岸田 慎平
Kishida Shimpei- 職種
- コンサルタント
「デジタルマーケティング戦略を立てたのに、”絵に描いた餅”になってしまうことがあります。特に製造業は、デジタルマーケティングに特化した人材が社内にいないケースが多く、自分たちだけではやりきれない場合が多いんです」
こう話すのは、BtoB製造業のマーケティングコンサルティングや制作代行・実行支援の経験を持つ岸田 慎平。
才流では、BtoB製造業向けのメソッド開発やサービスメニュー設計を務めている。
入社して感じたこと、コンサルタントとしてやりたいこと。そして長く携わってきたBtoB製造業への想いとは?
「お客さまに深く入り込んで支援したい」現場を離れて気づいた自身の”やりがい”
ー 才流に入社する以前のキャリアについて教えてください。
IBMビジネスコンサルティングサービス(現:日本IBMコンサルティング職)を新卒で選び、BtoBでクライアントを支援するキャリアからスタートしました。いずれ自分でBtoB領域のビジネスをやりたいと思っていたし、上流から下流まで広く経験したかったからです。
IBMでは、ERP導入をきっかけとした業務標準化プロジェクトでビジネスプロセスの設計やシステム要件定義から業務・システム移行後の運用定着・保守まで、業務・システムに関するコンサルタントを経験しました。転職を決めたのは6年目の頃。同社出身の方が創業した会社に誘っていただいたことがきっかけです。
2社目ではBtoB製造業に特化し、営業・マーケティング領域のコンサルティングや制作代行・実行支援のサービスを提供していました。150社以上の案件を担当する中で、BtoB製造業の業界構造、マーケティングや営業に関する課題に対して深く理解できました。
その後、自社プロダクトを開発して販売するビジネスに転換したことをきっかけに、メディア事業の営業企画・マーケティングやチームマネジメントなどに従事しました。
ー キャリアの中で、「現在の自分」につながったと感じる経験はありましたか。
チームマネジメントを通じてチームで目標を達成したり、メンバーの成長を見ることは、やりがいもあって楽しかったです。一方で自分の中では、「お客さまに直接価値を提供できる立場でありたい」という思いが、強くなっていきました。
戦略から実行までじっくりとお客さまに向き合い、施策をやり切るところまで支援したい。それが自分にとってやりがいを感じる仕事なのだと、気づいたんです。
当時、前職では資金調達が終わった時期。そろそろ自分が卒業してもいい頃だと、転職を考え始めました。ちょうどそう考え始めていたタイミングで、才流のコンサルタントとして活躍する黒須さんから連絡をもらったんです。
「才流でBtoB製造業の案件が始まるから話を聞きたい」と。2019年の年末頃だったと思います。
ー 才流に入社した経緯を教えてください。
実は、黒須さんとは大学時代の友人なんです。栗原さんともお会いして、その後、澤井さんや小島さんから才流での仕事や雰囲気について話を聞いていくうちに、才流のコンサルタントは、個人の能力が高く、ビジネス経験も豊富な方ばかりという印象を持ちました。
実は、BtoBマーケティングの世界では、表面上の数字だけで提案してしまう人も一定数いらっしゃると感じていました。しかし、才流ではビジネスや顧客理解を通じて、本質的に成果を上げるための戦略や施策について議論をしている。こういう人が集まっている会社は、めずらしいと感じました。
栗原さんから入社のお誘いを受けたとき、迷いはありませんでしたね。
ー 実際にはたらいてみて、才流にはどのような人が合っていると感じますか。
才流は個人の能力が高いため、細かいオーダーをせずとも自走できます。栗原さんも、メンバーを信頼して業務を任せるスタンスだと感じています。
そのため、一定のビジネス経験があり、自分で何をすべきかを考えて主体的に行動できる人が才流のカルチャーにフィットすると思います。
業界向けメソッド開発により才流メソッドを進化させる
ー 才流では、どのような業務を担当しているのですか。
