事業の独自性や強みを軸にし、LTVが高いサービスに注力するBtoBマーケティング戦略で、ユニットエコノミクスを3倍以上改善

映画製作や配給宣伝、コンテンツ配信、スクール事業などを展開する株式会社アジアピクチャーズエンタテインメント。近年注力するのは、2019年6月にスタートした企業向け動画制作サービス「ムビハピ」事業だ。テレビの番組制作を手がけてきたプロフェッショナルが集まり、企画から取材、撮影、編集までを担う。企業PR動画やリクルート用の動画であっても、まるでドキュメンタリー番組のような共感を呼べると、そのクオリティの高さが評価されている。

才流は2021年2月よりムビハピ事業におけるBtoBマーケティングを支援。販促部の今井さんと、今年7月に中途入社した武田さんに、才流の支援で得られた成果や率直な感想を伺った。

(画像中央左):株式会社アジアピクチャーズエンタテインメント 販促部  今井亜紀氏
(画像左):株式会社アジアピクチャーズエンタテインメント  販促部 武田 明人氏
(画像中央右):株式会社才流 コンサルタント 土山 勇人
(画像右):株式会社才流 コンサルタント 桂川 誠

 

事業拡大を見据えてBtoBマーケティングをスタートするべく才流に依頼

ー才流に依頼する前のマーケティング課題や組織の体制について教えてください。

今井 私が弊社に入社したのが2020年6月。「ムビハピ」が立ち上がって約1年が経った頃でした。それまでマーケティングはほぼ行われておらず、マーケティングに着手する前工程の数値集計などもできていなかったんです。そこで私が他事業部での仕事と兼務しながら、少しずつ土台をつくっていくことになりました。

ムビハピ事業専任のマーケティング担当者になったのは2021年1月からです。会社として、これからさらにムビハピ事業を拡大していきたい意向があり、専任者を置いたほうがいいだろうという話になりました。その1ヵ月後から才流の支援を受けていますから、明らかなマーケティングの課題があったというよりも、BtoBマーケティングがほぼ行われていない状態だったと言ったほうが正確ですね。

ーなぜ、外部のBtoBマーケティングコンサルティング会社の支援を受けようと思われたのでしょうか。

今井 実は私は、前職でもBtoBマーケティングの経験はほぼなくて。これまで手がけてきたのはWebの広告運用が中心でした。スピード感を持って、BtoBマーケティングを推進していくためには、専門家の力を借りたほうがいいと感じていました。

才流への依頼を決めたのは、弊社社長の上野が、才流代表の栗原さんの著書『事例で学ぶ BtoBマーケティングの戦略と実践』を読んだことがきっかけだと聞いています。

私も前に栗原さんの書籍を拝読した時に、とてもわかりやすかったので、こんな人に色々教えてもらえたら…と思っていました。そんな中、上野から、「才流にコンサルティングをお願いすることにしました」と聞いて、正直嬉しかったのを覚えています。

とはいえ、この時点ではコンサルタントの方と、どのようにBtoBマーケティングに取り組んでいくのか、まったくイメージできていませんでした。才流との仕事を楽しみにしている一方で、初心者の私がついていけるのか不安もあり、妙なプレッシャーを感じていましたね(笑)。

ユニットエコノミクスの数値に着目し、事業の独自性や強みを軸にしたBtoBマーケティング戦略を描く

ー 才流と取り組んだプロジェクトについて教えてください。

土山 まずは競合調査や既存顧客・見込み顧客へのインタビューを行いました。続いて、顧客の理解を高めながらコミュニケーション設計やBtoBマーケティング施策の戦略を立てていったというのが大きな流れです。

今井 戦略をつくっていただく過程で、土山さんから「ユニットエコノミクスが低いですね」と言われたんです。私自身、その数値をまったく意識していなかったので「えっ? ユニットエコノミクス…?」と、不意をつかれた感覚でした。才流に依頼する前は「受注数が足りない。そのためにリード数を増やしたい」と漠然と考えていました。どの数値をどのように見て、具体的にどう改善していくべきか、わかっていなかったんです。

土山 ユニットエコノミクスは「顧客1人当たりの採算性」を示す指標です。顧客が生涯にわたって企業にもたらしてくれる収益(LTV)を顧客1人当たりの獲得コスト(CAC)で割って算出します。

土山 ムビハピ事業は、まだ立ち上げ間もない時期だったということもあり、才流が支援に入る前は、ユニットエコノミクスが「1.1」くらいでした。基本「3」以上は欲しい指標ですから、「まずはユニットエコノミクスを改善しましょう」と話をしました。現在の状態のままリードを増やしてもリソースだけとられて、採算が見合わなくなる可能性があったんです。

参考:BtoB事業のユニットエコノミクスを強くする33個の方法

今井 土山さんの分析結果でとても興味深かったのは、弊社が手がける動画の種類によってLTVが異なっていたこと。もっと言うと、LTVだけでなく受注率もまったく違いました。弊社は密着ドキュメンタリー動画の制作が得意なのですが、その取材力や編集技術が活かされる採用やインナーブランディング目的の動画はLTVも受注率も高かった。それならひとまず今は、LTVや受注率が高い用途の動画に、ある程度絞ってマーケティング活動をしていこうと舵を切りました。

土山 動画制作って、差別化しにくいコモディティ市場なんです。ユニットエコノミクスが低い状態でレッドオーシャン市場に飛び込むのは非常に危険でした。ですので、できるだけ差別化してブルーオーシャンを狙いたいと思っていました。ムビハピの独自性や強みを軸に、他社と差別化していく。また、No.1表記のような権威性が感じられるコンテンツをつくっていくことで差別化を図っていきました。

