契約業務のDX化を支援するSaaS企業、株式会社Hubble(ハブル)さま。これまではブランディングやデザイン重視でWebサイトを設計していましたが、資料請求や問い合わせのコンバージョンレートが低いという課題を抱えていました。そこでWebサイトのリニューアルをしたいと才流にご相談いただきました。
才流では2022年9月から3か月にわたり、調査分析からサイトの構成要素作成、制作会社の選定、実装支援までをお手伝いしました。
才流のコンサルティングによって得られた成果や、サイトリニューアルによる効果について、同社でマーケティングを統括する町田さん、Webディレクターの藤田さんにお話を伺いました。
デザイン重視でコンバージョンレートの低いWebサイトに課題
- Webサイトをリニューアルしたいとご相談いただきましたが、どのような課題感があったのでしょう。
町田 Hubbleは2016年に、契約業務のあり方を変えたいという想いでスタートしたSaaS企業です。プロダクトをローンチしてから最初の3年間はブランドの世界観をしっかり伝えたいとデザイン重視でWebサイトを展開していましたが、2022年3月に転機がありました。シリーズA(※)の資金調達です。
投資対効果を高めるべく、これまでのブランド世界観先行型のサイトから、インバウンドで来訪した見込み顧客にアプローチし、資料請求や問い合わせというコンバージョンを獲得できる、リード獲得重視のサイトへと変更する必要が出てきました。
資料請求や問い合わせのコンバージョンレートが一般的に適正と言われる数値から乖離していたことは、経営陣も大きな課題として認識していましたね。
※スタートアップ企業が成長・拡大を目指して資金調達を行う際の投資ラウンド。シリーズAの要件として、PMF(顧客が満足する商品を、最適な市場で提供できている状態)を達成していることが目安になります。
- 才流にご依頼いただいた経緯を聞かせてください。
町田 これまでお付き合いのあった制作会社とリニューアルを進める選択肢もありました。ただ当時は私も入社が決まったばかりでして……。マーケティングに造詣のある人間が社内にいない状態でリニューアルを進めても、元の木阿弥になってしまいますよね。
マーケティングに関する知見が深く、プランニングからリニューアルまで並走してくれる会社が必要でした。そこでBtoBマーケティングで圧倒的な知見と実績をもつ才流に相談しました。
調査分析で見えた、サービスを具体的に伝えることの重要性
- 本プロジェクトでの取り組み内容を教えてください。
土山 サイトリニューアルをゴールとしたプロジェクトでしたが、マーケティング全般の設計をサイト制作に落とし込むという考え方で、調査・分析からスタートしました。
既存顧客や見込み顧客へのインタビュー、受注・失注分析、競合分析、Hubbleの営業やCSの方へのインタビューを実施。これまでどのような訴求をしていて、何が強みでHubbleは選ばれているのかを徹底的に調査しました。
調査を通じて、営業やCSの現場で伝えていることがサイトでは表現されていない、といった課題が明らかになりました。専門的なサービスなので、抽象度が高いと価値が伝わりづらい。どの機能が喜ばれているのか。ユーザー側のメリットを具体的に伝える必要がありました。
土山 分析後はサイトの構成要素案を作成したのですが、今回のリニューアルにあたり選定しようとしていた制作会社では、ご提案内容を実装できないことが判明しました。
そこで新たに制作会社を2社ご紹介し、コンペの立ち会い、選定をサポート。実装フェーズではHubbleと制作会社との打ち合わせにわれわれも同席し、適宜アドバイスをさせていただきました。
プロジェクトのスタートから3か月目には当初の要件にはなかった、プロモーションや採用サイトの改善に関するアドバイスもさせていただきました。
VOCと才流の知見が組み合わさり、意思決定がスムーズに
- 調査・分析のフェーズで何か気づいたこと、感じたことはありましたか?
町田 プロジェクトがスタートした時の才流の動き出しの早さ、スピード感はとても印象的でした。
当社では動き出す前に、議論が踊ると言うか「ああかもしれない、こうかもしれない」と意見が飛び交い、前に進まないケースがあるんですよね。
ところが才流にプロジェクトを預けたら、すぐに見込み顧客のインタビューがスタート。「アンケート結果はこうなりました」「見込み顧客がこんなことを言っています」とつぎつぎにVOC(Voice Of Customer:顧客の声)を提示してくれたんです。
VOCほど強いものはない。才流のBtoBマーケティングに対する知見、そのプロセスで出てくるVOC。両者が合わさることで説得力が増し、これまでが嘘のようにスムーズに物事が決まっていきました。説得力さえあれば、こんなにも早く意思決定ができるものなのかと驚くと同時に、大変勉強になりました。
資料請求のCVRは2倍、フォームの入力完了率は4倍に
-VOCによる気づきはありましたか?
