次に日本国内における展示会の動向について、いくつかの調査結果を交えて紹介します。
開催カテゴリーはBtoBが主流
一般社団法人日本展示会協会が 2021年に発表した調査結果(※1)によると、2019年に日本で最も多く開催されたのはBtoB展示会でした。
2019年の総展示会数は603件、出展社数は合計77,041社・団体、総来場者数は7,490,484人にのぼります。
開催カテゴリーは、BtoB展示会が全体の93.7%にあたる565件で最多。それに続いてBtoBtoCが21件、BtoCが17件となっています。さらに2024年も500件以上のBtoB展示会の開催が予定されており(※2)、日本における展示会の開催カテゴリーはBtoBが主流であることがわかります。
また、2019年の開催会場の分布は次のとおりで、日本国内の展示会の大部分が首都圏で開催されるものです。
開催会場 | 開催会場の所在地 | 開催件数(割合) |
---|---|---|
東京ビッグサイト | 東京都 | 296件(49.0%) |
幕張メッセ | 千葉県 | 100件(16.5%) |
インテックス大阪 | 大阪府 | 75件(12.4%) |
ポートメッセなごや | 愛知県 | 23件(3.8%) |
その他 | ― | 109件(18%) |
※1:一般社団法人日本展示会協会『2019年にわが国で開催された展示会実績調査〜年間20社・71団体が600件超の展示会を開催〜』
※2:ジェトロ(日本貿易振興機構)『世界の見本市・展示会情報( J-messe)』
コロナ禍で台頭したオンライン展示会
2020年1月、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大をうけて、東京ビッグサイトや幕張メッセといった会場で開催されるオフライン展示会の件数は大きく減少しました。
そこで台頭したのが、Web上で開催されるオンライン展示会です。
バーチャル環境で商品・サービスを見られたり、ウェビナーを視聴できたりするオンライン展示会は、時間や会場の制約がない、オフラインよりも効果測定がしやすいなどの理由から出展社・来場者のあいだで重宝されました。
アイティメディア株式会社が2023年に公開した調査結果でも、コロナ禍以降、多くの企業がオンライン展示会に出展していることがわかります。

オフライン展示会の開催件数は回復傾向
次のグラフが示すとおり、2022年以降、オフライン展示会の開催件数は回復傾向にあります。

さらに、先ほども紹介したアイティメディアによる調査でも、行動制限が緩和されたことにより再びオフライン展示会への出展を検討している企業が増えていることが明らかになっています。

オフラインとオンラインで、展示会出展における成果指標や取り組み内容は異なります。本ガイドで対象とするのは、オフライン展示会のみです。
よって、このページ以降で言及される「展示会」とは、オフラインで開催される展示会を指すものと認識してください。