桂川 ムビハピの動画をぜひみなさんにも見ていただきたいのですが、アジアピクチャーズエンタテインメントさんのドキュメンタリー動画の制作力は本当にすばらしいです。元テレビディレクターのノウハウが詰まっているからこそ、企画の切り口も、撮影や取材も、編集も他とは一線を画しています。細部まで計算してつくられているので、30分の動画でも飽きないんです。ユニットエコノミクスに注目することで、あらためてムビハピ事業の強みが浮きぼりになりました。

ユニットエコノミクスの改善は3倍以上、リード獲得は過去最多を記録

ー 今回のプロジェクトで得た成果を教えてください。

今井 先ほどお話したように、LTVが高い用途の動画制作に絞った結果、ユニットエコノミクスが大幅に改善し、「3」以上の数値になりました。

また、これまではリード獲得の手法としてリスティング広告とLP制作を行っていましたが、才流からの提案で、新たにウェビナーを始めました。以前と比較すると約2倍、過去最多のリードが獲得できており、商談数アップにもつながっています。

土山 もともと今井さんが広告運用のご経験をお持ちで、しっかりと広告からのリード獲得ができている状態でした。そこで、広告の改善よりもチャネルを増やしていった方が改善確度が高いと判断し、ウェビナーの開催を提案しました。

今井 ウェビナーは私にとって初めてのチャレンジ。正直、自分がウェビナーを企画開催するとはまったく想像していませんでしたから、共催先の選定やシナリオ設計、共催先への打診メールの書き方にいたるまで本当にゼロから細かく教えてもらいました。桂川さんには共催先とのミーティングにも同席してもらいましたよね。

桂川 そうでしたね。ウェビナーは一つひとつゼロから組み立てていきました。ただ、今井さんは実行力がものすごく高いんです。こちらが提案した施策をどんどん前へ前へと進めてくださるので、私自身も、スピードに合わせて支援させてもらいました。

ー才流が支援に入ることで社内の体制や意識に変化はありましたか。

今井 これまで1人でマーケティングを担っていましたが、今年7月には武田が中途入社してくれました。人数が増えて、組織力がアップしていると思います。

武田 面接では社長から、いかにBtoBマーケティングに注力しているかの話がありました。ちょうど私が入社したのは、才流からの支援を受け、どんなマーケティング施策を行うかが明確になり、まさに施策の幅を広げていこうとしていた時期だったようです。

今井 武田には現在、サービスサイトづくりを任せています。私個人としてはウェビナーで手一杯になって、いよいよ一人ではまわらないタイミングだったので、入社してくれて助かりました。組織を強化できたのも、BtoBマーケティングでいまやるべきことが明確になったからという側面もあると思います。

抽象度の高い指示・提案ではなく、細かく丁寧な伴走支援が才流の魅力

ー 才流のコンサルタントについては、どんな印象をお持ちですか。

今井 正直にお伝えすると、プロジェクトが始まった当初は私、土山さんが怖かったんですよ(笑)。クールな印象があって。ですから最初は「こんなこと聞いても大丈夫かな?」とおそるおそる質問をしていたように記憶しています。ただ土山さんは、どんなときも絶対に丁寧に教えてくれるんです。しかも、それがとても分かりやすくて。徐々に私の中で印象が変わっていって、いまでは気兼ねなく何でもご相談していますし、心から信頼しています。

土山 怖がらせているつもりはないんですが…。気を遣わせてしまい、すみません(笑)。

今井 桂川さんはいつも、すごく褒めてくださいます。「すごいですね」「今井さん、さすがですね」って。それがとても嬉しいですし、私のモチベーションを高めてくださって感謝しています。

これはお二人に共通することですが、こちらが何か疑問があるときに抽象度の高い答えではなく、具体的な例を出しながら詳細に説明してくださるんです。コンサルタントというと外部から「これをやってください」と指示する人というイメージがあったのですが、いい意味でギャップがありました。こんなにも実務の細かなところまで支援してくれるのかと驚きました。

武田 前職でも支援会社様とのミーティングは多々経験してきたのですが、1回の充実感で言えば、才流が段違いで良かったです。

100本ノックのような今井からの怒涛の質問に対しても一つひとつ丁寧に回答いただき、土山さん、桂川さんどちらも様々な知見があり、引き出しと懐の深さを感じられました。

ー 最後に、才流のコンサルティングはどのような会社に合うと思いますか。

今井 「BtoBマーケティングって、何から手をつけたらいいんだろう?」と迷われている企業って、実は多いのではないでしょうか。才流は、BtoBマーケティングのノウハウ部分に課題を抱えていて困っている企業に安心しておすすめできます。

成果を出すために、細かく丁寧に、伴走していただけることも、才流の魅力だと感じています。

(撮影/矢野 拓実 取材・文/猪俣 奈央子 編集/中島 孝輔) 

 

担当コンサルタント
土山 勇人  Tsuchiyama Hayato

インターネット広告代理店メディックスにて、営業・マーケティング・サービス開発を担当。10年以上に亘り、300社以上のBtoB企業のマーケティング戦略立案やプロモーション実行を支援。オウンドメディアの立上げや、ワークショップファシリテーター、営業マネジメントの経験も有する。2020年より株式会社才流にてコンサルタントとして活動。

 

担当コンサルタント
桂川 誠 Katsuragawa Makoto

一部上場社員5,000人のメーカー系商社にて、SE・法人営業を経て、10年に亘り事業のPMMとしてBtoBマーケティング全般に従事。その後、本社組織で全社のデジタルマーケティングを推進。メディアへの寄稿やライター活動なども行っている。2021年より株式会社才流にてコンサルタントとして活動。
個人でBtoBマーケター向けメディアを主宰。