ブースの設計とあわせて、ブースを運営するのに必要な体制を構築しましょう。
ブース運営を担うメンバーと役割
ブース運営を担うメンバーとそれぞれの役割は次のとおりです。
誰に何を依頼するのか、それぞれ何名必要なのかは後述します。ここではどんな役割があるのかをつかんでください。
役割 | 担当 | 業務内容 |
---|---|---|
説明員 | 社員(営業担当者中心) | 自社の商品・サービスの説明、デモ、ヒアリングを担当するスタッフ。自社社員が一番時間を割くべき役割 |
集客スタッフ | 社員(営業担当者中心)orコンパニオン | ブース前での声かけ、ノベルティや資料配布を担当し、来場者をブースへ誘導するスタッフ。説明員の人員確保の優先度が高いので、予算があれば外注を推奨 ※教育を兼ねて、経験の浅い営業担当者が担うこともある |
受付スタッフ | 社員 or コンパニオン | 受付を設置する場合に、受付で来場者の対応をするスタッフ。配布物やノベルティの受け渡し、ヒアリングシートの集計、問い合わせ対応などを行う |
セミナー登壇者 | 社員 or ナレーター | セミナーのプレゼンター。自社社員がやる場合と、事前にインプットをしたナレーターに依頼する場合がある |
セミナー運営スタッフ | 社員 or 映像スタッフ | セミナー開始前の映像、スライド、音響などの準備・操作を行う。セミナーの規模が大きい場合や、画面切り替えなど複雑な操作がある場合は専門スタッフへの外注が望ましい |
運営統括 | 社員(マーケティング) orディレクター | リード獲得状況の確認や集客の支援、ノベルティ・カタログの補充など、目標達成のために必要な運営を統括する。マーケティング部門で担当するか、外部ディレクターに依頼 |
説明員
説明員はブース内で来場者に対し、商品・サービスの詳細な説明、デモンストレーション、ヒアリングを行います。
これらは来場者の商品・サービスへの理解と関心を高め、結果として商談獲得数にも大きく影響します。そのため、説明員には商品・サービスに対する深い知識と顧客対応スキルが求められます。
展示会の出展はマーケティング部門が主導しますが、説明員には営業担当者を起用するとよいでしょう。営業担当者の数が足りない場合は、技術者やマーケティング担当者が担います。
集客スタッフ
集客スタッフは、リード獲得数に大きな影響を与える存在です。ブースの周辺で来場者に声をかけて、ノベルティやカタログ・パンフレット、お役立ち資料と引き換えに来場者のバーコードをスキャンしたり、ブースの中へ誘導したりします。
リード獲得数を最大化したい場合は、なるべくコンパニオンを活用しましょう。また、説明員と集客スタッフを分けることで、それぞれがやるべき業務に集中できます。
大規模なブースでは新人研修プログラムの一環として、新入社員が集客スタッフを担うこともあります。集客スタッフや展示会の運営を通じて、自社のビジネスや商品・サービス、顧客への理解が深まるからです。また既存顧客との関わりや、チームビルディングの観点でもメリットがあります。
受付スタッフ
受付スタッフは、受付を設置する場合に必要な役割です。広さが4小間以上の場合は受付を設置しましょう。
受付スタッフは問い合わせ対応やノベルティ、カタログ・パンフレットの受け渡しといった来場者の対応のほか、ヒアリングシートの集計なども行います。集客スタッフと同様に、コンパニオンに依頼するか、社員が担当します。
セミナー登壇者
セミナーのプレゼンターです。基本的には商品・サービスへの理解が深い社員が担当します。
リソースを確保できない場合は、台本を作成して外部のナレーターに依頼するケースもあります。ナレーターに依頼するメリットは、社員のリソースや時間の調整が不要になること。毎時2回開催するなど、定期的にセミナーを行う場合はナレーターの起用を検討しましょう。
セミナー運営スタッフ
セミナーが始まる前に流す映像や、セミナー開催中のスライドや音響の操作を行います。来場者数が多い、画面の切り替えなどの複雑な操作が必要な場合は、外部のリソースを頼るのが安心です。
運営統括
リード獲得の状況確認や集客支援、ノベルティやカタログ・パンフレットの補充など、目標の達成に必要な細かな業務を担います。
基本的にマーケティング部門が担当しますが、リソースが足りない、セミナーの開催予定があるなどでオペレーションが複雑な場合は外部ディレクターの活用を検討しましょう。
ブース運営に必要な人数
ブース運営に必要な人数は、名刺・バーコード、ヒアリングシートの獲得目標から逆算して考えます。
ヒアリングシートを獲得する場合、1人の説明員が 1 時間で対応できる来場者の数は 4人ほどです。したがって、3日間の会期でヒアリングシートを300枚獲得したい場合は、1日に6時間稼働する説明員が4〜5人必要になります。
1人の集客スタッフがスキャンできるバーコードの数は、1日(6時間稼働)で 200件ほどです。よって、会期3日間のバーコードの獲得目標が3,000件の場合は、1日に6時間稼働する集客スタッフが5〜 6人必要です。
最終的には、小間のサイズや開放面も考慮して体制を決定してください。
説明員と集客スタッフの服装
最後に、説明員と集客スタッフの服装について説明します。
服装を検討する際は、チームとしての一体感と来場者が説明員を見つけやすいかを考慮します。来場者が「商品・サービスについて誰に質問をすればいいのか?」をすぐに判断できるように、説明員と集客スタッフで服装を分けましょう。展示会に向けて衣装をつくる場合は、自社のコーポレートカラーを採用するとよいでしょう。
展示会でよくある服装は次の3つです。
- 企業や商品・サービスのロゴが入ったウィンドブレーカーをシャツの上から羽織る
- 企業や商品・サービスのロゴが入ったポロシャツを着用する
- 企業や商品・サービスのロゴが入った T シャツを着用する
コンパニオンが集客スタッフ、ナレーターがセミナーを担当する場合はユニフォームや衣装をレンタルすることもあります。また、集客スタッフはヒールがある靴ではなくフラットなものにすると動きやすさを確保できます。