大正元年創業・老舗生地商社のゼロからのBtoBマーケティング戦略立案と施策実行を支援。

大正元年に創業され、100年を越える歴史と伝統を持つ生地専門商社、仙田株式会社。全国でも有数の絹織物の産地である福井県で誕生し、その後東京に移転。参入障壁が低く、競争が激化している繊維業界において、“生地から仕掛ける”をモットーに、時代の先をゆく企画力と提案力で成長を続けてきた。

コロナ禍の影響を受け、同社の新規取引先との接点となっていた「合同展示会」が軒並み中止に。そこでBtoBマーケティング強化の必要性を感じ、ゼロからBtoBマーケティングの体制を築くべく才流に連絡を取った。

才流は、2021年3月からマーケティングの戦略立案を行い、6月〜9月半ばまで伴走支援を行っている。代表取締役社長の仙田修蔵様、営業担当の新林様、企画担当の岩橋様に、才流の支援で得られた成果や率直な感想を伺った。

(画像右)仙田株式会社 代表取締役社長 仙田 修蔵様
(画像左)株式会社才流 コンサルタント 中澤 康太

 

仙田様との取り組み

【課題】

  • 従来の方法に変わる新たな方法で新規取引先との接点を作りたい
  • 社内にBtoBマーケティング体制を構築したい

【提案内容】

  • 中長期のBtoBマーケティング戦略の作成
  • 具体的なBtoBマーケティング手法の実行支援
    • キーメッセージの変更やコンテンツ追加などのWebサイト改善
    • 既存顧客との接点強化を中心としたナーチャリング
    • 「サンプル帳送付」や「ショールーム見学」などの新規コンバージョンポイントの追加

【成果】

  • 社内のBtoBマーケティング体制を構築
  • Webサイト経由の問い合わせ数が2倍に増えた
  • Webサイト経由の問い合わせから複数件の商談が成立した

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コロナ禍をきっかけにBtoBマーケティング強化の必要性を感じ、メソッドを学べる企業を探した

ー 才流に依頼する前のBtoBマーケティングのご状況について教えてください

仙田 弊社は国内産を中心に、一部海外からの商品をアパレルやスポーツ用品メーカー、縫製メーカーなどに卸す「生地専門商社」です。併せて染色やプリントなどのさまざまな加工で生地に付加価値をつけて販売するメーカー機能も持っています。 

繊維・生地業界における新規取引先への営業は「展示会」がメインになります。というのも展示会やショール―ムで、生地見本の色や手触りを確かめたいとおっしゃるお客様が多いからです。

また弊社では、20年程前に業界に先駆けてホームページを開設しました。才流への依頼前も、月10数件程度はサイト経由でのお問い合わせがある状況でしたが、積極的な情報発信やサイト運用ができていたとは言えませんでした。社内にマーケティングの担当者はおらず、既存取引先のフォローを行う営業が、隙間の時間で対応していたというところが正直なところです。

ー なぜ、外部のBtoBマーケティングコンサルティング会社の支援を受けようと思われたのでしょうか。

仙田 コロナ禍で展示会の開催自体が難しくなったことが、一番の理由です。2020年時点では「もうすぐ収束するだろう」と様子を見ていたのですが、どうやらこれは長引きそうだと。そこで従来の、展示会以外のBtoBマーケティングを強化していかなければと、才流に依頼しました。

弊社が本社を構えている東京近郊では、おかげさまですでに主要な取引先とはつながりを持てています。しかし一方で、東京以外での知名度はまだまだです。今後、より一層の営業拡大を目指すためには、全国からのお問い合わせを増やしていくことが肝心だろうと考えています。

ー 才流以外に比較検討された会社はありましたか。

仙田 はい、才流を含めた3社で比較検討しました。最終的に才流への依頼を決めた理由は、才流からの支援が最も、“私たち自身がBtoBマーケティングのメソッドを身につけられそうだ”と感じたからです。

成果を出すことも大事なのですが、それ以上にBtoBマーケティングのやり方を学びたい気持ちがありました。そういう意味でも、広告ツールの操作方法を教えたり、施策の実行のみを支援したりする他社の提案には魅力を感じませんでした。

