才流では所属するコンサルタントが週次で集まり、社内勉強会の一環として才流がご支援するお客さまのWebサイトをレビューしています。内容は、20名近くのコンサルタントがその場でお客さまのサイトを閲覧し、分析・評価をするというもの。1サイトあたりの実施時間は最大10分程度、平均して約50の指摘事項が出てきます。
こうした取り組みを進めるなかで、BtoBサイトへの指摘事項の多くは共通しており、業種・業態が違っても変わらないことがわかってきました。そこで2022年3月〜2023年3月に発生したBtoBサイトへの指摘事項を集計し、最も多かったものをTOP3として紹介します。
1位 商品・サービスの説明(指摘数:217)
最も多い指摘は、商品・サービスを十分に説明できていないことでした。とくに「何を売っている会社なのかわからない」という指摘事項が目立ちました。
・他社の類似の商品・サービスとの違いがわからない
・「〜しましょう」という提案があるが、どのようなメリットがあるのか、しなかった場合にどうなるのかがわからない
・顧客視点ではなく、自社視点のキャッチコピーになっている
・誰に向けた、何のサービスなのかわからない
・コスト削減や業務効率化を謳っている商品なのに導入前・導入後の効果を示せていない
・「膨大な」「次世代の」「お客様の事業を成長させる」などの抽象的な表現をしている
指摘の声
このような表現をしてしまう理由はさまざまですが、顧客理解に基づいたコミュニケーション設計ができていないケースがほとんどです。解消するためには、「バリュープロポジション」というフレームワークを用いるのが有効です。
才流では、バリュープロポジションを自社が提供できて、競合他社が提供できない、顧客が求める独自の価値を表したものと定義しています。テンプレートもあるのでぜひ活用してください。
関連記事:バリュープロポジションとは?作り方と事例~テンプレート付きで解説~
2位 デザインの不備・不整合(指摘数:114)
おもにWebサイトのデザイン(意匠)上の問題です。指摘事項は次のようなものがありました。
・フォントサイズが小さすぎて、または大きすぎて読みづらい
・トンマナがカジュアルで、法人向けのWebサイトに見えない
・画像が見切れている、画像の解像度が低い
・文章と画像の内容が合致していない
・色を多用しすぎて目線が定まらない
・色が少なすぎて強調したいものがわからない
・解決できることや特長などの目立たせるべきテキストが目立っていない
・Webサイト全体のデザインが10年以上前に採用されたもので、現代的でない
指摘の声
コミュニケーションに影響を与える指摘事項がほとんどです。デザインの良し悪しを判断するのはむずかしいと感じる方も多いと思います。しかし、ユーザーテストを実施することで、デザインの専門家がいなくても人が見たときの印象としてのデザインの良し悪しを判断できます。ユーザーテストのやり方は「ユーザーテストのやり方」で解説しています。
3位 CTAボタン(指摘数:99)
CTAボタンの改善は、コンバージョン率に大きく影響するため、とくに優先して改善したいポイントです。よくある指摘事項は次のようなものです。
・CTAボタンの数が多すぎて、どれを押せばいいのかわからない
・CTAボタンの数が少なくて、押される確率が低くなっている
・CTAボタンがコンテンツの文脈に沿った配置・表記になっていない
・CTAボタンが目立つ色・サイズ・配置になってない
・とくに誘導したいCTAボタンが強調されていない
指摘の声