。

また、書籍、セミナー、オウンドメディア、SNSを通じて納品物のもとになる自社のノウハウを発信することも、サービスの実力を伝える有効な手段です。

提供プロセスを見える化する

工程の全体像、各フェーズで具体的に何をするか、それぞれにかかる時間の目安を示すことで、顧客は「一緒に仕事をするイメージ」をもてるようになります。

以下のようなドキュメントやコンテンツが有効です。

  • プロジェクトの流れ、具体的にやること、各工程にかかる時間などを示したドキュメント
  • ワークショップや勉強会などプロジェクトの一部を体験できる機会、およびその様子を収めた動画やインタビューコンテンツ
  • プロジェクトの流れと顧客の声を収めた導入事例・インタビューコンテンツ
  • 共通プロセスをパッケージ化したサービスメニュー(例:リード獲得パッケージ、リード育成パッケージ)

思想やコンセプトを見える化する

顧客がサービスを選ぶとき、機能や価格だけでなく「なぜそのサービスをつくったのか」も判断材料になります。自社の問題意識や業界課題への見立てを示すことで、顧客の共感を得られることがあります。

たとえば以下のような形で表現できます。

  • サービスを思いついた背景や実現したいことを表現した図やテキスト
  • 自社が定義する業界課題や独自の問題認識を言語化したコンテンツ
  • 創業者やコンサルタントの実体験に基づく着眼点やストーリー

才流でも、BtoBマーケティング支援事業を立ち上げる際にこの考え方を実践しました。代表が前職でBtoBマーケターとして働いていた際、広告やWeb制作といった施策の相談先はあっても、マーケティング戦略そのものを相談できる会社がないことを痛感していました。施策の選択肢は増えているのに、戦略・施策設計を担う会社がいない。

この状況を「ドーナツ化現象」と名付け、その空白地帯を埋めるべく才流を設立しました。マーケティング領域で10年以上の経験をもつコンサルタントのみを採用し、戦略・施策設計に特化したサービスを提供しています。

※関連記事:あらゆる領域で起きているドーナツ化現象

株式会社SHIFTのサービスの見える化事例

株式会社SHIFTは、ソフトウェアテストや品質保証に特化したサービスを提供する企業です。ソフトウェアテストは品質基準や成果物の定義があいまいになりやすく、プロセスそのものに価値が宿る商材です。しかし顧客の立場からすると、各社のサービスの違いを判断する材料が乏しく、比較検討が難しい領域でもあります。

SHIFTはこの課題に対して、自社で品質基準やメソッドを明確に定義し、実績数やテストケース数を数値で示しています。独自メソッドとプロセス・実施項目を具体的に例示するだけでなく、人材レベルの定量表示、費用のシミュレーション、納品物のテンプレートまで公開しています。

比較検討に必要な情報を網羅的に開示しており、本記事で紹介した4つのアプローチを高いレベルで実践している事例です。

※関連記事:ソフトウェアテスト・第三者検証(株式会社SHIFT)
※本事例の情報は2026年4月時点のものです。

サービスの見える化は、一度取り組めば営業・マーケティング活動全体の土台になります。まずは自社のサービスについて、顧客の立場から「何がわからないか」を洗い出すところから始めてみましょう。

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