リードを判定する方法を決定する

展示会でリードを判定する際は、商品・サービスや事業戦略に応じて、「案件発掘型」または「ポテンシャル判定型」のアプローチを用います。

案件発掘型

案件発掘型は、商品・サービスを検討する可能性が高いリードを特定し、具体的な課題やニーズに対応する機会を見つけ出すアプローチです。

説明員はまず、予算、決定権、ニーズ、および購買タイミングに関する情報、自社の商品・サービスが解決できる課題を持っているかどうかを確認します。

そのうえで、ヒアリングを通じてリードの商談機会が近いかどうかを判定し、フォローの優先度を決定します。

ランクAは商談機会が近いと判断されるため、その場で商談の日程調整を行うのが理想的です。日程を調整できない場合は、ヒアリングをした翌日にフィールドセールスが電話やメールでフォローを行い、商談獲得を目指します。ランクBとCのリードは、それぞれインサイドセールスやマーケティングのフォロー対象となり、適切なタイミングでアプローチを重ねていきます。

つまり案件発掘型は、商品・サービスを検討する可能性が高いリードを効率的に識別し、その後の営業活動やマーケティングの施策にいかすことを目的としているのです。

案件発掘型の主なヒアリング項目

次のような項目についてヒアリングします。

  • 予算の有無
  • 決定権の有無
  • ニーズの有無
  • 選定時期
  • 購買意欲(例:見積もりの希望、デモの要望)

案件発掘型のフォロールールの例

フォロールールは、商品・サービス、組織体制によって異なります。一例としてご覧ください。

案件発掘型のフォロールールの例。ランクを決める条件とフォローの主体、フォロー対応の内容を整理した表
案件発掘型のフォロールールの例

ポテンシャル判定型

ポテンシャル判定型は、LTVが高い企業を見つけ出すアプローチです。

売上や従業員数のような企業規模、自社の商品・サービスの想定利用量、月間の請求書発行件数や年間の中途採用の人数といった商品・サービスの利用量と連動する情報、予算規模などの要素を評価基準として用い、潜在的なターゲット企業を見極めます。

目的は、自社の商品・サービスを利用する可能性があり、LTVも高いことが期待できる企業を積極的な営業活動の対象として優先することにあります。

説明員は取引規模が大きくなる企業を見極め、優先度をつけてフィールドセールスやインサイドセールス、マーケティングにそれぞれ引き渡します。

ポテンシャル判定型の主なヒアリング項目

次のような項目についてヒアリングします。

  • 企業規模(売上や従業員数)
  • 商品・サービスの想定利用量
  • 商品・サービスの利用量と連動する情報
    • 例:月間の請求書発行件数
    • 例:年間の中途採用の人数
  • 予算規模

ポテンシャル判定型のフォロールールの例

フォロールールは、商品・サービス、組織体制によって異なります。一例としてご覧ください。

案件発掘型のフォロールールの例。ランクを決める条件とフォローの主体、フォロー対応の内容を整理した表
ポテンシャル判定型のフォロールールの例

どちらのアプローチを選ぶべきか

案件発掘型とポテンシャル判定型、どちらのアプローチを選ぶべきかは商品・サービスや業種、目指す成果によって異なります。

案件発掘型は、BtoB SaaS提供者のような、主な成果指標を新規顧客の獲得数としている企業に適しています。

こうした企業の特徴は、商品・サービスの単価がある程度固定されており、1社あたりの売上が商品・サービスの単価にほぼ等しいことです。そのため、新規の取引獲得数が重要で、営業活動では商談数を増やすことが重視されます。このアプローチは、とくに SMB(中小企業)向けの商品・サービスで効果的です。

一方、ポテンシャル判定型は、1取引あたりの金額が大きい顧客を開拓することを重視する企業に適しています。

たとえば、システムインテグレーター(SIer)、広告代理店、ユーザベース課金(従量課金)のSaaS提供者などが該当します。営業リソースを取引金額の高い顧客に集中させるために、顧客のポテンシャルを正確に判定することが重要だからです。

選択すべきアプローチは、自社が得たい成果やターゲット顧客によって異なります。新規の取引を増やしたい企業は案件発掘型、LTVが高い顧客をターゲットとする企業はポテンシャル判定型を選択することが、それぞれの目標達成につながるでしょう。

自社が選ぶべきアプローチ方法が決まったら、ヒアリング項目とフォロールールを策定しましょう。なお、フォローの主体は自社の体制にあわせて検討してください。

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