STEP2.インセンティブを設計する

契約形態が決まったら、契約形態にあわせてインセンティブを設計します。

インセンティブ設計の5つのステップ

インセンティブを設計する際は、次の5つのステップで検討を進めましょう。

ステップ取り組み内容
1.目的設定インセンティブを導入する目的を設定する(利益の最大化、シェアの拡大、商談数の最大化など)
2.コスト評価利益を確保できることを確認する
3.競合分析競合他社のインセンティブと比較して、大幅に劣っていないことを確認する
4.価格設定ステップ1〜3をもとに、インセンティブを仮設定する
5.価格決定プレ商談でパートナー候補にあてて検証し、内容を確定させる
インセンティブ設計の5つのステップ

調査結果|パートナーのマージン

ここで、インセンティブを検討する際に参考となる調査結果を紹介します。

才流が実施したパートナーの実態調査における「普段よく販売している自社以外の商品・サービスのマージン(仕切り率)や紹介手数料はどれくらいが多いですか?」という質問に対する回答です。

調査の結果、ほとんどの商品・サービスにおいてマージンや手数料は20%未満であり、OA機器においては20%〜30%未満が多いことがわかりました。

図版:「普段よく販売している自社以外の商品・サービスのマージン(仕切り率)や紹介手数料はどれくらいが多いですか?」という質問に対する回答の円グラフ

マージンは判断基準の一つに過ぎません。たとえば無形商材や有形商材などの商品・サービスの提供形態、成約後の導入支援やサポート範囲、競合他社の状況を勘案して決めます。マージンは当然、資金力がある企業が優位になりますが、パートナーにとっては判断基準の一つ。まずはマージン以外の支援を強化するとよいでしょう。

なお、ディストリビューターと取引をする場合は、販売パートナーである二次パートナー(リセラー)の利益を考慮したマージン設計が必要です。

図版:ディストリビューターと取引する際のリセラーの収益構造を示した図。メーカーから一次パートナーへの卸価格は70円、一次パートナーから二次パートナー価格への卸価格は85円、二次パートナーから顧客への販売価格は100円。全体の流れとして、メーカーから一次パートナー、一次パートナーーから二次パートナーであるリセラー、リセラーから顧客への価格の流れが視覚的に示されている
二次パートナーの利益を考慮したマージン設計の例
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