才流は市場調査や現状分析から着手してくれます。その上で、どのようなマーケティング手法が弊社に合うのかといった戦略を一緒に考えてくれる、そこに価値を感じたのです。

そもそも才流を知ったきっかけは、私の娘が、才流代表の栗原さんの著書『事例で学ぶ BtoBマーケティングの戦略と実践』を読んで勧めてくれたことでした。娘の会社でもBtoBマーケティングに取り組もうとしていたようです。BtoBマーケティングに関する書籍を何冊か読んだ中で、栗原さんの著書が分かりやすく、才流にお願いしたいと思いました。

ー 才流の支援が始まる前に、なにか不安はありましたか。

仙田 才流との会議や日々のコミュニケーションの手段はほとんどがビデオ会議システムやチャットツールでした。それらのデジタルツールを私たちが使いこなせるかどうか不安でした。

新林 たしかに今回初めて操作するツールばかりだったのですが、対面やメールでのコミュニケーションと比較して、「情報を蓄積できる」「全員で共有できる」メリットを感じました。過去の情報にも誰もがアクセスできますし、便利だなとしみじみ感じました。

岩橋 これまで社内では“紙”でのやり取りが多く、私たちがデータを入力し直すことも多々ありました。ただ今回、才流から情報共有の方法やツールをご紹介いただいたり、デジタルツールを使った営業管理フローを整えてもらったりしたことで、社内でも頻繁に使われるようになって。これも、一つの大きな変化だと思っています。

市場調査や定性調査による現状分析で深まった、顧客理解。BtoBマーケティングや顧客リレーションの方向性が見えた

ー 才流が行ったマーケティング支援の概要を教えてください。

中澤 まずは業界の構造や特徴を知るために市場や競合調査、見込み顧客インタビューなどによる現状分析を行いました。そこで得た業界特性や顧客理解をもとにWebサイトの改善をはじめとするマーケティング戦略を立案し、伴走支援を実施しました。

仙田 見込み顧客インタビューで仙田という会社が第三者からどう見られているのかを知れたことは、非常に有意義でした。私たちの認識と見込み顧客とで認識の異なる部分もあり興味深かったです。

例えば以前のWebサイトでは弊社の強みだと考えていた生地自体の魅力やラインナップの豊富さを前面に打ち出していました。しかし顧客インタビューの結果から「営業の対応力や専門性」のほうが重視されていると分かりました。商品での差別化が難しい業界ということもあり、「営業がいかに臨機応変に動いてくれるか」「生地の専門知識を有している営業が、相談に柔軟に対応してくれるか」が重要な判断基準になっていたのです。

才流からは、これら顧客理解に基づいたWebサイトのキーメッセージ変更やコンテンツ追加、問い合わせフォーム追加といった施策の提案がありました。

中澤 仙田様の場合、生地の実物を見ないと購買の意思決定に至らない業界特性がありました。別の見方をすれば、「生地見本やサンプル帳を手にとっていただける仕組み」をオンラインで完結できれば、受注確率を高められるともいえます。

そこで「サンプル帳の請求フォーム」や「東京ショールームへの見学申請フォーム」を別に設けてわかりやすくし、次のアクションにつながるようにしました。

ー リニューアルしたWebサイトをご覧になって、どのような感想をお持ちですか。

新林 ショールーム見学のページを新たにつくってから、オンラインのみならず電話でのお問い合わせも増えました。以前よりも気軽に申し込めるようになったのではないかと感じています。

岩橋 これまでのWebサイトでは展示会情報などの更新しかできていませんでした。中澤さんから他社のサイトではどのような情報が掲載されているのかを教えてもらい、コラム記事をつくるようになりました。新たに配信を始めたメルマガにコラム記事のリンクをはったところ、想像以上に反響があり手応えを感じています。

お客様が弊社の営業に「コラム、読んでいるよ!」と声をかけてくださることもあり、一方的だった情報発信がお客様との“双方向のコミュニケーション”に変化しています。加えて、ヒットコンテンツも続々と、生まれています。顧客インタビューの結果、多くの企業様が「SDGs」への関心が高いことが分かり、弊社のSDGsへの取り組みをまとめたコンテンツをつくりました。この記事へのアクセス数は特に多く、世間の関心の高まりに驚いています。

中澤さんに提案いただいて作成した「イタリアのリモンタ社(LIMONTA)とインポート生地のご紹介」という記事は検索で1位になり、この記事から弊社をご存知ないお客様の流入も増えました。既存のお取引先からの反響も良く、好循環が生まれています。

