第4章では、目的設定・業界構造分析・ターゲット選定を通して策定したパートナー戦略をもとに、パートナー向けの提案資料、そしてパートナーが営業活動で使用する商品・サービスの紹介資料や営業資料、比較表といったセールスマテリアルの整備に取り組みます。
まずはパートナー向けの提案資料の内容について解説します。
提案資料にはパートナーの関心事を入れる
契約を締結したいパートナーに提案するチャンスは何度も訪れるものではありません。
よって、初回のアポイントメントの最初の15分で、パートナーの興味を惹くことが重要です。提案時には市場・競合・自社の3つの観点からパートナーの関心事を簡潔に説明しましょう。
提案資料は直販の商談で使っているものをベースとしますが、パートナーは商品・サービスの細かい機能には興味を持ちません。次の項目を中心に、市場が伸びているのか、パートナーのどんな課題を解決できるのか、競合他社と比較した際にどんなポジションにいるのかを整理しましょう。
提案資料に入れるべき項目は次のとおりです。
- 市場動向
- ポジショニング
- 競合比較
- パートナーが担ぐメリット
- パートナープログラムの概要
- パートナー向けの支援体制
- よくある質問
表題 | 掲載する内容 |
---|---|
01 表紙(タイトル) | 資料の主旨 |
02 会社概要 | どのような会社なのか |
03 商品・サービスの概要 | どのような商品・サービスを提供しているのか |
04 市場動向 ★ | 市場規模・市場の成長性 |
05 ポジショニング ★ | 代替手段との位置付け |
06 ターゲット像 | ニーズ別のターゲット像 |
07 よくある課題 | 顧客のペイン |
08 商品・サービスの特長 | 商品・サービスの利用によって解決できる課題、見込める効果 |
09 選ばれる理由 | 商品・サービスへの信頼性が高まる内容 |
10 実績一覧・事例紹介 | 導入企業、商品・サービスを利用した企業の事例 |
11 競合比較 ★ | 選定の判断軸と競合優位性 |
12 料金 | 商品・サービスの利用にかかる費用(料金表の形態) |
13 貴社が担ぐメリット ★ | パートナーの課題の仮説と解決できる提供価値 |
14 パートナープログラム概要 ★ | 条件面と支援のスキーム |
15 パートナー向け支援体制 ★ | 営業・サポート活動の支援内容 |
16 よくある質問 | パートナープログラムでよくある質問と回答 |
17 CTA (Call to Action) | 問い合わせ先 |
提案書作成の2つのポイント
ここからは、提案書作成のポイントを2つ紹介します。
ポイント1.パートナーが注力する商品・サービスとセットで提案する
パートナーは、注力している商品・サービスとセットで提案してもらえると、売れるイメージを持ちやすくなります。
可能な場合は、パートナーが注力している商品・サービスと自社の商品・サービスをセットにして提案しましょう。次のようなイメージです。
例1.パートナーの注力サービスが「クラウドFAX ソリューション」、自社のサービスが「経費精算クラウド・AI OCR」の場合
クラウドFAXソリューションと請求書系SaaS、AI OCRを組み合わせて利用すれば、請求業務のデジタル化支援になることを提案する。パートナーは、注力プロダクトのクラウドFAX ソリューションが売れるストーリーを描きやすく、取り扱いしやすい。
例2.パートナーの注力商品が「組み込み型ハードウェア」、自社のサービスが「クラウドデータ分析可視化IoT プラットフォーム」の場合
自社のサービスにより製造業のIoT支援ができることを提案。パートナーは、組み込み型のハードウェア開発を受託できる。
ポイント2.事業性が高いことを明示する
自社の商品・サービスを取り扱うことによる、パートナーの利益と事業の成長性を明示しましょう。商品・サービスの顧客ニーズや市場の成長性、パートナーが数年後に得られる見込みの利益などを示します。
才流ではパートナー向けの提案資料のテンプレートを用意しています。次の記事で作成方法も解説しているので、ぜひご覧ください。テンプレートをダウンロードするのに個人情報の入力は不要で、どなたでもお使いいただけます。