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組織の死を予見する、4つの「死亡フラグ」とは

株式会社才流 代表取締役社長
栗原 康太

目の前の案件や問題解決を優先してしまい、気づいたら半年が過ぎるといったケースはどこでもよく起こるだろう。

多忙を理由に、「未来への打ち手」が打てなくなる。そうしたケースでは、何らかの「死亡フラグ」が出ているものだ。自戒を込めて、組織が死に至る前のフラグを4つに分類してみた。

1)リーダーが忙しすぎる

最も多くの情報を持ち、ビジョンを示す役割のリーダーが目の前のタスクに追われている状況。当然、「未来を考え、メンバーに示す」という本来の役割を全うできなくなる。

忙しすぎるとは

=「戦いを略せていない」
=「戦略がない」
=「頭を使えてない」

ということ。多くの場合、忙しい状況から抜け出せないまま1年半ぐらいは簡単に過ぎ去ってしまう。

2)エースが忙しすぎる

案件対応や直近の目標達成・問題解決に、エースがコミットしすぎているケース。

未来への仮説検証を最も精度高く、スピーディーに、センスよくやってくれるエースが、「圧倒的な結果を出せ、責任感が強い」ゆえに、すでに仕組みができたエリアで頑張りすぎてしまい、気づいたら誰も未来開拓をやっていないパターン。

次々と事業立ち上げを成功させているある経営者は『新規事業は兼務では難しい。集中しないとうまくいかない。』と言っていた。案件対応や目先の問題解決をやりながらでは、未来開拓は途中でストップする可能性が高いだろう。

3)組織に遊びがなく、ガチムチすぎる

スピード、効率が組織の至上命題だと、組織の動きにどんどん遊びがなくなっていく。

みんなが朝早く出社し、雑談もなく、完璧なアジェンダの会議をこなし、終電間際まで仕事をこなす集団になったとする。一方で、「未来を描く」なんてあいまいなことをする雰囲気はなくなり、メンバーの感受性が徐々に鈍っていくパターン。

組織にスピードや効率を過度に追い求めると、離職率が高まり、残ったメンバーの負荷が増加し、さらに「未来への打ち手」を打てなくなっていく。そんなシーンを過去に何度か目にした。人間は、生まれつきスピードや効率を追い求めるようにはできていないのかもしれない。

4)リーダーの発言は売上や利益の話ばかり

・なぜやっているのか
・どこを目指しているのか
・そこにどういう順序ややり方で到達したいのか

が共有されず、

・◯◯◯◯万円の利益
・◯◯件の受注

といった数字目標だけが話されているケース。

結果として、組織にとって目先の案件が最優先事項になり、未来に向けたアイデア出しや動きをしようとするメンバーが誰もいなくなるパターン。

結果は出して当たり前

スターバックスコーヒー ジャパンの元CEO岩田松雄さんが数年前、前職の会社で講演いただいた際に一番印象に残ったお言葉。 

結果は出して当たり前。その上で何をやっていくのかが、リーダーやマネージャーの仕事

当たり前のように足元の結果は出した上で、未来も作っていくのが本当のリーダーなんだろう。​​​​​​

とはいえ、リーダーは結果へのプレッシャーからどうしても目先の事象に意識が向きやすい。未来を一緒に語れるメンバーなり、メンターなり、視点を上げてくれる存在が常にリーダーを救ってくれるのだろう。

僕自身、社外のメンターや社内のメンバーと定期的に中長期的な視点で議論をする時間を設けるようにしている。未来を考えることは、視点を上げるだけでなく、リーダーとしてのモチベーションを高めることにも役立つ。組織のためだけでなく、リーダーのためにも未来を考える時間は重要だと思う。

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