町田 サイトに書いていないことや、抽象度の高い説明では伝わらないということが、事実としてよくわかりました。
これまでのブランディング的な世界観とは違う、リードジェネレーション的なアプローチの有効性について、マーケチームのみならず会社全体が期待感を持てるようになりました。
-才流がご提示したサイト構成案はいかがでしたか。
町田 非常に機能的になった、というのが最初の印象でした。Hubbleの魅力を伝える訴求がしっかり表現され、事例も加わって特徴が伝わりやすくなりました。
また「特長」というタブを追加してはどうかというご提案があったんです。Hubbleはプロダクトへの想いやこだわりが強いので、しっかり訴求した方がいいということで。
一般的なテンプレートに当てはめるのではなく、会社の良さをどう伝えるかしっかり考え込まれていて、大変心強かったです。
藤田 見込み顧客のニーズにマッチしたコンテンツを用意し、サイト内の回遊からコンバージョンへ至る導線がしっかり設計されていたことも印象的でした。
個人的には、特長ページと機能ページそれぞれに「顧客の声」が盛り込まれているのがお気に入りポイントです。お客さまの声は事例ページにまとまっていることが多いので、初めて見た構成でした。非常に説得力があると感じたので、同じ構成でLPやリーフレットも作りました。
土山 気に入っていただけて嬉しいです。機能の説明にVOCを足していく構成は、海外のサイトでは実は多いんです。
-サイトリニューアルによる効果も聞かせてください。
藤田 資料請求や問い合わせのコンバージョンレートはリニューアル前と比較して約2倍になりました。とくに改善幅が大きかったのはフォームの入力完了率です。フォームの入力から完了に至る率が、リニューアル前の4倍になりました。
フォーム自体は大きく変えていません。コンテンツがしっかり作られ、サイトの回遊性が高まったことでお客さまが納得した状態で入力から完了に至っているのではないかと見ています。
またサイトリニューアルによって、現場の武器が増えた感覚もあります。コンテンツがリッチ化し、IS(インサイドセールス)やCS(カスタマーサポート)が「詳しくはこのページをご覧ください」と販促ツールとしても使えるようになりました。
町田 サイトを訪れたお客さまが確実にコンバージョンするようになったことで、広告にも投資しやすくなりましたね。
才流がつくったマーケティングの土台が、業務の質を上げた
-素晴らしい成果が出ていますね。サイトのリニューアルは制作会社に依頼するケースも多いですが、才流に依頼する価値や意義をどのような点に感じていますか。
町田 自分たちのサービスがなぜ選ばれるのか、定義をできているなら制作会社に依頼する選択肢があると思います。ただ私達の場合、世の中に何を謳っていくべきか定まっていませんでした。なおかつ、定めにいくマーケターもいなかった。
そんな中で圧倒的なスピード感で基礎となる土台を作っていただけたのは、才流だからこそ。他には代えられない手段だったと思います。
藤田 本当に同感です。制作会社に依頼をするときは、どういう切り口で何を伝えるか、依頼者が考える必要がありますよね。ただ、当時の私たちにはそのリソースがなかった。才流にスタートラインで入ってもらえた意義は大きいです。
町田 2022年3月にシリーズAの資金調達を行い、マーケティングの責任者として私が着任したのが10月。マーケ担当が不在の間に、サイトリニューアルという大きなプロジェクトが動いていたわけです。
仮にマーケティングについて何もわからない人たちが着手していたら恐ろしいことになっていたと思います。時間はもちろん、お金もロスして、下手したら私たちが入社後に再度リニューアルをしていた可能性すらあります。
才流というBtoBマーケティングのプロが土台を作り、立ち返るべきインサイトを提示してくれた。このことが、今現在に至るまでものすごく効いている。今の業務の質を上げることに繋がっていると感じています。
採用の改善・アドバイスで、新規採用にも成功
-才流のコンサルタントとのコミュニケーションにはどのような印象を持ちましたか。
町田 土山さんは変に忖度することなく、言うべきことをきちんと言ってくれる。コンサルタントから知見を得るという意味で非常にやりやすく、有益だと感じました。
また今回のプロジェクトには役員をはじめ、いろいろなメンバーが参加していましたが、誰もリニューアルの正解がわからないなか、土山さんが舵取りをしてくれたのは助かりましたね。
当社の採用サイトについても改善アドバイスいただいて。土山さんから「noteをしっかり書いた方がいい」というお話があり、同じ頃に人事からも執筆依頼があったので頑張って書いたんですよ。そうしたらなんと、2名の採用が決まりました。そのうちの1名は「町田さんの記事を読んで入社を決めました」と。土山さんには採用面でも背中を押していただけたと感じています。
-外部の支援会社を入れる価値を、どのようなところに感じていますか。
町田 プロフェッショナル人材の採用には時間がかかります。仮にスムーズに採用できても、会社のカルチャーを理解し、キャッチアップして仕事を進めてもらうにはやはり時間がかかります。
その点、プロフェッショナルの知見を持ち、あるべき像を提示して導いてくださる外部パートナーは非常に効率的です。採用や育成という面ではもちろん、固定費の観点でも効率がいいですし、その後採用される社員の業務の質を高めることにも繋がります。
もし昨年土山さんが入っていなかったら、今どうなっているか。想像するだけで恐ろしいです(笑)。適切な支援会社を選び、投下するタイミングさえ間違えなければ、外部の支援会社は莫大な利益をもたらしてくれるものだと思います。
-才流の支援を他の会社におすすめするとしたら、どのような課題やフェーズの会社にフィットすると思いますか?
藤田 かつての私たちのように、思想や想いとリードジェネレーションのバランスをうまく取れず、マーケティングに苦労されている会社におすすめしたいです。才流が入ることで市場やマーケット、自社商品への理解が進みます。効率的な事業成長が期待できるのではないかと思います。
町田 そうですね。マーケチームのない組織はもちろん、在籍期間が長いマーケ社員が多くなった企業にもフィットするのではないでしょうか。在籍が長くなると、暗黙の思想や当たり前が染み付きます。自分たちのプロダクトの魅力が何で、お客さまはどこにいるのかを考えるには、会社や業界に浸かりすぎている。
そんな時に才流のような第三者が入ることで暗黙知とされていたプロダクトの魅力に気づき、新しい価値に目が向くようになります。マーケティングはもちろん、事業開発のような案件にもフィットするかもしれませんね。
(撮影/関口達朗 取材・執筆・編集/藤井恵)