「弊社は今年で創業33年目。しかし、才流さんに依頼するまで、自社内でマーケティングに取り組んだことは一度もありませんでした。組織全体として営業が強いので、手足を動かさずに成果を出せるマーケティングについてのイメージが湧きづらかったんですよね」
こう語るのは、株式会社セラク(以下、セラク)のデジタルトランスフォーメーション本部で部長代理を務めるA・敏宏さん。
セラクは、企業規模が大きく、営業主体の成功体験を数多く持つ組織だ。それゆえ、社内でマーケティングへの新しい取り組みに関しては、よりスピード感をもって確実な成果が必要だった。
Aさんと才流のメインコンサルタント小島は、どのような取り組みで成果をあげたのか。また、セラク社内で起きた大きな変化とは。
農業ITで効率的な生産を支えるIoT製品「みどりクラウド」をはじめ、デジタルトランスフォーメーション本部では、サイバーセキュリティ、Salesforce、AIデータサイエンスなど幅広い領域でサービスを展開する株式会社セラク。才流がコンサルティングに入った「Salesforceの導入・定着活用支援のサービス」の事業内容やマーケティングの成果について、デジタルトランスフォーメーション本部 部長代理A・敏宏さんに伺った。 (以下、A)
「欲しい顧客層のリード獲得を強化したい」新しいマーケティングへの取り組み
ー 才流がコンサルティングに入ったサービスの概要について教えてください。
A Salesforceの導入と導入後の活用支援サービスです。Salesforceは国内外でもっともシェアが高い営業支援ツールにもかかわらず、実際のところ、7割くらいのお客様はうまく活用ができていないというのが、弊社での体感です。
そこで、我々はSalesforceの使い方の指導やコンサルテーション、Salesforce内での実際の設定などを行います。コンサルタントとシステム管理者を兼ねているんです。
サービスは2013年から6名で始まり、事業部としての独立は2017年に、そして現在では合計120名ほどのメンバーがいます。会社の中では、もっとも成長率が高いサービスです。
ー 才流に依頼する前は、どのような課題をお持ちだったのでしょうか。
A 営業中心の組織でも十分に成長していましたが、さらなる事業拡大を目的としてエンドユーザーから直接の顧客を増やしたかったのですが、リード獲得がスピード感をもって実行できていなかったことが課題でした。
我々のサービスは、社内でエンドユーザー比率が高かったため、どんどん新しい事例を作っていきたいと考えていました。
しかし、Salesforceさんから直接ご紹介いただく案件以外に、インバウンドリードはほとんどありませんでした。せっかく作ったインサイドセールス部隊も、最初はただのテレアポ部隊になってしまって。
もちろん受注の獲得はできていたのですが、行動量に対して効率が悪かったんです。
どうすれば獲得したい層のリードをとれるのか、スピード感をもって実行したかった。そこで、高い目標達成のためには「BtoBマーケティングのプロに依頼すべきだ」と考えました。
お客様がサービスを選んだ「本当の理由」を探る、徹底的な顧客理解
ー どのような経緯で、才流を選んだのでしょうか。
A 私が現在の部門に責任者として入る少し前から、TwitterでSalesforceに関わる人たちの情報収集を始め、BtoB、マーケティング、MAなどの周辺情報を発信している方もフォローしていったんです。
その中の1人が、才流の代表栗原さんでした。
BtoBマーケティングに対し、専門性が高く、明確にアウトプットされていたことを知っていたため、自社でマーケティングをする際には才流さんにお願いしようと決めていました。
そもそも社内でマーケティングに大きく予算を取るのもはじめてでしたし、問い合わせをしたときは、どのくらい予算があればできるのかもわからない状態でしたね。
ー コンサルティングがスタートし、具体的にどのような施策を行いましたか。
A プロジェクトがスタートしたのは、2019年10月頃です。最初の1か月は、小島さんが弊社のサービスを徹底的にインプットする期間でした。
小島 営業の方に営業ロープレをしていただいたり、ビザスク経由で見込みユーザーへヒアリングを実施したり。過去にサービスを使ったお客様や、セラクさんのサービスは使っていないがSalesforceを使っている方などに話を伺いました。でも、その情報からは打ち手はまだ見えてこなかったんです。
そこで、Aさんにお電話して、これまでどういう会社が、どういう理由でこのサービスを選んだのか、1社ずつお伺いしました。
例えば、あるお客様は競合と比較していて、「競合は常駐型だったが、セラクさんの週2回だけの訪問という点が気軽で良いと思った」とか、「セラクさんが開催する支店での勉強会は他社になかった」とか。
リアルな声をたくさん聞いて、ようやくセラクさんのサービスの適切な「選ばせ方」が見えてきたんです。
A 小島さんの動きから、顧客を理解する工程はやはり重要なんだと、我々も気づかされました。この結果、コピーの訴求やサイト改善が必要となり、小島さんより細かい設計書をいただきました。
