こんにちは。株式会社才流代表の栗原です。
世の中には多くの新規事業を立ち上げに関する方法論があります。私が過去触れた中で成功確率が高いと感じるのは、受託開発やコンサルティングサービスで得た知見や経験をもとに、新しいプロダクトを立ち上げる方法。
本記事では、BtoBの新規事業立ち上げに関して、以下の方に向けて受託開発事業やコンサルティング事業からはじまって、成功したBtoBの新規事業の事例を3つご紹介します。
- 上場企業の新規事業担当者
- スタートアップ企業でプロダクト開発を予定している方
※関連記事:PMF(プロダクトマーケットフィット)達成ガイド~基礎から事例まで、新規事業を成功に導くためのコンテンツ集
某予約にまつわるクラウドサービス
才流の過去のお客さまで、受託でシステム開発事業を行っていた会社があります。その会社の社長は、さまざまな案件を受けるなかで、3つの共通した依頼を頻繁に受けていることに気づいたそうです。
そこで、頻繁の受けている3つの要望に対して、それぞれサービスをパッケージ化。3つのLP(ランディングページ)を作成し、検索広告を出稿しました。すると、そのうちの1つの「予約」に関するランディングページにだけ、お問い合わせが殺到したそうです。
それをSaaSにして販売すると多くの反響があり、現在では数千社に有料導入されています。
CoDMON(コドモン)
保育園のICT支援のクラウドサービスである「CoDMON(コドモン)」。
「CoDMON(コドモン)」は、先生の事務業務をICTで省力化し、先生の働き方改革と保育・教育の質向上を支援するツールです。
「CoDMON(コドモン)」を提供する会社は、最初の数年間は、工務店や不動産とかの管理システムを開発する会社でした。しばらくすると、お客様から保育施設向けのシステム開発のオーダーがあったようです。
開発をすすめると同時に感じたのは、保育業界への大きな可能性。
- アナログな園の運営実態
- 高い離職率
などの保育業界の多くの様々な問題は、ICT(情報通信技術)によって解決できると直感したそうです。
その後、保育園支援のためのパッケージシステム「CoDMON(コドモン)」の開発に着手。現在では、5,000施設以上に導入されています。※2020年3月時点
開発当時は保育園の実態が右も左もわからず、ただひたすら現場の保育士や園長先生と対話を続け、顧客理解を深めていったそうです。
そして、開発スタートから3年の歳月をかけ、
- 登降園管理
- 保育料自動計算機能
- 日誌・連絡帳・指導計画の作成支援
- 保護者コミュニケーション機能
など、保育園で働く人たちから高い評価を得たパッケージをリリースできたといいます。
ClipLine(クリップライン)
「ClipLine(クリップライン)」の代表は、アクセンチュアを経て、ジェネックスソリューションズで「スシローの経営のV字回復を支えた男」として有名な経営コンサルタントである高橋 勇人氏。
「経営コンサルタントとして、チェーン企業が店舗数を拡大していく際に直面するであろう課題は、ひと通り手がけた。
その経験を通じて、店舗展開ビジネスにおいて取り組まなくてはならない課題は、ある程度パターン化できるものだという気づきを得た」
と、高橋氏は語っています。
経営コンサルタントとして様々な会社を店舗ビジネスを見ていく中、
- 現場とのコミュニケーションに苦心する社員
- 「報告書」という従来の形式でフィードバックを行う現場従業員
これらの人たちの姿を見ていくなかで、高橋氏の頭をよぎったのは「『どこでもドア』があったらいいな」という発想。
スシローの経営改善コンサルティングを行っていた時代、各店舗の店長に頼み込んで、携帯電話を使って店内を撮影し、その画像を本部に送信もらっていたことがあったそうです。
口頭や報告書ベースでのコミュニケーションに比べ、画像での報告は、迅速かつわかりやすい。しかし、携帯電話で撮影した画像では、画像の解像度が低く、定常業務として使用するには厳しかったそうです。
以上の経験が「ClipLine(クリップライン)」の開発に至った大きなきっかけのようです。
参考:スシローを救った男、高橋勇人氏に聞く。チェーン展開をスマート化する“動画クリップ”のキセキ。【前編】
また、ClipLine(クリップライン)社のWebサイトにも
「クライアントへのコンサルティングや動画制作等の案件を通じて得た知見・ノウハウをもとに新たな事業を創出」
と記載があり、高橋氏のコンサルタント時代の経験が、彼らの経営スタイルの根幹のひとつになっているようです。
まとめ
受託事業やコンサルティングサービスからはじまった新規事業の例をご紹介しました。
- 予約にまつわるクラウドサービス
- CoDMON(コドモン)
- ClipLine(クリップライン)
すでにお客様からお金を払っても解決したいニーズや課題に対して、新規事業を提供していくことが成功につながるのではないか、という話でした。
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