ユーザーテストとは、「ユーザーに実際に製品・サービスを使用してもらい、その様子を観察する」マーケティングでは欠かせない施策です。
本記事では、ユーザーテストをする理由や、分析の進め方を解説します。
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ユーザーテストとは?5人の被験者で8割の欠陥がわかる
ユーザーテストとは、一般の消費者や見込み顧客、実際のユーザーなどに製品やアプリを触ってもらったり、Webサイトを見てもらったりし、その様子を観察するテストです。ユーザーテストによって、改善が必要な点を洗い出したり、逆に評価されている点を見つけたりできます。
ユーザビリティの専門家であるJakob Nielsenの記事「Why You Only Need to Test with 5 Users」によれば、たった5人のユーザーテストを実施することで、製品・サービスに含まれる重大な欠陥の85%がわかるそうです。記事で紹介されているユーザーの人数と、発見できるユーザビリティの問題を示した図を見てみると、6人目以降から発見できる問題が急激に減っていることが見てとれます。
すべての問題を把握したいと考え、ユーザーテストをする人数をやむくもに増やす必要はありません。Jakob Nielsenは、たとえば15名にユーザーテストをするのであれば、1つの調査に費やすのではなく、5名ずつ3つの調査を行うべきだと指摘しています。
ユーザーテストとユーザビリティテストの違い
ユーザーテストとしばしば同じ意味で使用される言葉に、ユーザービリティテストがあります。
ユーザビリティテストとは、製品が特定のユーザーにとってどれだけ使いやすいかを評価するためのものです。
一方、ユーザーテストは製品・サービスの全体的な体験を評価するもの。たとえば、「ユーザーが初見でどのように感じ、どこまで理解できたのか」「どんな点に価値を感じたのか」「どの部分でつまづくのか」など、幅広く見るのが特徴です。
ユーザビリティテストは、ユーザーテストの一部だと考えましょう。
ユーザーテストの流れ
才流でよくご相談をいただくのが「Webサイトのユーザーテスト」です。Webサイトを改善する際に非常に有効な手段なのですが、進め方や見るべきポイントがわからないという声も多く聞かれます。
ここからは、Webサイトのユーザーテストを例に、ユーザーテストの全体像を解説していきます。
1.仮説をたてる
まず、現在のWebサイトでどんな課題があるのか、仮説を立てます。
(例)
・会員登録のステップに、なんらかの欠陥があるのではないか
・トップページを見ただけでは、サービスのことを理解しにくいのではないか
・顧客はどこをクリックすればいいか、わからないのではないか
課題について仮説がたてられないときは、逆に自分たちがどのようにとらえているかを仮説としましょう。
(例)自分たちが思っているサイト
・「トップページを見れば、サービスのことを大体は理解してもらえるだろう」
・「多くの人はこのバナーを見てクリックしたくなるはずだ」
2.実施する作業内容を決める
次に、仮説に基づいて、ユーザーテストで行う作業内容を決めます。
たとえば、
- トップページを見てもらい、サービスについて説明してもらう
- 会員登録のステップを実際にやってもらう
- CTAを探して、クリックしてもらう
といった内容を決めていきます。
3.作業内容や感じていること、思っていることを言葉に出しながら作業してもらう
作業内容を言葉に出しながら作業をする方法を「発話法」といいます。
発話法で、作業の内容やいま見ている場所、思ったことなどをなるべく多く言葉にしながら作業を進めてもらいます。
しかし、発話法は慣れない方には難しい場合もあります。可能であれば、テストに入る前に簡単なお題で練習をしてもらうのもおすすめです。
たとえば、「友人と〇〇駅周辺でランチをすることになりました。Googleを使ってお店を調べて決めてください」などのお題で、作業をしながら声に出して進めてもらうとよいでしょう。
4.作業内容を録画する
オフラインの場合、スマートフォンやビデオカメラなどで作業の様子を動画撮影します。操作画面と被験者の声が入る位置から撮影を行います。
5.撮影した動画を共有し課題を抽出する
撮影した映像をチームで共有しディスカッションします。
実際にユーザーテストの現場にいた人は、逆に冷静に結果を見ることができなくなっていることもあるため、あとで映像で確認することをおすすめしています。
筆者も現場で観察しているときには気づくことのできなかった課題に映像を見て初めて気がついた、という経験が何度もあります。
さらに詳しい手順を知りたい方は、以下をご覧ください。
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