はじめに、日本国内における展示会の概要について説明します。
展示会の定義
経済産業省が2014年に発行した『展示会産業概論』によると、展示会とは商品・サービス・情報などを展示、宣伝するためのイベントを指します。フリーマーケットや路上販売は含みません。
展示会は、対象とする来場者によって大きく3つに分類されます。
1つ目は、ジャパンモビリティショー(旧:東京モーターショー)のような一般の消費者向けのBtoC展示会です。2つ目は、東京インターナショナル・ギフト・ショーやJIMTOFのようにビジネス関係者を対象としたBtoB展示会です。最後に、東京ゲームショウのようなビジネス関係者と一般の消費者の両方を対象にしたBtoBtoC展示会があります。
※参考:経済産業省『展示会産業概論〜はじめて展示会に関わる人のための入門書〜』
本ガイドで焦点を当てるのは BtoB 展示会
本ガイドでは、日本国内で開催されるBtoB展示会に焦点を当てています。
BtoB展示会では、商品・サービスを販売したい出展社と、情報収集や業界トレンドの把握、商談をしたい来場者が1つの会場に集まり、情報交換や商談を行います。
なお、BtoBでも既存顧客だけを対象とするような展示会や即売会、出展社を広く募らないイベントやカンファレンスなどは本ガイドブックの対象からは外します。
BtoB展示会に類似するイベントとして、見本市やトレードショーがあります。これらはいずれも商品・サービスの見本を展示し、商談を目的として開催されます。BtoBの文脈では、展示会、見本市、トレードショーはいずれも同じものとして扱われることがほとんどです。そのため、本ガイドでもこれらのイベントは同じものとして取り扱います。
BtoB展示会はさまざまなテーマで開催され、分野や粒度も異なります。たとえば物流や医療といった特定の業界向けや、包装、製薬、自動化装置など特定の商品・サービスに焦点を当てたもの。また、DXや自動化といった複数の業界に関連するテーマの展示会もあります。
自社のマーケティング戦略にあわせて、適切な展示会を選ぶことが重要です。