また、単純に今の問い合わせを増やすだけではなく、半年~1年後に課題が顕在化する層も取っておくべきとご提案いただき、Facebook広告やリスティング広告などの出稿も行いました。
資料請求、お役立ち資料のダウンロードなどのCTA(コールトゥアクション)でユーザーに対する導線を作り、お問い合わせの前の階段を作りましたね。
月1件だったリードが60件に。想定を上回る成果で、社内の空気は動いた。
ー サイト改善や広告などで、定量的な成果はありましたか。
A 月に1件あるかないかだったリードが月60件に増え、インバウンド経由の売上は約5倍になりました。
でも私が一番の成果と思うことは、社内でマーケティング施策を広げるきっかけを作れたこと。
弊社は、才流さんに依頼するまでマーケティングでの成果創出に対して明確なイメージを持っているメンバーは少なかったんです。だからこそ、はじめての取り組みで成果として証明できたことは大きかったです。
最初に才流さんに依頼したときのマーケティング予算は少なかったですが、実は今、次期のスタートに向け数千万規模のマーケティング投資の話題が出ています。
また、今後は部門横断の営業戦略室が、我々が得たナレッジを各部署に共有し、社内への浸透活動や予算管理などを行っていく予定です。マーケティング担当メンバーも、新たに数人置くことになると思います。
「根っからの営業組織だった我々の中に、マーケティングの体制が整う」これは弊社の中で、とても大きな変化でした。
才流は「体系化されたメソッド」の中から、確実な答えを出してくれる
ー 才流とのやりとりの中で、印象に残ったことはありますか。
A 才流さんで印象に残っていることは「BtoBマーケティングの勝ち方」をメソッド化、体系化している点。
会社によって、マーケティングの手法は異なります。ただ、才流さんは過去の経験と資産の中から各社にマッチし、成果を導く適切な答えを出してくださる。
これは、BtoBマーケティングに対して力と自信があることの証明だと思いますし、他の企業にも自信を持って紹介できるポイントですね。
ー 才流は、どのような会社におすすめだと思いますか。
A 我々もゼロからのスタートでしたし、シンプルに、マーケティング経験がない会社は頼むべきだと思います。わからないことがあればSlackでいつでも質問でき、小島さんも丁寧に答えてくださる。
また、DXを推進している企業にも、才流への依頼は良いきっかけになると思います。社内でDXの重要性について、共通的な認識はあっても、なかなか実践できないことはありますよね。
今回才流さんに入っていただいたことによる成果は、社内の空気を動かすには十分だったと思います。
営業とマーケティングの「最強ハイブリッド組織」を目指して
ー 現在は才流のコンサルティングを卒業されたと伺いました。現在の状況と、今後取り組みたいことについて教えてください。
A 小島さんに支援してもらっているときは、いつでも答えがもらえたんですが、正直、卒業した今はマーケティングの施策で迷うことが多いです。
社内で議論していても、スピード感を持って確実な施策を実行することが難しい。小島さんの存在感を、ジワジワと感じていますね。
でも、我々のマーケティング自走化が才流さんにとっての成果だと思いますので、思考錯誤しながらこれからも頑張っていきたいです。
弊社はこれまで「受注は営業マンが獲得する」カルチャーがありましたし、それで成果を伸ばしてきた成功体験があります。でも、マーケティングという強大な飛び道具を手に入れれば、今まで以上に伸びるチャンスがある。全社的なマーケティング力の強化は絶対に実現すべきことと思っています。
小島 今回の取り組みで大きな成果が出た要因のひとつは「営業が強い」ことだと思うんです。
どんなにマーケ施策でリードが出ても、そこからの引き上げで止まってしまうケースが実は多いんですよね。結局、営業とマーケのハイブリッドが最強だということです。
A どんなにデジタル化が進んでも、営業マンは必要不可欠ですよね。
特に弊社の商材は単価も高く、受注までをマーケで完結することはできません。リードの獲得を効率化し、営業の強みをどんどん活かし、最強の組織を目指していきたいです。
部署でのマーケティング立ち上げに成功したAさんだが、今後の他部署への展開には、才流小島の力が必要だと考えているという。
一方小島は、セラクの取り組み姿勢を次のように評している。
「どんなに外部のプロが入っても、社内で推進・実行できるリーダーがいなければ、うまくはいきません。セラクさんの強みは、潤沢なリソースとスピーディな意思決定。全社で本格的にマーケティングに取り組めば、より強い組織になると思います」
培ってきた営業の強さと、マーケティングという新たな武器を手に。セラクは才流のコンサルティングを経て、新しいステージを目指す。
(撮影/矢野 拓実 取材・文/安住久美子 編集=中島 孝輔)
株式会社セラク
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