法人向けのデジタルギフトを提供しているSBギフト株式会社。商品や金券などをURL化し、メールやSNSを通じて贈るデジタルギフトは、企業のキャンペーンや謝礼、福利厚生など活用シーンが広がっている。
同社では、営業と兼務の担当者が1人で、10年以上マーケティング活動に取り組んできた。担当者の定松さんは、主観的になりがちな施策に課題を感じていたという。
外部の客観的な視点を取り入れるため才流にBtoBマーケティングの戦略・施策立案とサイトリニューアルに伴うプロジェクトマネジメントを依頼。担当の定松さんに、才流との仕事で得られた成果や、率直な感想を伺った。
才流と歩んできた半年間で生まれた関係と成果とは。
「自社のBtoBマーケティングに、客観的かつ専門的な視点を取り入れたかった」
ー 才流に依頼をする前は、どのような課題をお持ちだったのでしょうか。
定松 弊社では2011年頃からBtoBマーケティングに取り組みはじめました。営業と兼務で私が1人で進めてきたのですが、「本当に戦略の方向性が合っているのか」確信が持てないこともあったんです。
これからビジネスを伸ばしていくためにも、自社のマーケティングを客観的な視点で評価する必要があると感じていました。
そこで、古くなったWebサイトをリニューアルしようと考え、Webサイト全体の戦略部分も依頼できる会社を探し始めました。これまでも制作会社や広告代理店に部分的な施策を依頼をしたこともあったのですが、マーケティング全体の戦略部分まで踏み込んでもらったことはなかったので、弊社としても新しい試みでしたね。
ー 才流に依頼した経緯を教えてください。
定松 もともと代表の栗原さんとは、前職のときにお会いしたことがあり、Twitterもフォローをしていました。本格的に才流のことを知ったのは、コロナ禍になってからです。昨年の夏頃まで才流は積極的にウェビナーを開催されていたので、私も一度参加させてもらいました。
ご相談をしたのは、20年の6月に開催されていた「無料相談会」が最初です。そのとき対応してくださったのも金森さんでしたが、私1人ではなかなか気づけないマーケティング上の課題をしっかりと教えてくださいました。
この会社なら弊社の弱点をカバーして、マーケティングを前に進めていただけるのではないかと思いました。
「ワイヤーフレームは、ほぼ完成形。工数負担は最小限だった」
ー 取り組んだプロジェクトについて教えてください。
金森 Webサイトリニューアルのご相談をいただいたので、まずは見込み顧客のインタビューや営業責任者インタビュー、競合分析、ペルソナ策定や売れるロジックの整理などをふまえて戦略を提案しました。
定松 プロジェクトで印象に残っているのは、見込み顧客のインタビューですね。これまではぼんやりとイメージしていたペルソナが、インタビューではっきりと見えるようになった。顧客解像度が上がったと思います。
率直なご意見をいただき、ハッと気づかされることもありました。改善すべきことが見えてきたので、インタビューの内容は社内でも共有しました。Webサイトから、サービス内容や他社との違いを明確に伝えきれていなかったんですよね。
金森 そうですね。デジタルギフトを使ったことがない人は、リニューアル前のWebサイトを見ただけでは、デジタルギフトの簡単さや利用までの流れをイメージできていませんでした。
一方、既存顧客からは「実際にデジタルギフトを使ってみたら予想以上に簡単で驚いた」という声がありました。そのため、まずはデジタルギフトを体験していただこうと、資料請求後、デジタルギフトを無料体験できるようにCTA(Call To Action)を設計しました。
逆にデジタルギフトを使ったことがある人は、商品のラインナップ数やブランドなど、明確に比較検討軸が決まっていることがわかりました。もともとのWebサイトには、そうした情報が十分に落とし込めていなかったんですね。
そこで、SBギフト様のサービスを利用して贈れるデジタルギフトを前面に打ち出しつつ、「商品ラインナップ一覧」をダウンロードできるようにしました。
定松 さまざまな分析をふまえて作っていただいたワイヤーフレームは、最初からほぼ完成形に近いもので、あとは細かい文言やデザインの調整程度。これまでもサイトの制作やリニューアルは何回か経験していますが、今回のプロジェクトは弊社の工数や負担が非常に少なかったです。
関わっている会社数が4社と多かったため、才流が入らずに自分でやっていたら、調整だけでも相当大変だったと思います。
※リニューアル前のWebサイト
※リニューアル後のWebサイト
Webサイトのリニューアルで確度の高い商談が増加。
これまでなかった業種からの問い合わせも。
ー Webサイトのリニューアルが終わり1か月ほど。現段階で見える成果はありましたか。
定松 Webサイト経由のコンバージョンと商談が順調に増えています。
コンバージョン獲得に特に効果があったのは、「商品ラインナップ一覧」をダウンロードできるようにしたことです。
「商品ラインナップ一覧」をダウンロードした後、「資料請求」「問い合わせ」という階段を短いステップで登ってきてくださるお客様が増えました。資料請求のコンバージョン率だけを見ると、前月比で約1.5倍になっています。
Webサイト全体の数値も、前月比でコンバージョン数は1.5倍、コンバージョン率は1.6倍になりました。
また、これまでは「サイトを見てもよくわからないから、商談を申し込んだ」というお客様が結構いらっしゃって。受注確度の低い商談が多い傾向でした。
リニューアル後は、あらかじめサイトの情報を見てくださっているのか、受注確度の高い商談が増えています。営業は商談対応に追われていて、まさに嬉しい悲鳴ですね。
サイトリニューアル以前には問い合わせをいただくことがなかった業種の方からも、問い合わせがきています。これも、大きな変化ですね。
見込み顧客インタビューの際に、これまで想定をしていなかった幅広い業種の方にインタビューをしていただいたんです。
もともと、保険・金融業界の方が、SNSキャンペーンのインセンティブとして利用されるケースが大半でした。ただ、引越し業社の方にインタビューをした際、デジタルギフトはクレーム対応の謝礼にも使われていることがわかったんです。
デジタルギフトの幅広い利用シーンが、リニューアル前のWebサイトの訴求には落とし込めていませんでした。そこで、インタビューをもとに「デジタルギフトの利用シーン・使い方」がわかるコンテンツを追加しました。見込み顧客の方には「こういう使い方があるのなら、うちでも使ってみたい」と刺さっているのだと思います。
「専任のマーケティング担当者がいない会社にとって、才流は心強いパートナー」
ー 才流の仕事の進め方やコミュニケーションについては、どのように感じましたか。
定松 弊社のルールに合わせていただき、随時メールでやりとりをしていました。返信も早いですし、コミュニケーションで不便を感じたことはありません。
戦略フェーズのときは週に1回程度、Webサイト制作の実行フェーズに入ってからは2週に1回程度、Zoomで打ち合わせも行っていました。
実は、当初想定していたスケジュールから、弊社の事情でスタートが遅れてしまったんです。完成も、もっと遅くなってしまうと想定をしていましたが、予定通りに巻き返してくださったのも非常にありがたかったです。
戦略フェーズでは、なかなか私1人では出てこないアイディアをいただきました。金森さんは知識も豊富で、会社間の調整や進め方など、慣れていらっしゃると感じました。
ー 才流の支援は、どのような会社におすすめしたいですか。
定松 弊社と同じように、専任のマーケティング担当者がいない会社には非常に心強いと思います。戦略を立て、次にやるべきアクションを明確にしていただけるので、あとは実行するだけ。迷う時間がなくなり、合理的に進めていけると思います。
(撮影/矢野 拓実 取材・文/安住 久美子 編集/中島 孝輔)