ブースを設計する

出展スケジュールを作成できたら、ブースの設計に取り組みます。小間位置や、ブースをどのようなレイアウト・装飾にするのかを検討しましょう。

小間とは

展示会では、ブースを設置する場所のことを「小間」といいます。

契約時に主催者が作成した会場図から小間位置を選び、小間サイズに応じた金額で契約を締結するケースが一般的です。展示会によっては、抽選で小間位置が決まることもあります。

ほとんどの展示会では、3,000mm×3,000mmの9平米のスペースを1小間と定めています。ただし、RX Japan社が主催する展示会では、3,000mm×6,000mmを1小間としています。

このように1小間のサイズは展示会ごとに変わるので、必ず出展ガイドで詳細を確認してください。なお、同じ展示会でも小間位置によってサイズが異なるケースもあります。

小間のレイアウト例

小間のレイアウトは、次の4種類に大別されます。

  • 一面開放
  • 二面開放
  • 三面開放
  • 四面開放

一面開放は、1つの面だけが通路に面するレイアウトです。二面開放、三面開放はそれぞれ2つ、3つの面が通路に面しています。四面開放はブースの4つの面がすべて通路に接しており、アイランド型とも呼ばれます。

開放している面に応じて、ブースのレイアウトを検討しましょう。

図版:小間のレイアウトイメージ
小間のレイアウト

一面開放は、一方向からしかブースに入れません。二面開放、三面開放は一面開放よりも開放感があり、来場者も出入りしやすいなどの利点を持ちます。一方、出入りできる箇所が増えるぶん、一面開放よりも集客の導線づくりやオペレーションが複雑になります。

どの方向からでも来場者が出入りできる四面開放は、来場者の興味をひきやすくなるほか、レイアウトの柔軟性が高い点がメリットです。ただし、オペレーションが複雑になるといったデメリットもあります。

また、開放面が増えるのに伴って小間の費用が追加されるケースもあります。

小間位置の選び方

小間位置は、多くの来場者が通る入り口付近、大通り、入り口の突き当たりが狙い目です。

もし空いているようであれば、早めに申し込みましょう。会期中に次年度の小間を販売しているケースもあるので、会場で確認してください。

小間位置以外の検討要素として、開放面と小間サイズがあります。ただし、基本的には主催者が商品・サービスに応じて大まかな区画を決めているため、出展社が選べるのは小間位置のみとなる場合が多いです。

図版:展示会場のイメージサンプル
展示会の来場者が通りやすい小間位置

ブース設計の基本とレイアウト例

主催者から提供されるのは小間のみです。どんなブースにするのか、どんな装飾を施すのかは出展社に委ねられています。

小間位置を起点に来場者の導線を想定して、ブースのレイアウトや装飾を考えましょう。ポイントは、次の4つです。

  • 人が最も集まる場所に社名サインやセミナーなどのアイキャッチを設置する
  • 左右が開いている小間の場合は、正面だけでなく横からも入れるような導線をつくる
  • 大通り沿いは開放して、来場者がブースに入りやすいようにする
  • セミナーを実施する場合は人が集まりやすい角で行う
ブース設計のポイントを図示した図版。来場者の動線を考慮し、人が最も集まるポイントにアイキャッチを設置し、ブースの左右が開いている場合は左右からも入れるようにする
ブース設計の基本
横長のブースのレイアウト例。正面から見て、真ん中の奥に商談コーナー、左側に展示コーナー、左側の手前に受付、右側の手前にセミナーコーナーが配置されている
ブースレイアウトの例

アイキャッチの種類

ブースのアイキャッチは、来場者の興味をひくための重要な要素です。

社名や商品・サービスのサイン、キャッチコピーを使ったサイン、来場者への声かけができるコンパニオンなど、さまざまな種類があります。

アイキャッチの種類と特徴を次表に整理しました。

アイキャッチの種類と概要を整理した表。種類は、社名サイン、キャッチコピーサイン、コンパニオン、動画、セミナー・プレゼン、商品本体・デモ機がある
アイキャッチの種類と特徴

必ず用意するものは社名サインです。社名の認知度が高くない場合は、商品・サービスの一般的な呼称やカテゴリーを添えるなど、何を提供している企業なのか一目でわかるようにしましょう。

コンパニオンを採用する場合も、自社が何を提供している企業なのかが端的に伝わる声かけをしてもらいます。来場者が自分に関係があるのか、ないのかを判断するのを助けるためです。

また、できるかぎりセミナー・プレゼンの実施を検討してください。人員を確保するのが難しい場合は、音声付きの動画を流すのも有効です。次に商品・サービスの実機やデモ機を検討しましょう。これらはいずれも訴求力が高く、来場者の興味をひくアイキャッチです。

ブース装飾の依頼先

ブースの装飾は、自社で行うほかに、主催者が提供するパッケージブースを利用する、ブース装飾の専門企業、マーケティングやイベントの代理店に依頼するといった選択肢があります。

ブース装飾の専門企業、マーケティングやイベントの代理店は、自社で取り組むのに比べて費用は大きくなるものの、経験やリソースがない場合に頼りになる存在です。

依頼先と、費用、難易度、リソース、概要を整理した表
ブース装飾の依頼先

依頼先の選び方

ブース装飾の依頼先は、次の内容と予算・リソースを考慮して検討してください。

自社の状況依頼先
初めての出展で未経験者が多い費用が大きくなっても、代理店に相談し、手厚く支援してもらう
最小限のコストで出展したい主催者が提供するパッケージブースを利用する
既存のやり方に課題があるブース装飾の専門企業や代理店、展示会出展に特化したコンサル会社に相談する、あるいは依頼・相談する企業を変更する
社内に経験者が多く、取り組み内容も型化できているブース装飾の専門企業に依頼する
依頼先の選び方
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