パートナーと関係を構築していくうえでもう1つ欠かせないのが、アカウントプランです。
アカウントプランとは、自社のアクション、リソース配分の計画書のようなもの。おもな構成要素は次の5つです。
- パートナー概要
- 目的と方向性
- ポテンシャルマップ
- リレーションマップ
- アクションプラン
ここではアカウントプランを作成する際のポイントとともに、これら5つの項目について作成方法を解説します。
アカウントプランを作成する際のポイント
全パートナーのアカウントプランを作るのが理想ですが、リソースがない場合はとくに注力するパートナーについて、パートナープロファイルをベースに作成します。
アカウントプランは何十枚も書く必要はなく、基本的には先述した5つの項目があれば重要なポイントを網羅できます。作成にかける時間も3時間程度を目安としてください。
なおアカウントプランは、自社のリソース配分の計画書です。やることとやらないことを決めるためのもの、とも言えます。
会社のリソースは有限です。アカウントプランがあると、このパートナーにどこまでリソースを割くか、どんな施策をするか、社内の他部署にどのような協力を仰ぐかの整理や相談がしやすくなります。
パートナー開拓にかかわる社内関係者が、現在地や方向性を認識しやすくなる役割も持つのです。
パートナーセールスは、新規開拓からアライアンスプランの作成、勉強会の講師、パートナー主催ウェビナーへの登壇、商談同席、マーケティング施策の検討など、業務が多岐にわたります。
当然、一人では限界があるので社内のマーケや広報、サポートなどの他部門に頼りながら、全社一丸でパートナーを支援したほうがパートナーへの価値貢献は大きくなります。
1.パートナー概要
ここからは、アカウントプランの作成方法について項目ごとに解説します。
パートナー概要は、1枚のスライドで事実に基づく情報をベースに作成します。パートナープロファイルから次の内容を転記しましょう。どんな規模で、何をしている企業なのかがわかれば十分です。
パートナー概要のおもな項目は次のとおりです。
- 企業名
- 業界
- 従業員数
- 売上高・利益の過去 3年間の推移
- 主要事業
- 主要競合
- 主要顧客
2.目的と方向性
パートナーとの取引額を最大化するために、数年後の状態や大まかな方向性を整理します。
数年後の状態と、それに向かう方向性・根拠を理解しておくことでパートナーに質問するときの内容や会話のレベルが変わってきます。また今後目指すべき方向性が明らかになることで、社内の他部門からの協力も得やすくなります。
- 目的(3年後の状態)
- 方向性の考察
3.ポテンシャルマップ
どれくらいの案件が見込めるのか。パートナーのポテンシャルを整理します。
ポテンシャルマップを作成することで、社内の他部門もフォローをしやすくなるので「このパートナーは相性がよいはず」「この商材だったら、こんなパッケージも提案できるのでは?」などの気付きが得られる可能性も高まります。
パートナー概要のような定性データだけでは他者が協力すべき価値を見出すのは難しいでしょう。注力商材や競合他社の商品・サービスの取扱状況など、足で稼ぐ情報に価値があります。
ポテンシャルマップのおもな項目は次のとおりです。
- 顧客基盤
- 商圏
- 営業人員
- 取引先窓口の部門
- 注力商材
- 競合他社の商品・サービスの取扱状況
4.リレーションマップ
リレーションマップは、自社とパートナー、またはパートナー内での関係性と役割を図示したものです。パートナーを動かす、自社が正しいアクションをとるために必要になります。
パートナーの組織についてまったく情報がない場合は、まずはパートナーのコーポレートサイトで公開されている組織図を貼り付けましょう。組織図を公開していないパートナーの場合は、ニュースや異動情報から組織名を調べてマッピングします。
どこに・どのようにアプローチしていくかは理由と仮説を整理したうえで、他者からも意見を募りましょう。
5.アクションプラン
アクションプランでは、1か月後・2か月後・3か月後に計測できる目標と目標達成に向けた打ち手を設定します。
社内関係者への相談事項として、実行するにあたっての依頼内容も整理しておきましょう。
可能であれば、アカウントプランのベースとなる情報の入力をパートナーに依頼しましょう。
才流ではアカウントプランの作成に必要な項目を整理したテンプレートを用意しています。本テンプレートもダウンロードするのに個人情報の入力は不要で、どなたでもお使いいただけます。
※「パートナープロファイルを作成する」内で紹介したものと同じテンプレートです。