顧客の体験価値が上がるBtoBマーケティングの体制を早朝に立ち上げられたことが、最大の成果

ー 才流との仕事で得た成果について教えてください

仙田 ゼロからBtoBマーケティングの体制を築けたことが、まず大きな成果だと認識しています。BtoBマーケティングは、これまで私たちが手がけてきたような紹介による営業とは、カスタマーエクスペリエンスのつくり方が違いますよね。顧客の体験価値が上がるようなBtoBマーケティングの手法を学べたことは、非常に良かったです。

新林 才流に依頼する前のWebサイトでは、弊社がお客様にどんな価値を提供できるのかが伝わっていなかったのかもしれません。才流の支援を受けて顧客理解が深まったことで、どういう情報発信をすればいいのかが見えてきました。

また、営業管理についてもアドバイスいただき、顧客情報をデータ化して集約できたのも良かったです。名刺をスキャンするところから教えていただきました。紙文化の会社が変わることができたのは、大きな進歩です。

新林 サイト経由のお問い合わせ数も従来の2倍に増え、順調に伸びています。これまでは新規の企業様に関しては、単発のお問い合わせで終わってしまうことが多かったのですが、最近は「お問い合わせ+サンプル帳依頼」をいただくことが多く、着実に商談につながっています。

岩橋 現在は少しずつ展示会の開催もできるようになってきましたが、今後の情勢がどうなるかは不透明です。「リアルな場での営業活動」と「サイトやメルマガなどのWeb販促」の両方ができるようになったことは大きな強みになったと感じています。サイト経由のお問い合わせをリードにつなげることで営業活動自体が活発化していると感じます。

伝統的な商材を扱う企業においても、才流メソッドは有効だと実感

ー 中澤さんご自身は、仙田様のBtoBマーケティングを支援していく過程で、どんな点に気をくばりましたか。

中澤 業界的にBtoBマーケティングに取り組まれている企業様が少ない中で、せっかくお声がけいただきましたので、小さくとも早期に成果が出るようにと心掛けていました。社内の方々の協力を得るためにも「正攻法でBtoBマーケティングに注力すると、こんなに成果が出るんだ」と実感していただきたかったのです。

商談管理においても、一足飛びにデジタル化に舵を切らないようにしました。営業の方々には、ひとまず同じデータベースに情報を入れていただくことから始めて。まずは“情報共有文化”の醸成を目指しました。これから先、長い時間をかけて成功体験を積み上げていくために最初のハードルはできるだけ低く、営業の方々が負担なく運用できることを優先したんです。

仙田 中澤さんは人柄的にも温厚で親切で、細やかにコミュニケーションをとってくださり大変ありがたかったです。当初、普段とは異なるオンラインでのコミュニケーションに不安を覚えていたのは結果的に杞憂に終わりました(笑)。

ー 才流のサービスは、どのような会社に合うと思われますか。

新林 BtoBマーケティングの体制をゼロから築きたいという会社に合うのではないかと思います。知識がなく、何から手をつければいいのか分からない企業でも、着実に成果へと導いてくださいますから。

仙田 ITやコンサルティングなど形のないサービスを扱う会社の事例が多いようにお見受けしましたが、弊社のように「生地」という伝統的な商材があり、才流が提供するBtoBマーケティングのメソッドは有効でした。さまざまな業界の企業に合うと思いますよ

ー 今後、才流に期待することについて教えてください

仙田 今回才流には戦略設計をお願いし、その後3ヵ月間、伴走支援していただきました。戦略を実行に移していく過程で生まれる課題や疑問をその都度解決しながら進められたからこそ、成果が出たのだと感じています。

これからもぜひ、中長期的にご支援いただきたい。2年後3年後を見据えて、弊社にBtoBマーケティングがしっかりと根づくまでサポートいただければと考えています。

(撮影/矢野 拓実 取材・文/猪俣 奈央子 編集/森 駿介)

 

担当コンサルタント
中澤 康太  Nakazawa Kota

2012年にNTT東日本へ入社。法人SEとして公共・教育機関のDX支援を行う。大規模のプロジェクトにてPMを複数経験。その後、同社採用担当として新卒採用のマーケティングやイベントの企画を実施。2020年より株式会社才流にてコンサルタントとして活動。