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事業における課題解決と数独パズル
栗原 康太
  • 著者/栗原 康太
  • 株式会社才流 代表取締役社長

事業における課題解決と数独パズル

数独に課題解決を学ぶ

一時期、読みたい本も観たい映画もなくなって、土日が暇で暇で仕方なく「数独」にハマった時期があった。

 

数独のルールは極めて単純。「空いているマスに、1から9いずれかの数字を入れる」「縦・横の各列、および太線で囲まれたブロック内に同じ数字が入ってはいけない」これだけ。しかし、やってみると非常に奥が深い。

 

最初はソシャゲをインストールする感覚で数独雑誌を購入したのだけど、帰省中にもかかわらず家族と一言も話さずに朝から晩まで数独をする、という状態になるまでハマってしまった。こうした「集中的鍛錬」を経て、事業における課題解決の多くの部分を数独から学ぶことができた。

 

事業や組織を運営していると、日々たくさんの課題が出てくる。みんなで苦労して課題を解決して『やった!ついに攻略した!!』とガッツポーズをした次の日には、新しい課題が舞い降りてきて、終わりのない問題集を解いているような気持ちにさせられる。

 

以前は仮説が外れて施策がコケた、KPIが達成できない、などの課題に直面すると『くぅー!なんでだ・・・』と誰かのせいにしたり、自分を責めてしまっていた。そんなある日、次から次へと現れる課題を眺めながら『これ、なんか数独っぽいな』と思ってから、課題解決の質とスピードに大きなブレークスルーがあった。

 

イメージとして、9×9の正方形を事業全体、水色で囲った列をその時に向き合っている課題に見立てる。この列を埋める(=解決する)には、あと6つのピースが必要。埋めるピースとして下記1~9のような解決策を思い浮かべ、列が埋まるまでシミュレーションを繰り返していく。
  
1.目標を変える
2.役割を変える
3.リソースを増やす
4.ボトルネックを取り除く
5.コミュニケーションの量を増やす
6.コミュニケーションの内容を変える
7.接し方を変える
8.知識を加える
9.経験を加える
 
現実世界も数独も、1つの解決策だけで列は埋まらない。他のピースが埋まってからでないと、先に進めない時もある。埋められるピースから一個一個、埋めていく。すると、いくつかのピースが連続して埋まったり、予期せぬ列が先に埋まったりしながら、ついには狙った列が完成(=課題解決)する。このイメージを持つと純粋に課題解決に向き合え、列が埋まっていくのを楽しみながら物事を進められるようになる。

 

数独から学んだ大切な教訓は、「問題は、解けそうなところから解けそうな順番で解いていく」べきだということ。そして、「いまは絶対に解けない問題と解けないアプローチが明確に存在する」ということだ。

 

先日、知り合いの上場企業の共同創業者が『スタートアップとは問題解決である。問題を解決するから急成長できる』と言っていたけど、外からはウルトラCに思えるサービスや業績でも、組織の中では1~9のような解決策を着々と当てはめ続けた結果なのだろう。

 

事業も数独も、解決策の本質は同じ

事業も数独も、解けそうなところから適切な順番で解決策を試していくと(ときには問題から距離を置いたりしながら)、最初はほとんど見えなかった完成への道筋が徐々に明らかになって、後半はもう「明らかにこれとこれだよね」ってところまで像が立ち上がっていく。

 

事業によって列の性質や難易度は違うけど、本質的には数独のように大量の試行を重ねながら、それぞれの例(ユーザの列、チームコミュニケーションの列、セールスの列、etc)をいかに手際よく最適化させられるかが問われている気がする。その意味で「経営はスピード」なのだと理解している。

 

もちろん現実世界の事業では9個の数字だけでなく、もっとダイナミックでたくさんの解決策が存在する。けれど、見通せないほどの数ではないし、汎用的に筋の良いアプローチもいくつか存在している(コミュニケーションを取る、とか、相手を信頼する、とか、人の話に耳を傾ける、とか本当に大事)。

 

そして、事業の課題は解けば解くほど、現実世界は変わっていく。事業における課題解決に取り組んでいる人たちは自らを青天井にレベルアップさせながら、社会や人類に貢献できる喜びを得られる、とても幸せなゲームのプレーヤーなのだろう。


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栗原 康太
  • 著者/栗原 康太
  • 株式会社才流 代表取締役社長

2011年にIT系上場企業に入社し、BtoBマーケティング支援事業を立ち上げ。事業部長、経営会議メンバーを歴任。2016年に「才能を流通させる」をミッションに掲げる、株式会社才流を設立し、代表取締役に就任。 より良い物事の捉え方・進め方を「サイル式メソッド」として発信しています。

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