パートナーとの関係構築はワンランクアップの法則で

パートナーと関係を構築していくときに覚えておきたいのが、ワンランクアップの法則です。ワンランクアップの法則とは、相手の関心事より一段上のレイヤーで話をすること

たとえば顧客に自社商品のスペックや便益ばかりを伝えても、顧客は関心を持ってくれません。なぜなら顧客は、商品が欲しいのではなく、ビジネス上の課題を解決するための「解決策」を探しているからです。

ここで営業担当者が商品のスペックや便益の説明のみを行ってしまうと、関心のギャップが生まれます。これを解消するために一段上のレイヤーで話をするのです。パートナービジネスの場合は、パートナーと、パートナーの関心事より一段上のレイヤーで話をします。

図版:パートナーの営業担当者や経営層との会話で一段上のレイヤーから話すときの具体的なイメージ。パートナーの営業担当者との会話では、チャットボットの機能について聞かれたら、チャットボットの選び方を話す。チャットボットの選び方について聞かれたら、顧客がそもそも何を解決したいのかを考える。一段上のレイヤーから考える。パートナーの経営層との会話では、マーケティングについて聞かれたら、ビジネス開発を話す。ビジネス開発について聞かれたら、組織・人材を考える。一段上のレイヤーから考える。
ワンランクアップの法則(パートナービジネスの場合)

また、パートナービジネスにおける関係構築には、2つの段階があります。まずは個人同士で関係を築き、それが固まったあとでより大きなスケールの企業間の関係へと発展させていきます。

段階的なアプローチを踏むことで、深い理解と信頼の上に強固な関係を築くことができます。次の図のような対話を心がけましょう。

図版:関心レイヤーのピラミッド図。具体的な案件の相談から抽象度が高い案件の相談、事業の相談に至る。相談例として、ビジネスモデル、組織・人材、マーケティングが挙げられ、パートナーとの関係構築でやることとして、事業運営の相談相手になり、上流のポジションを取ることが示されている
より大きなスケールの関係へと発展させる

信頼関係の構築に近道はなく、地道に距離を近づけることが欠かせません。距離を近づけて、期待値を常に上回りつづける必要があります。仮に自社の商品・サービスにはあてはまらない相談を持ちかけられた場合でも、他社を紹介する、選び方のポイントを伝えるといったGIVEの精神を貫きましょう。

その積み重ねが信頼の獲得、そして関係の構築につながります。誰しも、見知らぬ他人にいきなり事業の相談をすることはありません。

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