パートナービジネス立ち上げの5ステップ

繰り返しになりますが、パートナービジネスを立ち上げるときのポイントは、やみくもにパートナーと契約を締結しないことです。

まずは「売れるパートナー」を発掘し、その成功要因を横展開していきます。冒頭でも触れたとおり、本ガイドでは次の図のStep3をゴールに設定しています。

図版:Step1・売れる型の発見、Step2・売れる一人目の発見、Step3・売れるパートナーの創出、Step4・売れるパートナーの拡大、Step5・ロイヤリティプログラムの設計が階段状に並んだ図
パートナービジネス立ち上げの5ステップ

5ステップで進める理由は、精度の高い戦略がないままに契約を締結していくと、「契約を締結したパートナーが思うように売ってくれない……」という状況に陥るから。

実際にこのような状況に陥ってしまうメーカーは少なくありません。結果的にパートナーが自社の商品・サービスを担ぐ理由から考え直すことになり、大きな機会損失が発生します。よって、最短でパートナービジネスで成功を収めるためには、5ステップで立ち上げる必要があるのです。成功要因をつかんでから、パートナーの数を増やしていきましょう。

Step1.売れる型の発見

最初のステップは、直販で売れる型を見つけること。商品・サービスが売れるストーリーを整理して、ターゲットを明確にします。

直販で売れる型が見えないうちは、パートナービジネスに取り組むべきではありません。まずは直販で再現性を持って売れるようになることを目指しましょう。

Step2.売れる一人目の発見

直販で再現性を持って売れるようになったら、注力パートナーを3〜10社ほど選定して「売れる一人目」を探します。ここでいう一人目とは、そのパートナーにおける一人目の営業担当者のことです。

売れる一人目が見つかったら、インタビューを実施して売れた要因を分析しましょう。

Step3.売れるパートナーの創出 ※本ガイドのゴール

Step3は、「売れるパートナーの創出」です。Step2の成功事例をベースに、パートナー社内で事例、「売れる一人目」の思考や行動などを共有しながら、1社目の二人目、三人目をつくっていきましょう。

このときに大切なのは、パートナー内で自社の商品・サービスが第一想起をとれるようになっていること。

パートナーは同一の商材カテゴリで複数メーカーの商品・サービスを取り扱っています。したがって、パートナーが顧客に提案するときに「この商材なら◯◯社」と自社を想起してもらわなければなりません。

あわせて、パートナーと案件数や受注数といったKPIを設定するとよいでしょう。共通の目標を持つことで、ギャップを埋めようとする思考や行動が生まれるため、協力関係が深まり、効率的な業務遂行へとつながります。

また、目標達成に向けた取り組みを通じて、コミュニケーションの質も向上するでしょう。このあと、Step5のタイミングでランク制度や表彰制度の導入を検討します。これらをスムーズに導入できるように、目標を共有して備えておくのが望ましいです。

Step4.売れるパートナーの拡大

Step4は、「売れるパートナーの拡大」です。

Step3で明らかにしたパートナーの売れる型を用いて、さらに多くのパートナーを創出することがStep4の目的です。1社目の成功要因が合致するパートナーを抽出し、横展開して、2社目、3社目をつくっていきましょう。

売れるパートナーが増えてきたら、どれくらいの案件が見込めるかのポテンシャルを分析し、注力パートナーを定めます。

Step5.ロイヤリティプログラムの設計

Step5では、ロイヤリティプログラムを設計します。

売れるパートナーのモチベーションを高めるために、ランク制度や表彰制度を運用しましょう。とくに表彰制度は商品・サービスを自ら広めてくれるエバンジェリストを育成するのに効果的です。企業だけではなく個人にもスポットを当てるとよいでしょう。

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