通常のBtoBマーケティングのコンサルティングプロジェクトを担当しながら、これまでの知見を活かしてBtoB製造業界に向けたメソッド開発やコンサルティングサービスの検討を行っています。ビジネスや業界構造の違いから、支援内容が異なるケースがあるためです。
コロナ禍で展示会が開催できない、開催しても来場者が少ないというお悩みや、顧客に直接訪問できないといった課題もあります。
デジタルツールやコンテンツを活用した営業活動、顧客との関係性維持の施策を検討したい、といったBtoB製造業の方のお話を聞くことも増えており、これを機にデジタルマーケティング、コンテンツマーケティングに力を入れていきたいと考える会社も増えています。
ー お客さまの意識も変化してきているのでしょうか。
はい。ただ、デジタル化に取り組みはじめたばかりのお客さまは、コンサルティングを受けても施策の実行が難しい場合があります。リスティング広告を出しても良し悪しがわからなかったり、コンテンツのリライト方法がわからない、といったようなケースです。しかしそのままでは、戦略が”絵に描いた餅”になってしまいますよね。
そういったお客さまのためにも、実行フェーズまで伴走支援することが、この業界の顧客向けには非常に重要だと考えています。
ー 才流のお客さまからは、「実行フェーズまで伴走支援してほしい」というご要望は多かったのでしょうか。
ご要望は多かったと聞いています。
コンサルティングや戦略の提案だけだと、いざ実行フェーズになったときに、お客さまの社内でメソッドを活用しきれなかったり、リソースが足りずに正しいディレクションができないというお悩みをいただいていたそうです。
もちろん、最終的にはお客さまが自走できる状態をめざしますが、そういったケースで僕たちが伴走してご支援できることに価値があると考えています。
ー 共に働いていきたいのは、どんな人でしょうか。
施策実行時に発生するいろいろな課題を”自分ごと”として、お客さまと一緒に成果が出るまで伴走する、お客さまの成功の実現へ真摯に向き合える人がいいのではないでしょうか。
また、複数部署のお客さまや外注パートナーと調整を行うディレクションスキルやプロジェクト進行経験も重要です。
業務委託の外部パートナーとも、気持ちよく仕事をしていきたいと、社内でも話をしています。
実行力を上げ、ビジネスをドライブさせる
ー 才流のコンサルタントとして、大事にしていきたいことは何ですか。
「お客さまのビジネス成功のために」が第一だということです。テクニックや数字だけではなく、真摯にお客さまへ向き合いたいと思っています。
もちろんクライアントの都合などもあるため、すべてが上手くいくわけではありませんが、コンサルティングや戦略の提案だけよりも、施策実行まで伴走することで実行力は上がります。そして、メソッドをただ作って終わりではなく、お客さまのビジネスを理解し、才流のメソッドを使い、お客さまと一緒に前進していきたいです。
また、これまでのキャリアの中で経験してきたことをきちんと言語化し、プロジェクトを進めやすくする指針となるロードマップを作りたいと考えています。もっとプロジェクトを高い生産性で進行するためのメソッドなどもまとめていけたらいいですね。
ー 個人の生き方や働き方として、大事にしたいことはありますか。
家庭と仕事の両立は大事にしたいと思っています。
才流は全員がフルリモートで働いています。そのため、家やシェアオフィス、カフェなど場所を自分で選べる柔軟な働き方ができるので、今後も家族との時間を大事にしながら働きたいですね。
また、BtoB製造業に特化したコンサルティングメニューやメソッドをつくって、業界に還元したいという想いもあります。マーケティングの位置づけや、購買プロセスなど、業界構造を深く理解していて、Webマーケティングやデジタルマーケティングも詳しいマーケターは決して多くありません。
知見を持つ人の話を踏まえてコンテンツに反映したり業界特化のメソッドをつくるなど、BtoB製造業に関する情報をもっと流通させることで、業界に貢献できたらと思っています。
(撮影=ヤマダ ヤスヒコ 取材/文=安住 久美子 編集=前田 絵理)