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どんな優秀な人でも、カオスなプロジェクトでは埋もれてしまう

株式会社才流 代表取締役社長
栗原 康太

2016年11月にリリースし、先日、サービス終了の告知をさせていただいた企業とプロフェッショナルのマッチングサービス「SAIRU」。プロジェクトを振り返る機会があったので、思考の整理がてらまとめておく。

前提:SAIRUとは

企業から「いい人を紹介して欲しい」という要望を受け、プロフェッショナル(フリーランス、数名のチーム、もしくは企業内の個人)を紹介するマッチングサービス。全国50箇所以上のコワーキングスペースや協会と連携することで、人と人のつながりを通じて、「お墨付き」のプロフェッショナルを紹介できるのが特徴だった。

プロジェクトがカオスだと人は活躍しづらい

様々な企業とプロフェッショナルのマッチングを支援する中で、“双方がハッピーになるマッチング”の難しさを痛感した。

人を紹介しても、結局、プロジェクトが無くなってしまったり、マッチングした後に上手くいかないケースが想像以上に多かった。

新卒・中途採用でも一緒だと思うけど、会社や事業、プロジェクトがカオスだと、カオスの渦に巻き込まれてしまい、いくら優秀な人でも才能を発揮しづらい。そして、世の中のプロジェクトは結構な割合でカオスだった(笑)。

このままマッチングをやっても、企業にとっても、プロフェッショナルにとっても、僕らにとってもプラスが少なく、社会が良くなる感覚を持てなかった。

より多くの人が才能を発揮できる環境を増やす

一方、会社や事業、プロジェクトが良い流れにある、いわゆる“いい会社”は、発注までの意思決定が速く、マッチングした後に上手くいく確率も高かった。

この経験から、会社のミッションである『才能を流通させる』ために、まずは「より多くの人が才能を発揮できる環境・状態」を増やす必要があること。そして、僕らはそこに貢献したいことがわかった。

「会社は社長の器次第」と言われるように、会社において経営者・事業責任者の及ぼす影響はとてつもなく大きい。彼らの才能発揮に貢献できれば、経営者・事業責任者はもちろん、従業員や顧客、パートナー、ひいては社会全体が幸せになる循環を作ることができる。

経営者や事業責任者の想いの実現を支援したい

SAIRUを通じて、多くの経営者・事業責任者と会い、自分自身も、ここ数年で前職での事業部長や経営会議メンバー、2つの会社の創業を経験した。その中で、経営者・事業責任者こそ、自分自身や関わるメンバーの才能の発揮について、悩み、サポートを求めていることを痛感した。超ざっくり言うと、リーダーって楽しいけど、結構大変(笑)

自分も当事者の一人として、経営者・事業責任者の才能を発揮する方法を日々考え、一つの仮説を持つに至った。それが以下の図。

ベクトルAの統一感があればあるほど、関わる人達のエネルギーが集約され、結果として、より大きなインパクトが出せる。逆に、ベクトルBのビジネスモデルや戦略の最適化“だけ”になってしまったり、ベクトルAに統一感がなくなると、関わる人たちの才能が発揮されにくいカオスが生まれる。

この仮説に基づき、経営の根幹である顧客開拓の文脈で、ベクトルAの最大化を支援する存在として、外部CMO型のマーケティング支援を提供している。
※ゆくゆくは、組織や採用、新規事業など、同じく、経営の根幹にあたる領域の支援メニューを増やしていきたい

「事業」というビルを建てるために必要なプロセス

この仮説を持って動き出してから、自分たちのやりたいことが明確になり、いままでぼんやりとしか見えなかった会社のビジョンやサービスの形、組織の形が信じられないスピードで鮮明になり始めている。

ビルを建てる時に、地盤改良や障害物撤去などの“土木工事”が最初に必要なように、事業を立ち上げる時も、ビルを建てる前の“土木工事”のプロセスは欠かせない。ようやく当社でも、自分たちにとっての土木工事が終わり、ビル本体の建設が始まった感覚が強い。

そんなことを考えていたら、マーク・ザッカーバーグがハーバード大の卒業式スピーチで、Facebookにとっての土木工事を語っていた。

実際、僕の望みは大きな会社を作るってことじゃなくて、社会にインパクトを与えることなんです。しかし、初期から一緒にやってくれてる人たちはそのことを当然わかってくれていると思っていたので一々説明はしませんでした。

でも、初期メンバーのほとんど全員が売りたがっていました。「より大きな目的感」がないなら、会社を売り抜けることはスタートアップの夢そのものだからです。このことで会社は分裂してしまいました。ある激論の後で、ある顧問が僕に「もし今売らなかったら、一生後悔するぞ」とまで言いました。人間関係はズタズタになり、一年ほどで経営陣チームの全員が会社を去りました。

その時が、フェイスブックを経営していて一番大変な時期でした。僕は自分たちがやっていることの価値を信じていたけど、でも孤独でした。しかも悪いことに、それは僕の過ちでした。自分は間違っていたのか?詐欺師なのか?それとも世間を知らない22歳のガキなのか?と悩んでいました。

そして今、何年もたって、私は、それは「より大きな目的意識」がない時に起きる自然なことなんだということがわかりました。そういう「目的感」を作れるかどうかは自分たち次第なんです。それがあればみんな一緒に前に進んでいくことができる。

出典:ザッカーバーグのハーバード卒業式スピーチが感動的だったので日本語訳した。

より多くの組織が「より大きな目的意識」や「目的感」を持ちながら進めるように、もっともっと多くの会社の才能の流通を支援していきたい。

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