パートナー向けの提案資料を作成したら、パートナーが営業活動で使用するセールスマテリアルを整備します。パートナーは実際にどのようなセールスマテリアルを必要としているのでしょうか。
まずは「代理店(パートナー)ビジネスの実態調査」のなかから、セールスツールにまつわる内容を紹介します。
パートナーの80%以上が同一カテゴリで複数の商品・サービスを取り扱っている
「同一カテゴリ内で競合する製品・サービスは平均して何種類ありますか。」という質問では、80%以上のパートナーが複数の商品・サービスを取り扱っていることが明らかになりました。
中でも6個以上の競合製品・サービスを取り扱っていると回答した方は、全体の1/4以上にのぼります。
このデータは「パートナーと業務提携を結んだからといって、すぐに売上が上がるわけではない」ことを示唆しています。
メーカーはパートナーの営業担当者から選ばれ、販売してもらうためにどうするかを継続して考えていく必要があります。また、取り扱う商品・サービスの数が多いほど、パートナーの営業担当者には選定の負荷がかかるでしょう。少しでも負荷を軽減できるよう、情報提供やサポートが必要です。
パートナーがメーカーに提供してほしいのは、実績事例や比較表
調査結果をもう1つ紹介します。「メーカーにとくに用意してもらいたいセールスツールは何ですか。」という質問に対し、次のような回答が集まりました。
メーカーに用意してもらいたいセールスツールは実績事例、比較表、デモ環境が上位に。これらは顧客のメリットを裏付ける資料や体験として有効なツールです。
また、BtoBの場合は担当者が商品・サービスを導入しようと考えても、社内の稟議が通らないことがあります。決裁者を説得する場面でも、実績や他社との比較表などの裏付けとなる資料が役立ちます。
これら2つの調査結果からわかるのは、パートナーは複数の商品・サービスを取り扱っており、その中から選ばれなければならないということ。またパートナーの営業担当者が自身ですべての商品・サービスを理解し、資料を用意するのは現実的ではありません。メーカーは自社の商品・サービスを売ってもらうためにセールスマテリアルを整備する必要があるのです。
したがって、パートナー戦略を策定したら、セールスマテリアルの整備が欠かせません。実際にセールスマテリアルを使い始めるのは、パートナーの開拓や契約締結が進み出してからですが、それまでにきちんと整備しておくのが理想的な状態です。